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『稲盛和夫一日一言』 7月21日

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 7月21日(日)は、「非凡なる凡人 ①」です。

ポイント:気の利かない、転職する才覚もない、鈍で平凡な人材を非凡に変えるものは何か。それは今日一日を懸命に生き、積み重ねていく力。

 2004年発刊の『生き方』(稲盛和夫著 サンマーク出版)「努力を積み重ねれば平凡は非凡に変わる」の項で、今日一日を積み重ねることの大切さについて、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 極限状態で発揮される「火事場のバカ力」は、なぜふだんは眠っているのでしょうか。それは、そうした力を発揮するための遺伝子が通常はOFFになっているからで、遺伝子学的には、スイッチをONの状態にすることができれば、ふだんでもその力を発揮することは可能なのだそうです。

 その能力をONにするには、プラス思考や積極思考といった前向きな精神状態、心の持ち方が大きく作用しています。
 遺伝子レベルではすでに、「思い」の力が私たちの可能性をおおいに広げてくれるということが解明されはじめているわけです。

 ちなみに、人間にはどのくらいのことが可能なのか。遺伝子レベルでみれば、人間の頭の中で、これをしたい、こうあってほしいと考えられる程度のことは、たいていは実現可能な範囲にあるのだそうです。つまり、私たちには、「思ったことはかなえられる」という能力が潜在しているということです。

 ただし、志を高く持つことは大事ですが、それを実現するには、やはり目標に向かって一歩一歩積み重ねる地道な努力を欠かすことはできません。

 京セラがまだ町工場だったころから、当時は百人に満たなかった社員に受かって、私は繰り返し「この会社を必ず世界一の会社にするぞ」と大言壮語していました。それは遠い夢物語でしたが、必ず成し遂げてみせると、心に強く抱いた願望でもありました。

 しかし、目はいくら空の高いところを見ていても、足は地面を踏むことしかできません。夢や望みはいかに高くても、現実には来る日も来る日も、地味で単純な仕事をこなすので精いっぱいでした。
 昨日の仕事の続きを、一ミリでも、一センチでも前へ進めるために、汗をかきながら、一生懸命、目の前に横たわる問題を一つひとつ片づけることに追われるうちに一日が暮れてしまう。

 「こんなことを毎日繰り返していて、世界一になるのはいったいいつの日のことか」と、夢と現実との間にある大きな落差に打ちのめされることもしばしばでした。けれども、結局のところ、人生とはそうした「今日一日」の積み重ね、「いま」の連続にほかなりません。

 いまこの一秒の集積が一日となり、その一日の積み重ねが一週間、一カ月、一年となって、気がついたら、あれほど高く手の届かないように見えた山頂に立っていた、というのが、私たちの人生のありようなのです。

 短兵急を目指しても、まず今日一日を生きないことには明日は訪れません。かくありたいと思い描いた地点まで一瀉千里(いっしゃせんり)に行く道などないのです。
 「千里の道も一歩から」で、どんな大きな夢も、一歩一歩、一日一日の積み重ねの果てに、やっと成就するものなのです。

 しかし、そうして今日一日をないがしろにせず、懸命、真剣に生きていけば、明日は自然と見えてきます。その明日をまた懸命に生きれば一週間が見えてくる。その一週間を懸命に生きれば、一ヵ月が見えてくる。
 つまり、ことさら先を見ようとしなくても、「いま」という瞬間瞬間に全力を傾注して生きることによって、そのとき見えなかった未来の姿が、やがて自然と見えるようになってくるのです。

 いたずらに明日を煩ったり、将来の見通しを立てることに汲々とするよりも、まずは今日一日を充実させることに力を注いだほうがいい。それが結局、夢を現実のものにする最善の道なのです。(要約)

 毎晩、To Doリストを更新しながら、明日やるべきことをリマインドする、といった生活を続けています。
 やらないといけないこと、締切があることなどが山積みになってくると、「なぜこんなに余裕のない毎日を送っているのだろう」といらいらしたり、「いっそのこと、全部放り出して楽になればいいじゃないか」と開き直りたい気分になることもしばしばです。

 しかし、「残りの人生、一日一日を丁寧に生きていこう」と決めましたから、そうした日々が心身共に継続できない状態になるまでは、アイテムの優先順位を考えながら、また必要に迫られて取捨選択しながらでも、「やりたいこと」「やるべきこと」を自分の意志で続けていく。そうすることで、『非凡なる凡人』の一員に加わることができればいいなと思っています。


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