『稲盛和夫一日一言』 8月21日
こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 8月21日(月)は、「単純な真実」です。
ポイント:人生は思うようにはならない。しかしそれは、単純な真実、つまり自分の心の投影におびえているにすぎない。人生は自分の心に思い描いたとおりになっていく。
2011年発刊の『京セラフィロソフィを語るⅡ』(稲盛和夫著 京セラ経営研究部編/非売品)の中で、「善き思いはよき結果をもたらす」として、稲盛名誉会長は次のように述べられています。
人にはそれぞれ持って生まれた運命というものがありますが、善き思いを重ねていけば、私たちは定められた運命を超えて、素晴らしい人生をおくることができます。
善き思いとは、真面目で、正直で、謙虚で、努力家であること。常に前向きで、建設的であること。明るく、肯定的であり、協調性があること。善意に満ち、優しく、思いやりがあること。
こうした善き思いで事に取り組めば、あらゆるものを生成発展させ、よい方向へと推し進めようとする「宇宙の意志」と調和して、必然的に仕事も人生もうまくいくのです。
私たちを取りまく環境、例えば、家庭環境、ビジネス環境、社会環境、地球環境などといったものは、私たち自身を映し出す鏡に他なりません。あなたがもし今の環境の中で苦労しているならば、それはとりもなおさず、あなたの心が映し出した鏡なのです。つまり、あなたの心の中の思い、考えというものがあなたの人生をつくっていくのです。
自分の周囲に起こっているいろいろな環境は、すべて自分の心が映し出されたものだと言われると、何か怖い思いがしますが、それが百パーセントというわけではありません。
そこにはもともと運命というものがあって、初めからそういうものに遭遇するようにプログラムされているケースもあるからです。
ですから、大病にかかるとか、何かたいへんな失敗をするというときにも、すべてがあなたの心の反映というふうに解釈しなくてもよいのです。
そういう場合は、「自分がどういう生き方をするのか試そうとして、自然界が自分に試練を与えたのだ」と解釈するのが正解だろうと思います。
自分が思うことが環境をつくっていることは事実ですが、そんなときは「自然が試練を与えたもうた。自分は試されているのだ」というふうに解釈し、さらに努力をしていくことが大事だと私は思っています。(要約)
人生は心に描いたとおりになる、強く思ったことが現象となって現れてくる、まずはそうした「宇宙の意志」「宇宙の法則」というものが存在するのだということを、しっかりと心に刻みつけることが必要です。
仏教にも、「思念が業(ごう)をつくる」という教えがあります。つまり、思ったことが原因となり、その結果が現実となって表れてくる。
人によっては、そうしたことはオカルトの類いではないかと感じて、素直に受け入れられないと思かもしれません。しかし結果として、よい思いを描く人にはよい人生が開け、悪い思いをもっていれば、人生はうまくいかなくなります。
名誉会長は、自身がこれまでの人生において経験してきた数々の事象から確信するに至った絶対的な法則だとも言われています。
「善き思いはよき結果をもたらす」
そうしたことを決して忘れず、自らの持てる能力を十ニ分に発揮し、常に情熱を傾けて人生を歩んでいく。それが人生に大きな果実をもたらす秘訣であり、運命をも乗り越えて人生を成功に導く王道なのではないでしょうか。