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『稲盛和夫一日一言』11/29(火)

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 11/29(火)は、「人間的成長の分水嶺」です。

ポイント:苦難に直面したとき、すぐに諦めたり妥協してしまうのか、あるいはひたむきな努力を重ねることができるのか、そこに人間的に成長できるかどうかの分水嶺がある。

 2001年発刊の『京セラフィロソフィを語るⅠ』(稲盛和夫著 京セラ経営研究課編/非売品)で、「独立自尊の精神」について、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 私たちの将来は誰が保証してくれるものでもありません。たとえ今、会社の業績が素晴らしいものであったとしても、現在の姿は過去の努力の結果であって、将来がどうなるかは誰にも予測できないのです。
 誰かがやってくれるだろうという考え方で人に頼ったり、人にしてもらうことを期待するのではなく、まず自分自身の果たすべき役割を認識し、自ら努力をしてやり遂げるという姿勢を持たなければなりません。

 別の言い方をすれば、赤字であっても会社が何とかしてくれるだろうと考えているような社員が大勢いるようなところはうまくいかず、逆に自分の食い扶持は自分で稼ぐ、さらにもう一歩踏み込んで、自分が稼いで会社に収益をもたらそうと考えるような社員が大勢いるところはうまくいく、ということです。

 一人一人が、どんなに困ったことがあっても誰も助けてはくれないと考えて、「自らの道は自ら切りひらいていく」という気概を持って懸命に踏ん張る。そうした考え方は、誰もが頭では理解できても、我が身に次々と降りかかってくる苦難に真正面から対峙して頑張り続けるには相当な精神力が必要となります。
 ともすれば、この課題はどんなに頑張っても打開できないのではと悲観的になって意気消沈したり、これだけ頑張ったのだからいい加減にこのあたりで勘弁してもらえないだろうかと妥協しそうになったりもしますが、そこで諦めてしまっては人間的な成長が止まってしまいます。
 苦しい局面が続いたとしても、それを苦労とも思わず、ひたむきに努力を重ねることができるかどうか、そこに人間的に成長するための分水嶺があるのではないでしょうか。

 昨日11月28日、京都国際会館にて、京セラ、KDDI、日本航空、稲盛財団4社合同葬として、「稲盛和夫 お別れの会」が執り行われました。
 展示エリアに掲示された名言・メッセージの数々とともに、90年に及ぶ生涯を写真で振り返る展示を見るにつけ、稲盛名誉会長が遺してこられたものの偉大さを改めて感じました。

 私も京セラOBの一人として献花させていただきました。
 どうぞ安らかにお休みください・・・合掌!


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