『稲盛和夫一日一言』 3月29日
こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 3月29日(金)は、「能力は向上する」です。
ポイント:自分の能力を未来進行形でとらえることができる者が、困難な仕事を成功へと導くことができる。
1996年発刊の『成功への情熱 ーPASSION- 』(稲盛和夫著 PHP研究所)「自分の能力を未来形で見る」の項で、長期の目標を立てるときに心がけなければならないことについて、稲盛名誉会長は次のように述べられています。
長期の目標を立てるとき、私はわざと自分の能力を超えたところに設定します。言い換えると、現在の自分の力では達成不可能と思える目標を選択するのです。そして、私はそれを実現する時期を未来のある一点に設定します。
そして、その目標を達成するために、リーダーは、自分と自分の集団の能力を計画的に向上させ、必要なレベルにまで引き上げていかなければなりません。
言い換えれば、リーダーは単に目標達成のための計画をつくるだけではダメで、目標を達成するために必要な集団の技能や能力をも向上させていかなければならないということです。
誰もが、現在自分が持っている能力をもとに、今、何ができて何ができないのかといったことを判断しがちです。
しかし、新しいことを成し遂げようとするならば、それでは不十分です。現時点ではとうてい実現不可能と思えるようなことを何とか成し遂げようとする努力からのみ、驚くような成果が生み出されるのです。
新しく、価値あることを成し遂げようとする人は、自分の力を現在のレベルと未来のレベルの両方から見ることができなければなりません。(要約)
今日の一言には、「何としても夢を実現させよう」と強く思い、真摯な努力を続けるならば、能力は必ず向上し、道はひらける」とあります。
また、2001年発刊の『京セラフィロソフィを語るⅠ』(稲盛和夫著 京セラ経営研究課編/非売品)「能力を未来進行形でとらえる」の項で、「可能性を信じていれば、道はひらける」として、名誉会長は次のように述べられています。
例えば、今はお金も技術もない人が、資本金を一億円調達し、一年後にある事業をやろうと考えたとします。こういう技術があって、こういう人材がいて、こういう事業をしようと構想を練っても、それは現時点では所詮(しょせん)、夢物語にすぎません。
ところが、一年かかって金融機関や関係者を説得して一億円の資金を準備し、経営者としての自分の能力を必要なレベルにまで磨きあげることができれば、その夢物語は夢ではなくなるのです。
また、大学の優秀な研究者や、リストラで大企業を辞めた技術者などを紹介してもらえれば、自分に技術がなくてもその計画を事業化できるかもしれません。
そのように、何としてでも夢を実現させようと努力を続ければ、必ず道はひらけるはずです。ですから、私は、お金もない、技術もない、何にもないときから、自分の能力を未来進行形でとらえて仕事をしてきました。それをただ一つの武器としてやってきたのです。
この表現は一般的なものではありませんが、研究者にとっては重要な意味を持つはずです。「能力を未来進行形でとらえる」ことのできる研究者だけが、優れた研究成果を得ることができる、と言い換えることもできるでしょう。
単に、一企業の発展ということにとどまらず、人類の進歩発展というものはすべて、「能力を未来進行形でとらえる」ことから成されてきたといっても過言ではないでしょう。
決して自分の能力を卑下することなく、自分にはすごい可能性が秘められているのだと信じて、難しいと思うことでも諦めずにやり抜いていくことが大事です。(要約)
今できないものを、何としても成し遂げようとすることからしか、高い目標を達成することはできない。
壁のような高い壁にぶちあたったとしても、自分や自分の集団なら、必ず突破してゴールに近づいていけるはずだと信じ、一歩一歩進んでいきたいものです。