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『稲盛和夫一日一言』4/4(火)
こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 4/4(火)は、「すべてに善かれかし」です。
ポイント:すべてに対して「善かれかし」という利他の心、愛の心を持って努力を重ねていけば、宇宙の流れに乗って、素晴らしい人生を送ることができる。
2008年発刊の『「成功」と「失敗」の法則』(稲盛和夫著 致知出版社)の「善き思いをベースとして生きる」の項で、素晴らしい人生を送るための真理について、稲盛名誉会長は次のように述べられています。
素晴らしい人生を送るためには、「心に抱く思いによって人生が決まる」という真理に気づくことが大切です。
アメリカの啓蒙思想家、ライフ・W・トラインは、「あなたが抱く、どの考えも力となって出ていき、どの考えも同じ考えを引き連れて戻ってくる」と説いています。
心に善き思いを持ったとき、それは善き力となって出ていき、善き結果を連れて戻ってくる。一方、邪悪な思いを抱けば、それは邪悪な力となって発現し、悪しき結果を引き連れて返ってくるというのです。
そうだとすれば、私たちが心に抱く「思い」が、どのようなものであるかが問われてきます。幸福で満ち足りた人生を望むならば、善き思いをベースとして生きなければならないはずです。
「与えよ、さらば与えられん」、あるいは「情けは人のためならず」など、愛が持つ偉大な力が古今東西で説かれているように、あなたが差し出した愛は、かならずあなたに返ってきて、あなた自身を幸福にしてくれます。
では、優しい思いやりに満ちた思いを心に抱くには、どうすればいいのでしょうか。もちろん、聖人君子でなければ、善き思いだけで心を満たすことはできません。なぜなら、人間はもともと生きていくために、欲望や怒りなどを持つようにつくられているからです。
しかし、そのような悪しき思いが過剰にならないよう、少しでも善き思いが湧き出るようにする。日々、自分の心に言い聞かせるようにして、悪しき思いを抑えることに繰り返し努めていくことが大切です。
そうすれば、次第に善き思いが心の中で占める割合が大きくなり、やがて行動となって現れてくるはずです。
優しい思いやりに満ちた思いを抱き、誰にも負けない努力を重ねれば、人生は必ず豊かで実り多い、素晴らしいものになることが約束されているのです。(要約)
今日の一言には、「人を恨んだり憎んだり、自分だけが得をしようといった私利私欲の心を持つと、人生はどんどん悪くなっていくのです」とあります。
『「原因」と「結果」の法則』(ジェームズ・アレン著 坂本 貢一訳 サンマーク出版)には、思いの持つ力について次のように記されています。
「心は創造の達人です。そして、私たちは心であり、思いという道具をもちいて自分の人生を形づくり、そのなかでさまざまな喜びを、また悲しみを、みずから生み出しています。私たちは心の中で考えたとおりの人間になります。私たちを取りまく環境は、真の私たち自身を映し出す鏡にほかなりません」
「どんな思いや哲学、思想を持とうが私の自由でしょ」と言われればそうかもしれませんが、思いというものが周辺に起こる環境を形づくり、自分自身の運命をもつくっていくとするならば、善き思いを持つことを身に付けていかなければ、素晴らしい人生を送ることは望めません。
心の中の煩悩は、放っておけばどんどん大きくなり、やがて心の全部を占めるまで肥大化していきます。煩悩や本能を抑制するためには、すべてに対して「善かれかし」という利他の心、愛の心をベースとした「人間として正しい考え方」を抱くよう心がけていくことです。
人にはそれぞれ持って生まれた運命というものがありますが、善き思いを重ねていくことで、自分の人生をどんどんよいものにしていき、定められた運命をも超えた、素晴らしい人生を送っていきたいものです。