『稲盛和夫一日一言』 4月6日
こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 4月6日(土)は、「仕事のエネルギー」です。
ポイント:自分が燃える一番よい方法は、仕事を好きになること。どんな仕事であっても、それに全力で打ち込んでやり遂げれば、大きな達成感と自信が生まれ、また次の目標へ挑戦する意欲が生まれてくる。
2001年発刊の『京セラフィロソフィを語るⅠ』(稲盛和夫著 京セラ経営研究課編/非売品)「仕事を好きになる」の項で、仕事を好きになれば人生もひらけてくるとして、稲盛名誉会長は次のように述べられています。
人生を素晴らしいものにするために心がけるべきことのひとつに、「仕事を好きになる」ということがあります。
それはまさに私の実感からくるものです。大学を卒業して入社した会社で「仕事を好きになった」おかげで、今日の私があるとつくづく思うものですから、人生において本当に必要な要素だと考えているわけです。
仕事をやり遂げるには、大変なエネルギーが必要です。そして、そのエネルギーは、自分自身を励まし、燃えあがらせることで起こってきます。
そこで、自分が燃える一番良い方法は、仕事を好きになることです。どんな仕事であっても、それに全力で打ち込んでやり遂げれば、大きな達成感と自信が生まれ、また次の目標へ挑戦する意欲が生まれてきます。
その繰り返しのなかで、さらに仕事が好きになります。そうなればどんな努力も苦にならなくなり、素晴らしい成果をあげることができます。
こうした心境にまで高まって初めて、本当に素晴らしい仕事を成し遂げることができるのです。
仕事を好きになれば、苦労など感じません。しかし嫌々仕事をしていれば、どんなことでも辛く感じてしまいます。
「惚れて通えば千里も一里」という言葉がありますが、仕事も同様で、仕事に惚れて、好きにならなければなりません。
他人からは、「あんなにつらく厳しい仕事はたいへんだろう。とても続かない」と思われるような場合も、惚れた仕事、好きな仕事なら耐えられるはずです。
「仕事に惚れる」「仕事を好きになる」
だからこそ、長い間、私は厳しい仕事を続けることができたのです。
人間は、好きな仕事ならば、どんな苦労も厭いません。そして、どんな苦労も厭わず、努力を続けることができれば、たいていのことは成功するはずです。
つまり、自分の仕事を好きになるというその一事で人生は決まってしまう、と言っても過言ではないのです。
「仕事をやらされている」という意識を払拭できないかぎり、働く「苦しみ」から逃れることはできません。まずは、自分の強い意志で、自分の仕事を好きになること。そうすることで、人生はより実り豊かなものになっていくはずです。(要約)
京セラ在籍40年の間、「あなたは自分の仕事をずっと好きでしたか?」と問われて、即座に「はい!」と答えられるほど順風満帆に過ごせたわけではなかったというのが正直なところです。
「渦の中心になれ」という京セラフィロソフィがありますが、自分が渦の中心になって、積極的に周囲を巻き込んで仕事をしているときは、どんなに忙しく働いていても、しんどいとは感じないものです。
逆に、別の誰かが中心にいて、自分はその人の指示に従って従属的に働いているだけといったときは、精神的、肉体的な負担が少なく相対的には楽なのですが、仕事を通して本当の充実感を得ることはできなかったように思います。
「この仕事をやり遂げれば、みんなをハッピーにできるだけでなく、自分ももうひとつ高みに上がることができるはずだ」といった思いが自分自身を励ますエネルギーとなります。
目的意識を持って、渦の中心になること。これも仕事を好きになるための大切な要件のひとつではないでしょうか。