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『稲盛和夫一日一言』 3月17日

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 3月17日(日)は、「未来進行形で考える」です。

ポイント:目標を立てるときには、「自分の能力以上のもの」を設定する。そして、その「未来の一点」にターゲットを合わせ、現在の自分の能力をその目標に対応できるまで高める方法を考えていく。

 2009年発刊の『働き方』(稲盛和夫著 三笠書房)「能力を未来進行形で考える」の項で、目標を立てるときの考え方について、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 目標を立てるときには、「自分の能力以上のもの」を設定する。それが私の考え方です。
 今の自分では「とてもできそうもない」と思われるほどの困難な目標を、「未来の一点で達成する」ということを決めてしまうのです。
 そして、その「未来の一点」にターゲットを合わせ、現在の自分の能力をその目標に対応できるまで高める方法を考えていくのです。

 現在の自分の能力で、「できる」「できない」を決めてしまったのでは、新しいことにチャレンジし、より高い目標を達成していくことはできません。そこに「現在の能力ではできないものを、何としても成し遂げよう」という強い思いがなければ、新しい分野を切り開き、高い目標を達成することなどできないのです。

 私はこのことを、「能力を未来進行形で考える」と表現しています。
 これは、「人間は無限の可能性を持っている」ということを意味します。つまり、「人間の能力は未来に向かって限りなく伸びていく可能性を持っている。このことを信じて、自分の人生に夢を描こう」ということを、私は言いたいのです。

 しかしながら、多くの人が「自分にはできません」という言葉を、仕事や人生で、いとも簡単に口にします。現在の自分の能力で考えて、「できる」「できない」をすぐに判断してしまうのです。
 そうではありません。人間の能力は、未来に向けて必ず成長し、進歩していくものなのです。

 実際に、みなさんが今している仕事は、数年前には「とても自分にはできそうもない」と思われた仕事であったのではないでしょうか。しかし今では、それがいとも簡単にできるようになっています。
 人間というのは、すべての点において進歩するように、神様がつくってくれたもの、そう考えるべきなのです。

 「私は勉強もしていないので、知識も技術も持ち合わせていません。だからできません」と言うのではなく、「私は勉強していないから、知識も技術もありません。しかし、やる気だけはありますから、必ず来年にはできるようになるはずです」と考えていくべきです。
 そして今この瞬間から、勉強をし、知識を獲得し、技術を習得すれば、未来には秘められた能力を開花させ、素晴らしい成長を遂げていけるはずです。


 人生をあきらめ、今のままで一生を終わろうなどと思っている若い人は少ないでしょう。しかし、難しい課題を前にすると、ほとんどの人がつい「できません」と言ってしまいがちです。
 しかし、絶対に「できない」と言ってはなりません。難しい課題を前にしたら、まずは自分の無限の可能性を信じることが先決です。


 「今はできないかもしれないが、努力をすればきっとできるはずだ」と、まずは自分の可能性を信じ、次に必要となる能力をいかに伸ばしていくかを、具体的に考え尽くしていかなければなりません。それこそが、明るい未来へと続く扉を開けることになるのです。(要約)

 2001年発刊の『京セラフィロソフィを語るⅠ』(稲盛和夫著 京セラ経営研究課編/非売品)「能力を未来進行形でとらえる」の項で、名誉会長は次のように説かれています。

 ここで言いたいのは、「人間の能力は、未来に向かってどんどん伸びていくということを前提として、自分の人生を設計しなさい」ということです。
 人間の能力とは、すべての点において進歩するように神様がつくってくれたものです。そのことを私は、「能力を未来進行形でとらえる」と言っているのです。

 今の能力だけで自分を評価するのは、あまりにもみじめです。ですから、能力というものは未来に向かって開花していくものだと信じ、努力していきましょう。「能力を未来進行形でとらえる」とは、そういうことなのです。(要約)

  最近、フレイルやサルコペニアといった用語が広まってきていますが、加齢によって低下する筋力を継続的なトレーニングを行うことで維持・強化していくことで、健康寿命の延伸が期待されています。

 私も前期高齢者といわれる年齢になってから特に、「筋肉はいくつになってもつけることができる」「筋肉をあきらめない」という言葉が気になるようになりました。

 「六十の手習い」という言葉もあるように、その対象がフィジカルなものにしろメンタルなものにしろ、自分で設定した未来のゴールに合わせて、現在ある自分の能力をそのゴールに到達できるよう高めていく努力を怠らない。

 「自分の人生を自分で諦めない」
 それが一番大事なことなのではないでしょうか。


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