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『稲盛和夫一日一言』9/26(月)

こんにちは!
『稲盛和夫一日一言』 9/26(月)は、「ガラス張りの経営者」です。

ポイント:経営者が持つべきは、後ろめたさなく社員を引っ張っていくことのできる迫力、自信、勇気。

2001年発刊の『京セラフィロソフィを語るⅠ』(稲盛和夫著 京セラ経営研究課編集/非売品)の「ガラス張りで経営する」の項で、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

京セラでは、信頼関係をベースに経営が行われています。そこでは、経理面をはじめ、すべてのことがオープンになっており、何ら疑いを差し挟む余地のないシステムが構築されています。(中略) 一方、私たち一人一人も同じように心をひらき、オープンに仕事をすることを求められています。社内がガラス張りであることによって、私たちは全力で仕事に取り組むことができるのです。(一部要約)

経営にはトップのリーダーシップが大事です。リーダーが迫力を持ってリーダーシップを行使しようとするならば、「自分は公明正大だ」と言い切れるだけの自信がなくてはなりません。言い切れるからこそ言動に迫力が生まれ、強烈なリーダーシップを発揮できるようになるのです。仮に経営者自身が「会社の中で自分が一番苦労しているんだから、少しくらいいい目を見てもいいんじゃないか」と思ってしまったら、言動に迫力がなくなり、強いリーダーシップを発揮できなくなります。

社員が自分の会社の業績について何も知らされていなければ、「我々社員ばかりこき使って、社長だけがいい目をみてるんじゃないか」と疑心暗鬼になってしまいます。ですから透明な状態で経営を行うことは、経営者心得として重要な要素のひとつなのです。

この「ガラス張りの透明な経営」は、経営を衆人監視の下に置くことになるため、公明正大な経営にもつながります。これは、何も経営者に限ったことではありません。例えば、職場のリーダーが一手に情報を握っていて、自分の都合のよいように職場をコントロールしようとしたら、その職場はどうなるでしょう。業績が上向きのときは大きな問題にはならないかもしれませんが、いったん業績が悪化すると、握りつぶしていた悪い情報などが噴出して、職場内の信頼関係は一気に崩壊、とても業績回復に向けて職場一丸となって立ち向かうなどといった雰囲気にはなりません。

リーダーが誰よりも一番頑張っていれば、他のメンバーは必ずそれを見ています。「少しペースダウンされては?身体を壊しますよ」と労わりの声を掛けるメンバーも出てきますが、「自分がもっと頑張ってリーダーをサポートしなければ…」と黙々と仕事に励み出すメンバーもたくさん出てきます。

「ガラス張り」にすべきは経営だけではなく、リーダーの言動すべてです。人は公明正大なリーダーについていく。「リーダーは胸を張って引っ張っていくべし」、これは私のモットーとなりました。


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