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『稲盛和夫一日一言』12/24(土)

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 12/24(土)は、「趣味は必要か」です。

ポイント:「仕事だけが人生ではない。人生には趣味や娯楽も必要」というのは本当だろうか。本業である仕事に打ち込んでそこに喜びを見い出すことができていれば、仕事以外のものに喜びを見出そうとはしないはず。

 2022年発刊の『経営12ヵ条』(稲盛和夫著 日本経済新聞出版)の中で、「リーダーは自らを犠牲にすべきか?」という質問に対して、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 誰にも負けない努力をしていると、仕事一点張りになってしまいます。そういう意味では、自分の人生に余裕がなく、趣味もなければ遊ぶこともできないという惨めな思いをすることもありました。趣味を生かすこともない、遊びもないという自分の人生に若干の後ろめたさがあったのですが、その気持ちを癒してくれる言葉を知り、私は救われた思いがしました。それは、20世紀初頭のイギリスの思想家、ジェームズ・アレンの言葉です。 

 「成功を手にできないでいる人たちは、自分の欲望をまったく犠牲にしていない人たちです」
 「もし、成功を願うならば、それ相当の自己犠牲を払わなくてはなりません。大きな成功を願うならば、大きな犠牲を、このうえなく大きな成功を願うならば、このうえなく大きな自己犠牲を払わなくてはならないのです」

 遊びたい盛りのころからずっと自己犠牲を強いられた私にとって、それは物事を成就させる、あるいは成功を手にするための正当な代償として払わなければならなかったものだったのだ、と言ってくれているように感じた言葉でした。(一部要約)

 京セラでは、本業に集中、没頭する一方で、自分の仕事の成果をさらに上げていくためには、本業とは異なる他の分野にも興味を持つことが必要である、とも教わりました。
 ものづくりにおいては、とことんまで合理性を追求することが求められます。さらにお客様に喜んでいただける製品の理想の姿を追求していこうとすれば、誰もやったことのない最先端の領域にまで踏み込んでいかなければなりません。
 そのためには、自分の仕事以外の分野にまで興味を持って勉強していかなければ、自身の精神性を深めていくことができません。そうした興味は、趣味や娯楽のレベルでは収まらないはずのものです。

 今日の一言を、「趣味や娯楽から得られる喜びが、本業である仕事から得られる喜びの代替になっているのであれば、それは違うのではありませんか?」という問題提起だととらえれば、我が身を振り返ってみる貴重な機会となるのではないでしょうか。


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