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『稲盛和夫一日一言』5/12(金)

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 5/12(金)は、「信念、志、勇気」です。

ポイント:先賢の知識や経営論、技術論をいくら学び習ったとしても、道を究めようという強い信念、高い志、勇気をもって望まなければ、それを我が身に深く刻み込むことはできない。

 2001年発刊の『京セラフィロソフィを語るⅠ』(稲盛和夫著 京セラ経営研究課編/非売品)の「信念を貫く」の項で、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 仕事をしていく過程には、様々な障害があるますが、これをどう乗り越えていくのかによって、結果は大きく違ってきます。

 何か新しいことをしようとすると、反対意見やいろいろな障害が出てくるものです。そんなときすぐに諦めてしまう人がいますが、素晴らしい仕事をした人は、すべてそれらの障壁を、高い理想に裏打ちされた信念でもって突き崩していった人たちです。
 そうした人たちは、それらの障壁を試練として真正面から受け止め、自らの信念を高く掲げて進んでいったのです。
 信念を貫くには大変な勇気が必要ですが、これがなければ革新的で創造的な仕事はできません。

 人間とは面白いもので、どんな困難に遭遇しようとも、信念さえあれば、自分を励まし、くじけずにやっていくことができます。大事なのは、「そこに信念があるかどうか」なのです。

 厳しい経済環境のなか、企業の経営者はまさに命がけで戦っています。そこに、「自分にはこういう目的、信念がある。それを貫くために、自分は命を懸けて戦うのだ」と言えるような大義名分、信念を持つことができるかどうかで、戦いの結果は違ってくるわけです。

 そうしたときリーダーに必要になるのが、勇気、忍耐、努力です。なかでも勇気は非常に重要です。「健全な精神は健全な肉体に宿る」と言われるように、勇気は肉体の強健さに比例します。たとえ、か弱く非力な肉体しか持っていなかったとしても、とにかく信念をもって腹を決めることで、信念に裏打ちされた度胸を身につけることができます。
 そのためにも、立派な理念を持ち、それを信念にまで高めていくことが何よりも大切なのです。
(要約)

 この「信念を貫く」というフィロソフィ項目には、引き続きサミュエル・ウルマンの「青春」という詩が紹介されています。有名な詩ですので、ご存じの方も多いと思いますが、以下抜粋して示します。

「青春」
青春とは人生の或る期間を言うのではなく心の様相を言うのだ。


優れた想像力、逞(たくま)しき意志、燃ゆる情熱、怯懦(きょうだ)を却(しりぞ)ける勇猛心、安易を振り捨てる冒険心、こういう様相を青春と言うのだ。

年を重ねただけで人は老いない。理想を失う時に初めて老いがくる。
歳月は皮膚のしわを増やすが情熱を失う時に精神はしぼむ。
(中略)

人は信念と共に若く 疑惑と共に老ゆる。
人は自信と共に若く 恐怖と共に老ゆる。
希望ある限り若く 失望と共に老い朽ちる。
 (後略)
         (原作 サミュエル・ウルマン  邦訳 岡田 義夫)

 普段の会話の中で、「信念」「志」といった言葉を使うことは少ないかと思いますが、「勇気」という言葉は、家庭や職場内でも「勇気を出してチャレンジしてみたら!」といった具合に、比較的使われる機会もあるのではないでしょうか。

 人生、仕事を正しく進めていくためには、強い信念、高い志、そして真の勇気を持って事に臨まなければなりません。要所要所で正しい決断を繰り返していけるよう、さらに心を高めていかなければと考えています。


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