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『稲盛和夫一日一言』1/19(木)

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 1/19(木)は、「神の啓示」です。

ポイント:毎日毎日悩み苦しんでいると、ある瞬間に、神の啓示のように、アイデアが心にひらめくことがある。それは神が与えてくれる霊感(インスピレーション)のようなもの。

 2011年発刊の『京セラフィロソフィを語るⅡ』(稲盛和夫著 京セラ経営研究部編/非売品)の中で、強烈な願望を思い続けることの大切さについて、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 何かを成そうとするときには、心の底からほとばしり出てくるような、強烈な願望を持つことが大切です。そして、強烈な願望を抱いた以上、その願望を寝ても覚めても思い続け、あらゆることを想定しながら、その願望を達成するためにはどうするべきかを考えなければなりません。

 その中で生まれてくる「ひらめき」は、私自身の考えというよりも、あまりにも私が必死に考えているので、それに対して神仏が私自身の才能を超えたものを与えてくれたとしか思えないものでした。

 シミュレーションを繰り返している間に、私はいろいろなヒントを与えていただきました。それは苦しみ考え抜いているときに暗闇に差す、神が授けた一筋の光明のようなものです。
 そういうことをずっと経験してきたものですから、私はこの宇宙には「知恵の蔵」というものがあるのではなかろうかと思っています。そして、人一倍真面目に一生懸命悩み苦しみ抜くことで、その扉から流れ出る素晴らしい知恵を授かり、新しいことを成し遂げていくことができるのではないでしょうか。
(要約)

 今日の一言では、神仏が与えてくれる「ひらめき」や「ヒント」といったものを「神の啓示」「神が与えてくれる霊感(インスピレーション)」のようなものだと言われています。

 後々考えてみると、私もこれに近い経験をしたことがあります。
 新規セラミック材料の研究開発に没頭していたこと、あるテーマで大きな課題をブレークスルーできずに、ああでもないこうでもないと試行錯誤の実験を繰り返していたころのことです。
 夜遅く家に戻り、「ああ、今日も一日何も解決できなかった」とため息をつきながら湯船の中でこわばった身体を伸ばしたとき、「あれ、ひょっとするとこうやったら現象の変化を測定できるかもしれない。今までは測定する方法がなかったので、その他の物性値を総括して定性的に判断するしかなかったけれども、現象の変化を正確に実測できる方法が見つかれば、きっとより特性に優れた新しいセラミック材料を開発できるはずだ!」といったヒントのようなものが浮かんできました。

 翌日、さっそく分析技術や生産技術部門のメンバーにそのヒントを伝えて協力要請し、その後しばらく時間はかかったものの、身近な計測機器と治工具、モニターを組み合わせることで、今まで定性的な判断に頼っていたある特性値を定量的に測定可能な方法を確立することに成功しました。(それが世界初のことかどうかまでは分かっていませんでしたが・・・)

 今でも、そのヒントは「人間として何が正しいかを問い続けて仕事に没頭しているときに、神仏が与えてくれたインスピレーションだったのではないか」と思えるようなものでした。


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