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『稲盛和夫一日一言』 4月26日

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 4月26日(金)は、「夢見る夢夫」です。

ポイント:果てしない夢を次から次へと見続け、その夢の中で事業を展開していく。その願望は、仕事を離れているときでも常に心に抱いている。

 1996年発刊の『成功への情熱 ーPASSIONー 』(稲盛和夫著 PHP研究所)の中で、夢を持ち続けることの大切さについて、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 私は自分のことを「夢見る夢夫」と呼んでいます。
 私には、途方もない夢を見る癖があります。果てしのない夢を次から次へと見続け、その夢の中で事業を展開していくのです。

 その夢を直ちに実現しようとするわけではありません。ただ頭の中で一生懸命夢を描き続け、想像し続ける。頭の中でのシミュレーションを、来る日も来る日も続けるのです。そのようなプロセスを経て、夢は願望となっていきます。

 仕事を離れているときでも、私はこの願望を常に心に抱いています。
 街を歩いていると、何か私の願望に関係のあるものが、強い印象を伴って目に飛び込んできます。また、例えば込み合ったパーティーの席で、夢を実現させるためにどうしても接触したい人物が、部屋の向こうから私の注意を引きつけることもあります。
 もし私が強烈な願望を抱いていなければ、このようなものはただ通り過ぎていってしまったかもしれません。


 素晴らしいチャンスは、ごく平凡な情景の中に隠れています。それは、強烈な目的意識を持った人の目にしか映らないものなのです。
 目標を持たないうつろな目には、人生のどんな素晴らしいチャンスも見えることはありません。
(要約)

 果てしない夢を見続け、頭の中で懸命にシミュレーションし続ける。

 昨日行われた鹿児島盛経塾4月度公開勉強会で、講師を務められた株式会社Deto代表取締役社長 恩田多賀雄さんより、「持つ」ことと「抱(いだ)く」ことの違いについて教わりました。

 「持つ」とは、手で荷物を支えるように持ち上げるという意味で、例えば「カバンを持つ」というふうに使います。
 一方、「抱く」とは、心の中の感情や、意欲、願望を持っている状態のことを表します。
 その使い方は、「我が子を抱く」とは言いますが、「我が子を持つ」とは言わない、という用例からも理解いただけるかと思います。

 また同著の中で、名誉会長は夢を抱いてその夢に酔うことの大切さについて、次のように説かれています。
 
 ビジネスを成功させるためには、夢を抱いてその夢に酔うということが必要です。

 一般的には、事業を行なう場合「自分の夢に酔ってはいけない」と言われます。なぜなら、ビジネスを成功させるためには、緻密な収支計算や慎重な計画が必要だからです。
 自分自身の目標に酔ったような状態で事業を起こしてはいけない、と忠告してくれる人たちは、夢に酔うと無謀で向こう見ずになるかもしれない、と危ぶんでいるのでしょう。

 しかし、事業を始め、困難にぶつかってもあきらめずにそれを成功させるには、夢が、また強い情熱が絶対に必要だと、私は信じています。

 例えば、もし私が、独占企業であったNTTにチャレンジするという夢に酔っていなければ、第二電電をスタートさせることはできなかったでしょう。膨大な投資を必要とし、誰も成功を保証してくれないのですから、常識で考えれば、危険が多すぎて無謀であるという結論しか出てこないのです。

 夢に酔ってこそ、それを実現させる情熱が湧いてきます。
 当然のことながら、実際にはその事業に着手したらいつまでも夢に酔っているのではなく、すぐに「しらふ」の状態に戻らなければなりません。
 スタートした瞬間から、理性的に判断し、無用な危険を避け、実際的な方策について考え尽くし、仕事を成功に導くようにしなければなりません。
(要約)

 「願望」にまで高まった「夢」を、常に心に抱き続けること。それこそが、夢を実現させるための第一歩となります。生きている限り、そうありたいと願っています。


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