『稲盛和夫一日一言』 6月8日
こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 6月8日(土)は、「好きなればこそ」です。
ポイント:はたから見ればたいへんに思えることでも、当の本人が好きでやっているのであれば、つらくはないし疲れもそれほど感じないもの。
2004年発刊の『生き方』(稲盛和夫著 サンマーク出版)「『好き』であればこそ『燃える』人間になれる」の項で、自分で勝手に燃え上がる自燃性の人間になるための方法について、稲盛名誉会長は次のように述べられています。
物事をなすのは、自ら燃え上がり、さらに、そのエネルギーを周囲にも分け与えられる人間です。
決して、他人から言われて仕事をする、命令を待って初めて動き出すという人間ではありません。誰かに何か言われる前に、自分から率先してやり始め、周囲の人間の模範となる。そういう能動性や積極性に富んでいる人です。
では、どうすれば自燃性の人間になれるのでしょうか。自ら燃える体質を獲得するにはどうしたらいいのか。その最大にして最良の方法は、「仕事を好きになる」ことです。私はそのことを次のように説いています。
「仕事をやり遂げるには、たいへんなエネルギーが必要です。そしてそのエネルギーは、自分自身を励まし、燃え上がらせることで起こってきます。自分が燃える一番よい方法は、『仕事を好きになる』ことです。どんな仕事であっても、それに全力で打ち込んでやり遂げれば大きな達成感と自信が生まれ、また次の目標へ挑戦しようとする意欲が生まれてきます。
その繰り返しの中で、さらに仕事が好きになります。そうなれば、どんな努力も苦にならなくなり、素晴らしい成果を上げることができるのです」
私は、仕事仕事でろくに家にもいなかったので、家内などは、近所の方から、「おたくのご主人はいったい何時に帰ってこられるのですか」と呆れられたり、田舎の両親からは「そんなに働いたら体を壊してしまいますよ」と頻繁に心配する手紙が届きました。
はたから見ればたいへんに思えるのでしょうが、当の本人は案外平気で、好きでやっていることだから、つらくもなければ、さほど疲れも感じていませんでした。
実際にそこまで仕事を好きにならなくては、大きな成果を残すことはできません。どんな分野であれ、成功する人というのは自分のやっていることに惚れている人なのです。
「仕事をとことん好きになれ」
それが仕事を通して人生を豊かなものにしていく唯一の方法だと言えるものです。(要約)
1996年発刊の『成功への情熱 ーPASSIONー 』(稲盛和夫著 PHP研究所)「情熱が成功へとつながる」の項で、名誉会長は次のように説かれています。
人物を評価するとき、私はその人の才能を見ます。しかし、その人が持っている情熱を考えに入れることも、同じぐらい重要だと考えています。それは、情熱と呼べるほどの強い思いさえあれば、まず何でもやり遂げることができるからです。
情熱は、成功への源となるものです。成功させようとする意志や熱意、そして情熱が強ければ強いほど、成功への確率は高くなるのです。
強い思い、情熱とは、寝ても覚めても、二十四時間、四六時中そのことを考えている状態です。実際にそうすることは不可能でしょうが、そういう意志を持ち続けることが大事なのです。
そうすれば、願望はいつしか潜在意識に透徹し、寝ても覚めてもそのことに意識を集中し続けることができるようになります。自分自身の成功への情熱と呼べるほどの強い思いが、成功への鍵なのです。(要約)
仕事に限らず、熱中してやっていることであれば、つらさや疲れを感じることは少ないはずです。中学、高校のころの部活や大学時代のサークル活動などはその典型でしょう。
幸い私は、京セラに入社して間もなく担当することになった新規セラミックス材料の研究開発にどっぷりとのめり込んだしまったこともあって、在籍40年を振り返ってみると、自燃性であった期間の方が多かったように思います。
いずれにせよ、物事を成功へと導いていくためには、「仕事を好きになる」ことと「成功させようとする強い思い、情熱を持つ」の双方が、不可分なのではないでしょうか。
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