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『稲盛和夫一日一言』 7/23(日)
こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 7/23(日)は、「失敗してもクヨクヨ悩まない」です。
ポイント:人生で失敗したときは、まずはその原因をよく考え、しっかりと反省しなければならない。しかし、十分に反省したのであれば、いつまでもクヨクヨ悩んだりせずに忘れてしまうことが大切。
2010年発刊の『六つの精進』(稲盛和夫著 サンマーク出版)の中で、感性的な悩みをしないことの大切さについて、稲盛名誉会長は次のように述べられています。
私自身、若いころにいろいろな悩みを持っていたため、この「感性的な悩みをしない」という考え方はとても大切なことだと感じています。
人生では、心配事や失敗など、心を煩わせるようなことがしょっちゅう起こります。しかし、一度こぼれた水が元へと戻ることがないように、起こしてしまった失敗をいくつまでも悔やみ、思い悩んでも意味がありません。
クヨクヨと思い続けることは、心の悩みを引き起こし、ひいては肉体の病につながり、人生を不幸なものにしてしまいます。すでに起こってしまったことはいたずらに悩まず、あたらめて新しい思いを胸に抱き、新しい行動に移っていくことが大切です。
起こってしまったことに対して深く反省はしても、感情や感性のレベルで心労を重ねてはなりません。理性で物事を考え、新たな思いと新たな行動に、ただちに移るべきです。そうすることが人生を素晴らしいものにしていく、と私は信じています。
例えば、仕事で失敗をすると、私たちはよく心配をします。しかし、いくら心配をしても、失敗した仕事が元に戻るわけではありません。しかし、悔やみ、思い悩んでも意味がないのだとわかってはいても、なお「あれさえうまくいっていれば・・」などと思い悩んでしまうものです。
しかし、いつまでもクヨクヨと悩み、心を暗くするのはやめましょう。
当然のことながら、十分に反省し、二度と同じような失敗はしないぞと決意を新たにすることは必要ですが、逆に、身も心もズタズタになるほどうち萎(しお)れてしまっている自分を励まし、さらに立ち直っていけるよう、勇気を奮い起こして新しいことに打ち込んでいくことが大切です。
なにかしら災難に遭ったときは、それは自分が過去に犯した罪、穢(けが)れ、業(カルマ)が結果となって出てきたのだと考える。
今自分は生きていて、その災難によって命まではとられることはなかった。この程度で済んだのであれば、むしろお祝いをしなければならない。
そういうふうに思って、すっきりとそのことを忘れ、新しい人生に向かって、力強く、希望を燃やして生きていく。素晴らしい人生を生きていくためには、そうしたことが必要なのです。(要約)
文中の「一度こぼれた水が元へと戻ることがない」という例えは、「覆水(ふくし)盆(ぼん)に返らず」ということわざのことです。
「覆水」とはこぼれた水のこと、「盆」は水などを入れる平たい鉢のことで、一度こぼれた水は二度と元の盆に戻らないことから、取り返しがつかないことや、別れた夫婦は復縁しないことといったたとえとして使われています。(出典:中国『拾遺記』の故事による)
また、英語の授業で習ったような記憶がありますが、「It is no use crying over spilt milk.」という英語のことわざもあります。
今日の一言には、「人生でも仕事でも、いつまでもクヨクヨと思い悩むことは、百害あって一利(いちり)なし」とあります。
そう言われても、「はい、そうですか」と簡単に納得できないのが人間の悲しい性ですが、「今、自分は生きているじゃないか!」という現実を何より優先させることで、凝り固まってしまった心身も、少しずつでもほぐれていくのではないでしょうか。