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『稲盛和夫一日一言』10/20(木)

こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 10/20(木)は、「両刃の剣」です。

ポイント:闘争心や勝ち気、負けん気といったものは諸刃の剣。成功と没落の原因は同じであることを理解しておくこと。

 2008年発刊の『「成功」と「失敗」の法則』(稲盛和夫著 致知出版社)第一章 人生の目的「試練を通じて人は成長する」の項で、稲盛名誉会長は成長の分岐点について次のように述べられています。

 人生を終えるときに、立派な人格者になった人もいれば、そうでない人もいます。それは、人生を歩んでいく中で、自らを磨き人格を高めることができたかどうかの違いではないでしょうか。

 私は「試練」を経験することが、人間を大きく成長させてくれるチャンスになると考えています。「試練」に遭遇したとき、打ち負かされて夢をあきらめたり、いい加減なところで妥協をしてしまうのか、それとも苦労を苦労とも思わず、ただひたむきに努力を重ねるのか、そこに人間的に成長できるかどうかの分岐点があります。

 ここでいう「試練」とは一般的な苦難のことだけではありません。成功さえも試練なのです。考えてみれば人生は大小さまざまな苦難や成功の連続であり、そのいずれもが「試練」と受け止めることができれば、人生は大きく変わっていくはずです。つまり、苦難に対しては真正面から立ち向かい、さらに精進を重ねる。成功に対しては謙虚にして驕らず、さらに真摯に努力を重ねる。そうした日々のたゆまぬ自己研鑽が人を大きく成長させていくことにつながっていきます。(要約)

 今日の一言では、「闘争心」「勝ち気」「負けん気」などがなければ会社の発展はないが、それらが過剰になれば、会社を破綻させてしまう。成功と没落の原因は同じであることを理解しておく必要がある、とされています。

 「苦難」を「苦難」と思わなければ、前向きに進んでいく力が湧いてきますし、「成功」を「成功」と思わなければ、さらに高みを目指して次の一歩を踏み出すことができるでしょう。

 死を迎えるときには、現世でつくりあげた地位も名誉も財産もすべて脱ぎ捨て、「魂」だけを携えて新しい旅立ちをしなければなりません。生まれたときよりも、少しでもましな人間になるために、心を高め、魂を磨き続ける。それが人間が生きる目的です、という稲盛名誉会長の話を初めて聞いたとき、仏教的な解釈なのだろうけれども、果たしてどのくらいの人間がそんな崇高な考えで人生を生きているのだろうかと疑問に感じたことを覚えています。

 すでに人生の第四コーナーを回り前期高齢者になった私ですが、改めて「心を高める」「魂を磨く」ことの意義について考えてみると、少しでもましな人間になって生涯を終わりたいという気持ちは日に日に強まっています。誰しも自分の余命を知ることは不可能ですから、今日一日を精一杯生きて、「昨日よりは今日のほうが少しはましな人間になれたかな」と日々実感できるような毎日を過ごしていければと願っています。


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