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『稲盛和夫一日一言』1/3 Review

 明けましておめでとうございます。こんにちは!R&P企画 emuです。 本年もどうぞ宜しくお願いいたします!

 2024年8月1日より、連続投稿3年目に入りました。文末に、過去2年分のレビューを掲載しておりますので、本日分と併せてご一読ください。

 1月3日、今日の一言は『経営者の要件』です。

 福沢諭吉は、経営者のあるべき姿を、こう表現しています。

 思想の深遠なるは哲学者のごとく、心術(しんじゅつ)の高尚正直なるは元禄(げんろく)武士のごとくにして、これに加うるに小俗吏(ぞくり)の才をもってし、さらにこれに加うるに土百姓(どびゃくしょう)の身体をもってして、はじめて実業社会の大人(たいじん)たるべし

 この言葉は、そのまま人生方程式に当てはまります。
 土百姓の身体、つまり、頑健な身体は、誰にも負けない努力をする「熱意」にあたり、小俗吏の持つ、放っておけば悪さをしかねない才能、経営でいうところの商才は「能力」にあたります。
 そして「考え方」にあたるのが、「思想の深遠なるは」「心術の高尚正直なるは」という部分です。
 つまり、哲学者が持つような素晴らしい思想を持ち、かつ元禄武士が身につけていたような素晴らしい心根を持ち、そのうえ小俗吏が発揮したような才能と、土百姓の頑健さを備えていなければ、立派な経営者にはなれないのです。

 1980年、会社の経営スローガンに「人生・仕事の結果=考え方✖熱意✖能力」を掲げました。
 人生の結果、会社の結果は、そこに住む人たちの「考え方」によって決まります。「能力」は先天的に持っているもので、今さら変えることはできませんが、どうしてもこうありたいと努力する「熱意」は変えることができる。そして、一番大事な「考え方」も、今から変えていくことができるものです。
 何とかこの方程式を証明できないものかと思っていたとき、福沢諭吉の言葉に出会いました。明治時代、日本が近代国家を目指して進もうとしていたころ、福沢諭吉は西欧の資本主義諸国、近代国家群を見て回りました。そのなかで、「実業人として、企業人として立派になった人はこういう人であった」と、彼なりに表現したのが先の言葉でした。
 この言葉に出会ったとき、私はまさに立派な経営者になるには「思想の深遠なるは」というような哲学者のような思想、「考え方」が必要であり、「心術の高尚正直なるは元禄武士のごとくにして」というような「考え方」、「熱意」を持たなければならず、同時に「小俗吏の才」や「土百姓の身体」、つまり、頑健な体や一生懸命努力をしてもくたびれない、どんな苦労にも耐えられる肉体、「能力」も要る。つまり、人生方程式に示した「考え方」、「熱意」、「能力」の三つの要素がすべて必要なのだと気がついて、スローガンに掲げたわけです。
 

2003年 盛和塾第11回全国大会 塾長講話より

 本記事を通して「京セラフィロソフィ」「稲盛経営哲学」に接することで、皆さんが少しでも毎日を活き活きと過ごされんことを願っております。


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