”当たり前のこと”をやり続けることが一番正しい道-メリルリンチ日本証券元副会長が語る仕事術とは
企業を取り巻く環境や労働市場が激しく変化する中で、市場価値の高いプロになるためにどのような意識が必要なのでしょうか?今回は、その答えを求めて、メリルリンチ日本証券元副会長でありRegrit Partners社外取締役の中沖勝明氏に、社内イベント(FEI*)を通してインタビューを行いました。
どの時代にも通用する仕事術や、20・30代のビジネスパーソンが仕事で大事にした方が良い心構えについて解説していますので、ぜひ最後までご一読ください!
*FEI (Friday Evening Investment):毎月第2,3金曜日に開催されているイベント。誰でも参加可能で、業界・業種問わず様々な経歴・経験・知識の習得が可能なRegrit Partners独自の社内イベント。
登壇者情報
Regrit Partners 社外取締役 中沖勝明氏
当日は中沖さんのご経験から、市場価値の高いプロになるためにどのような意識が必要なのか、その秘訣を探りました。
1.20代・30代は「自分の門構え」を作るべき
山木:中沖さんのキャリアは輝かしいものばかりですが、キャリアの中で意識していた考え方などはありましたか?
中沖:メリルリンチ日本証券に入社当時の会長から「20 代で仕事を覚えて、30 代で金稼いで、40 代で会社のために仕事して、50 代で社会のため仕事しろ」言われました。私自身、先達の言葉は正しいと感じていたので、30代ぐらいまでは自分の門構えをしっかり作ることを意識して働いていました。そして、50代で新しい産業・雇用を作りたいと思い、今までのキャリアとは違うAI insideにジョインしました。
なので、今回は若手の社員や読者の方にも、若手のうちは「自分の門構えを作る」ために働くべきという考え方を伝えたいと思っています。
ーー自分の成長を求めて、ファーストキャリアを選択
山木:ありがとうございます。中沖さんはメリルリンチ日本証券の前にファーストキャリアで国際証券に入社されていますよね?この就職先を選んだ理由は何だったんですか?
中沖:実は某大手人材会社に内定していて、証券会社に行くつもりはなかったんです。でも、内定していた企業が不祥事を起こし、普段何も言わない父親に止められたんですよ。募集締切直前の時期で、証券会社しか受けられず、成果を出せば出世ができそうな国際証券(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券)に入社しました。
一個だけ自慢ができるのは、入社してからずっと社長賞で一番を取っていたことです。この成績が無かったらメリルリンチ日本証券に転職できなかったかも知れないです。
2.”当たり前のこと”を毎日やり続けることが、周囲と差を生むポイント
山木:入社してからずっと成果を出し続けていたんですか?それはすごい。若手のうちは周囲もやる気のある人で溢れていると思うのですが、何がその差を生んだのでしょうか?
中沖:当たり前のことを毎日お客様のためにやり続けたことだと思います。国際証券やメリルリンチの社員はすごく優秀で、一時的に特殊なことや難しいことができる社員は多くいたんです。でも、そんな優秀な社員でさえ、お客様のためになることを毎日やろうと行動するのは難しい。若手のうちは上司から頼まれる仕事も多いですし、どうしても、お客さんじゃなくて上司のことを考えて仕事をしてしまう人が多くなってしまうんです。
そんな中、私は「自分が成長するためには、お客様のことを第一に考えないといけない」と強い信念をもっていたため、いつでもクライアントファーストで働くことができていました。スポーツをやっていて体力もあったので、根気強く地道にやり続けることができたんだと思います。
なので、やる気に溢れた若手の中で差をつけるためには、お客様のことを第一に考え、毎日当たり前のことをやり続けることが最も大切な道なんだと思います。
ーー今日1日この仕事をしたいかどうかで職業を選ぶ
山木:『当たり前のことを当たり前にやる』って、頻繁に聞くワードな気がするんですけど、継続するのは何よりも難しいことだと思うんですよね。当然、人間はモチベ-ションが高い時もあれば、低い時もあると思います。中沖さんはどうやってモチベーションを維持していたんですか?
