『稲盛和夫一日一言』3/3(金)
こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 3/3(金)は、「六つの精進 ③」です。
ポイント:心を磨く指針として大切な「六つの精進」:
5.善行、利他行を積む
6.感性的な悩みはしない
2011年発刊の『京セラフィロソフィを語るⅡ』(稲盛和夫著 京セラ経営研究部編/非売品)の「六つの精進」から、本日は5と6を紹介します。
5.善行、利他行を積む
「積善の家には必ず余慶あり」と言います。これは善行を積んできた家には、よい報いがあるということです。
世の中には因果応報の法則があり、善い行いを重ねれば、家や家族はもちろん、個人の人生にもよい報いがあります。利他行もこの善い行いの一つです。人が生きる上では、善きことを思い、実行していくことが大切です。
善きこととは、人に優しくあれ、正直であれ、誠実であれ、謙虚であれ、などという非常に幼稚ではあっても、人として基本的で、大切なことなのです。
そういう善きことを積み重ねていくことで私たちの人生は開け、よりよいものとなっていくのです。(抜粋)
この世には「因果応報の法則」があり、善い行いを重ねていけば、その人の人生にはよい報いがある。善きことを実行すれば、運命をよき方向へ変えることができるし、仕事もよい方向へと変化させていくことができる。
名誉会長は、「馬鹿正直に善行を積むこと、つまり世のため人のために一生懸命利他行に努めること。それが人生を、また経営をさらによい方向へと変えていく唯一の方法だと信じて努力してきました」と話されています。
6.感性的な悩みはしない
人生では、心配事や失敗など、心を煩(わずら)わせるようなことがあります。しかし、一度こぼれた水が元に戻らないように、起こってしまったことをいつまでも悔やみ、思い悩んでも意味がありません。
くよくよと思い続けることは、心の病を引き起こし、ひいては肉体の病につながり、人生を不幸なものにしてしまいます。
すでに起こってしまったことはいたずらに悩まず、新しい思いを抱き、新しい行動に移っていくことが大切です。
済んだことに対しては反省はしても、感情や感性のレベルで心労を重ねるのではなく、理性で考え、新たな行動に移るべきなのです。そうすることが、人生を素晴らしいものにしていくのです。(抜粋)
「覆水(ふくすい)盆(ぼん)に返らず」というように、一度こぼした水は元へは戻りません。「なんであんなことをしたのだろう」「あんなことをしなければよかった」と、いつまでも考えてみたところで詮(せん)ないことです。
失敗したことは、もちろん厳しく反省しなければなりませんが、いつまでもくよくよ悩む必要は一切ありません。それは人生でも仕事でも一緒です。
反省もしないでケロッとしていたのではどうしようもありませんが、十分に反省し、「二度と同じ失敗はしないぞ」と心に決めさえすれば、あとは全部忘れて、新しいことに明るく立ち向かっていく。
そうした行動を起こせる人は、たとえ失敗したとしても、後々成功を収めていけます。
人生では、誰もが失敗もしますし、間違いも起こします。そうした失敗、間違いを繰り返しながら人間は成長していくのですから、失敗しても悔やむ必要はありません。反省したら、未来に目を転じ、新しい行動へと移っていく。それが人生を生きていく上で何より大切なことではないでしょうか。
京セラ在籍40年の間、この「感性的な悩みはしない」という言葉で救われた、潰れずに済んだ、という社員を何人も見てきました。
かくいう私もその一人だと思っています。私の場合は、幸か不幸か「死んでしまいたい」というところまでには至らず、「消えてしまいたい」というあたりで踏み止まっていたため、仕事の環境を変えてくれた当時の上司のおかげもあって、その後時間はかかりましたが、復活することができました。
大事なのは、決して心を煩わせないということです。できなかったことは素直に反省し、そのうえで新しい思いを抱いて、次の一歩を踏み出していく。きっと素晴らしい未来が開けていくはずだと信じて、今日も新たな一歩を(できれば力強く)踏み出していきましょう!
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