『稲盛和夫一日一言』8/4(木)
こんにちは!
『稲盛和夫一日一言』8/4(木)は、「有意注意 ②」です。
ポイント:些細なことは(部下に)任せて、自分は肝心なときだけ判断すればいい、などと考えていると、いざというときに深く考えることも的確な判断を下すこともできない。ふだんからの習慣化が大事。
京セラでは、「良きに計(はか)らえ」という指示出しはNGです。この言葉は、時代劇に登場する殿様が家臣などに対してよく使う言葉ですが、ビジネスシーンでは、部下が上司に相談して指示を仰ぐといった場面で、上司が「(この案件は)君が判断して良いと思うように対処してもらって結構です」などといった使い方をされるかと思います。
京セラ創業メンバーの一人である伊藤謙介元会長は、稲盛名誉会長から「経営者は判断を間違ってはならない。人間だからたまには間違えることもあるなどと考えていれば、結果として社員を路頭に迷ますことになりかねない。そのためにも、一つひとつの事案に真剣に向き合い、正しい判断を繰り返せるよう、日ごろから瞬時に物事の本質を見極められる判断力を身につけていかなければならない。そして万が一、自分の判断・指示が間違っていたと気付いたら、即座に正しい方向に舵を切り直すこと。新たな指示を出すのに『朝令暮改』では遅い。『朝礼朝改』でいい」と指導されたそうです。
私も部下から相談を受けたとき、自分がその場で的確な判断ができる状態なのかまず自問します。例えば、別の事案に集中しているとき、その場で即決できるだけの材料を持ち合わせていない場合などは、「少し集中して考える時間を持ちたいから、何分後にもう一回話せますか?」といった調整を入れ、頭を切り替えて集中して考えを巡らせる、といったことを心掛けてきました。
掛け声だけの有意注意は決して習慣化しません。「人として何が正しいか」「私心なかりしか」… 人間力を高めていくことと、正しい判断をし続けることは、同義なのかもしれませんね。