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『稲盛和夫一日一言』1/20(金)
こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 1/20(金)は、「仕事を愛する」です。
ポイント:自分の仕事、製品に対し、「抱きしめたい」と思えるくらいの愛情を注がなければ、いい仕事などできない。
1989年発刊の『心を高める、経営を伸ばす』(稲盛和夫著 PHP研究所)の中で、働くということの意義について、稲盛名誉会長は次のように述べられています。
「「働く」ということは、どういうことでしょうか。
自分が生活をしていくために、あるいは家族を養うために必要なお金を稼ぐ、というのが働くことの第一義です。
しかし、自分が大資産家に生まれ、働く必要がないとしたらどうでしょう。たまにならいいですが、毎日ゴロゴロしていたら嫌になってくるだろうと思います。
人間とは、単に給料をもらうために働くというだけではなさそうです。精神的な充実感、言葉を換えますと、働くことにいきがいを求めるようです。
つらい仕事を生きがいのある仕事に変えていくことが必要ですが、それには仕事を好きになることです。好きだと自分自身に言い聞かせ、自分の心をそのように誘導していく。
生涯を通じて打ち込める仕事を持てるかどうかで、人生の幸不幸が決まるといっても過言ではありません。改めて、働くということの意義について、問い直してみることが大切です。(要約)
今日の一言には「自分の製品を抱きしめたい。私は製品開発にあたって、いつもそう思っていました」とあります。
京セラ創立月の翌月、今までに経験したこともない大型の普通磁器製品を受注したものの、焼成前の乾燥工程でどうしても割れてしまい、なかなか良品が取れませんでした。
均一に乾燥させなければならないのですが、専用の乾燥室があるはずもなく、亀裂の入りやすい箇所に湿らせた布を鉢巻上に巻き付け、電気トンネル釜の下に板を敷き、その上に乗せて乾燥させてはどうかということになりました。しかも、全体の乾燥ができるだけ均一に進むように、決めた時間通りに用心深く板を回しながら徹夜の番をしなければなりません。
後に名誉会長は、「このやり方で何とかうまくいってくれ!」という一生懸命だった当時のことを振り返り、「できることならこの製品を抱いて寝たいと思った」というエピソードとして語っておられます。
また、2022年発刊の『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』(藤尾 秀昭監修 致し知出版社)の1月21日、松下電器産業株式会社の4代目社長を務められた谷井昭雄氏(当時パナソニック特別顧問)が、当時会長だった松下幸之助さんとの次のようなエピソードを語っておられます。
「君、製品を抱いて寝たことがあるか?」と。あまりに突拍子もない問い掛けなので答えに窮していると、「君な、製品を抱いて寝たらな、製品がものを言うてくれるんや」とおっしゃいました。そこまでの気持ちで製品を開発すれば、ここはもっとこうすべきだということを、製品が語ってくれるかの如くに悟ることができるはずだと。
そこまでいかなければ本当の製品というものはできない、ということを教えてくださったわです。(一部抜粋)
人も場所も対象も異なってはいますが、松下幸之助さんも名誉会長も、「製品を抱いて寝たい」「抱きしめたい」と思われるほど、目の前の仕事に一生懸命向き合い愛情を注ぐことに注力されてこられた。
自分の仕事、製品に対し、それくらいの愛情を注がなければ、いい仕事などできない。自分が仕事に向き合う姿勢を見直してみるきっかけとなる一言ではないでしょうか。