中沖:もちろんモチベーションがわかない時もあったんですけど、会社に行くことが嫌な日はありませんでした。私は『今日1日この仕事をしたいかどうかで職業を選ぶ』ことができたからこそ、毎日続けられたんだと思います。
山木:なるほど。私の新卒の頃は仕事を上司に依頼されることが多く、モチベーションを保つことに苦労しました。中沖さんは上司に依頼される仕事をどのようなメンタリティで仕事をしていたんですか?
中沖:お客様のために一生懸命に仕事を続けていれば、自分を信頼してくれると感じていました。だから、お客様のために時間を有効活用しないとダメだなと思って働きました。その結果、20代からお付き合いが今も続いています。
山木:中沖さんは若い頃から上司の顔色よりも、クライアントのことを考えて仕事をしていたってことなんですね!当時、私は上司の顔色を伺っていたかもしれない。中沖さんは上司が変わっていても、スタイルは変えなかったんですか?
中沖:変えなかったですね。その人がいつまで上司かもわからなかったので(笑)クライアントの信頼を得ることが、最終的には自分のキャリアを支える基盤になると考えていました。
3.挫折した時は、失敗の要因をとことん突き詰める
山木:中沖さんが超人過ぎてつまらないですね(笑)挫折した経験とかはないんですか?
中沖:挫折ですか、、、。私は、初めてマネージャーとしてチームを率いた時に挫折を経験しました。その当時は金融危機があり、メガバンクの優秀な人たちがメリルリンチ日本証券に転職してきました。組織論で働いてきた彼らと価値観が合わずに、「マネージャーの立場を理解していない」などの意見が出て、辞めてしまう部下もいました。
山木:100回中100回結果を出せるわけじゃないですよね。失敗をどのようにとらえて、どのような行動をとっていたんですか?
中沖:失敗を失敗と認めることが重要だったと思います。失敗には必ず要因があります。その理由をしっかり突き詰めて、次回は失敗しないように努めました。失敗を覆すのは次の成果しかありません。失敗して負けるのは好きではないので(笑)
山木:成果を残す一方、失敗を積み重ねていると思うのですが、どんなメンタリティで失敗を乗り越えるんですか?僕たちはそんなにハート強くないですよ(笑)
中沖:お酒を飲んでカラオケで歌って忘れます(笑)1人だと失敗を抱えていたと思うけど、チームでベストを尽くして負けてしまった時は緻密な計画を立てて次は成功するぞ!っていう気持ちでやり続けるしかなかったですね。失敗を覆すのは次の取引の成果しかないですから。
4.優秀なビジネスパーソンは、最後までグリットできる人
山木:失敗は成功でしか取り返すことができない。とても本質的なことですね。今まで数々の経験をされてきた中沖さんから見て、優秀なビジネスパーソンとは、どんな人ですか?
中沖:私が感じた優秀な人の特徴は、最後まで責任をもってやり遂げることができる人だと思います。どんなに困難な場面でも、決して逃げず、最後までやり続ける意識がある人は強いですね。
山木:中沖さん、一切突飛な事してないですね。中沖さんのようなプロフェッショナルは基本の原理原則に従っているんですね。平成も令和もハイパフォーマーの構成要素は変わらないのかもしれないですね。
5.やる気に満ちた”多種多様な個”を持つことがRegrit Partnersの魅力
山木:ありがとうございます。最後に、客観的に見てRegrit Partnersの良いところを教えてください。
中沖:いい意味で「動物園」みたいなことですかね(笑)上昇志向の強い若いスタッフが多いし、上場に向けて様々なケイパビリティを持つ方が集まっています。そんなスタッフ全員がやる気に満ちており、独自的なコンサルティングファームを築く意識を持っています。そこがRegrit Partnersの良いところだと思います。
最後に
中沖さんのインタビューの様子はいかがでしたか?
インタビューを通じて見えてきたのは「市場価値の高いプロになるためには、地道な努力を怠らず、強い責任感を持ち続けることが重要」という点でした。どの時代でも変わらない原理原則を胸に刻み、日々の仕事に取り組むことが、長期的な成功につながるのではないでしょうか。
読者の皆さんも、中沖さんのアドバイスをヒントに、未来に向けて一歩一歩キャリアを進めてください。
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