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『稲盛和夫一日一言』 9月24日

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 9月24日(日)は、「経営者の人生観」です。

ポイント:経営の目的は、経営者の人生観とも言い換えることができる。人生観や哲学が浄化され立派なものになっていくと、成功を収めた後、以前失敗したときのような要因で失敗することはなくなる。

 2011年発刊の『京セラフィロソフィを語るⅡ』(稲盛和夫著 京セラ経営研究部編/非売品)の中で、心を高めることと経営を伸ばすことはパラレルの関係として、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 経営とは、経営者の判断の累積した結果であり、どのような基準のもとに判断を行うかが大切です。
 一般には「損得」を基準に判断をすることが多いのですが、私たちは「人間として何が正しいのか」という「善悪」に照らして判断していかなければなりません。

 そうであれば、常に「心を高める」努力を続けなければならないはずです。もし、心を高めることを怠るならば、判断基準は次元の低いものとなり、判断を誤ってしまうことでしょう。
 「心を高める」、つまり心を磨き、立派な人格をつくるように努め続けることで、常に正しい判断を行い、経営を伸ばしていくことができるのです。

 「心を高める、経営を伸ばす」という言葉は、私が盛和塾で経営を教えていく際のモットーとして掲げているものです。盛和塾生に向けて、私はよく「経営を伸ばしたい、立派な経営をしたいと思うならば、まずはあなた自身の心を高めることです。なぜなら、心を高めることと経営を伸ばすということは、パラレル、並行の関係にあるからです」と言っています。

 経営者は、常に経営上の判断をしなければなりませんから、そのためにはしっかりとした判断基準を持っていることが必要ですが、そこで大事になるのが心の中の座標軸です。その座標軸を立派なものにしていくためには、どうしても自身の心を高め続けていく必要があるのです。

 私はフィロソフィの根幹として、「人間として正しいことを正しいままに貫く」ということを説き、さらには「京セラフィロソフィの全項目が判断基準となるよう、心を高めていかなければならない」と言い続けてきました。

 端的に言えば、「心を高める」ということは、低次元の自我を抑え、高次元の真我を出しやすくするということです。高次元で物事を見ると、物事の本質がわかります。
 人生でも経営の場合でも、問題は自我をどう抑えるかです。自我を抑えるような判断ができるようになれば、まず間違いはないと思います。
(要約)

 人生観には、「人間の生き方や生きることの意味に関する考え。人生の価値・目的・態度などについての考え」といった意味があります。

 名誉会長は、自身の人生観について、次のように述べられています。

 目指す目標によって、経営者が持つべき考え方や方向、哲学は違ってきます。面白おかしく、人生はエンジョイしながら生きていくべきだと考えて経営を行った結果、ストイックに生真面目に一生懸命に努力した企業よりもはるかに低い業績しか上げられないとすれば、声高に自身の哲学を主張したり同列に比較することはできないでしょう。
 私はストイックなまでの哲学、人生観を持っています。それは、世界一の会社を目指しそこに到達するためには、ストイックで生真面目な経営が不可欠だと信じてきたからです。(要約)

 京セラフィロソフィには、「どの山に登るのか」という問いかけがあります。それは、「あなたはどのような高みを目指すのか」ということです。
 例えば、自社を世界有数の会社にするという目標を掲げるならば、トップから従業員に至るまで、全員が厳しい考え方と方法、そして心構えを持ち、ベクトルを揃えて努力し続けることが必要です。

 人生における立ち位置をどこにするのか、そしてどのような高みを目指すのか。経営者に限らず、誰もが日々心構えをリセットし、眼前の視界をクリアにして生きていく、そうしたことが必要なのではないでしょうか。


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