『稲盛和夫一日一言』2/22(水)
こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 2/22(水)は、「本物になる人」です。
ポイント:仕事をするには、豪快さと緻密さといった二律背反する性格を備え、それを局面によって使い分けることが必要になる。それは、繊細でシャープな神経の持ち主が場数を踏むことによって身につけることができる。
1989年発刊の『心を高める、経営を伸ばす』(稲盛和夫著 PHP研究所)の「大胆にして細心であれ」の項で、本物になるための条件について、稲盛名誉会長は次のように述べられています。
人間には大きく分けて、緻密で繊細できちょうめんな内気な人と、豪快で大胆で外交的な人の二つのタイプがあります。私は仕事をしていくには、この両面を併せ持つことが必要だと考えています。
なぜなら、ただ大胆なだけでは、パーフェクトな仕事はできませんし、ただ繊細なだけでは、新しいことにチャレンジする勇気は生まれないからです。
仕事をする場合、どうしても豪快さと緻密さという、二律背反するような性格を備え、それを局面によって使い分けられる人が必要です。私は、繊細でシャープな神経の持ち主が、場数(ばかず)を踏むことによって真の勇気を身につけていったときに初めて、本物になると思っています。
しかし、最初からそういう人が多くいるわけではありませんから、繊細な神経の持ち主の人は、積極的に機会と場を求め、勇気と大胆さを身につけていくことが必要です。(要約)
昨日の一日一言は、「両極端を併せ持つ」という内容でした。大胆さと細心さといった相矛盾する両極端の性格を併せ持つことによって初めて、パーフェクトな仕事をすることができるという内容でした。
大胆であるべきときにダイナミックに仕事を進め、同時に細心でなければならないときに細心さを発揮して失敗を防ぐ。そう考えると、相反するものを状況に応じて正常に使い分け、しかもうまく機能させることは何ら矛盾することではないはずです。
しかし大抵の人は、「大胆に進めようとしている自分と、ビビッて踏み出せない自分と、果たしてどっちが本当の自分なのだろう」と悩んでしまう局面にぶち当たるはずです。
今日の一言で名誉会長は、「繊細でシャープな神経の持ち主が、場数を踏むことによって、真の勇気を身につけていったときに初めて、本物になると思っています」と言われています。
もし、その選択肢しかないとすれば、大胆さが勝っている人は本物にはなれないということになってしまいますから、それは多くの部下を育ててこられた経験と名誉会長自身の実体験から出てきたものだと思われます。
いずれにしても、「真の勇気」を身につけられるかどうかにかかっているということです。
最後に、米国の作家 F・スコット・フィッツジェラルドの言葉です。
「第一級の知性とは、両極端の考え方を同時に併せ持ち、
かつ、それらを正常に機能させることのできる人間である」