地球と月、ONEUSと私。
私は天体が好きだ。
小さな望遠鏡で、月のクレーターや土星の輪っかを見るのが好きだった。今でも、夜空を見上げては数多の星の煌めきに毎回のように感動するし、真昼の青空にひっそりと浮かぶ白い月を見つけると、心が洗われる気がする。
遥か彼方、自分の足では到底届かない場所にある途方もなく大きな物体が、地球という惑星に居る小さな私の目に小さくうつる不思議。その魅力に、引力のようにひきよせられた私。
そんな私がONEUSというグループを好きになることに、何か運命めいたものを感じたくなるのはやむを得ない。気づいたらそこに在り、それがいつしか当たり前となり、出逢う前の日々を何だか少し味気ないと感じてしまう程に。
ONEUSは私の日々に光をもたらした。
深い底無し沼への誘い
「K-POPにもハマりたい」
2020年の1月、そんな気持ちが頭をもたげた。
世界中のありとあらゆる音楽がデバイス1つでいくらでも聴けるようになって久しい中、ひたすら日本の楽曲と、いわゆる洋楽を聴き漁っていた日々。
日本には三浦大知やAimerが、カナダにはショーン・メンデスにdeadmou5、イギリスにはThe Vamps、オーストラリアにはRuel、アメリカにはサブリナ・カーペンター、チャーリー・プース、……(書き出すときりがないので割愛)
世界中に好きなアーティストが居る。
じゃあ韓国には?
その時の私にはまだ、すぐに名前が出てくるほどにハマるアーティストが居なかった。だから、韓国ならこのアーティストが一番!、と思う人を見つけたいなと思ったのだ。せっかくだから、これから活躍しそうな、デビューして間もないような人達を応援できたら良いな。そう思いついたところから、私の初めてのK-POP沼への道のりが始まったのである。
チャートを見て人気アーティストや流行りの楽曲から探したり、オススメグループをネットで見たり、ジャンル別やシーン別に作られたプレイリストを流してみたりと、新しいアーティストの探し方にも色々ある。私は、人からオススメされて好きになった時の感動が、自ら見つけ出した時の感動よりも薄れてしまうという面倒な性格をしている。それゆえ自力で何とか見つけたかった。地道に見つける為に使ったのはSpotifyという音楽サブスクサービス。世界中で何億人もの人々が使っている大型プラットフォームである。当時はいわゆるコロナ禍の真っ只中で、幸いにも探すための時間はたっぷりあった。
どのようにして探したかというと
・K-POPグループらしきアーティスト名を片っ端からフォロー
・ランダムに楽曲を試し聴き、ピンときたらプレイリストへどんどん追加
・ある程度集まったらプレイリストを流してみる
という何とも地味で地道、かつシンプル戦略。これが意外にも楽しく、私はどんどん好きな曲を見つけていってはプレイリストに追加していった。
こうして私は、沼が深いことで有名なK-POPの世界にゆっくりと、しかし着実に歩みを進めていくのであった。
好きな曲いっぱいある
探し始めてすぐに思ったことがこれだった。もちろん今までもK-POPは何曲も聴いてきたけれど、沼と知っていたからこそ、無意識にハマることを避けていたのかもしれない。もともと、何かにハマると、とことん突き進み調べ尽くし知り尽くしたくなる性分で、にも関わらず面倒くさがり屋なもので、K-POP沼という深い沼に足を踏み入れてしまったら最後、他事が疎かになってしまうくらいハマって二度と抜け出せなくなるのは目に見えていた分、躊躇していたのだ。
そしてその予感は見事に的中するのである。
ONEUSの楽曲と出逢う日
しばらくは、作ったプレイリストを再生して楽しむのみで、好きなグループを見つける所まではいかなかった。というか、当初の目的も忘れて、もはやそれで満足しそうになっていた。新たなジャンルに足を踏み入れて「好き」が増えることはいつだって楽しい。自分の「好き」に鈍感だった頃の自分を想うと、今私はとても幸せよ、と伝えたくなる。
とまあ、そんなことはさておき。
ふと気づいたことがあった。プレイリストに、いくつもの曲が追加されているアーティストが居たのである。しかもそんなアーティストは一組だけだった。
作った時分には大して気にも留めていなかった、というか好きな曲を探すことに気を取られていたが、さほど多くない曲数の中に同じアルファベットが並んでいることがようやく気になり始めた。プレイリストを作成し始めてから2週間も経っていなかったと思う。この時、私は始めて意識的にそのアーティストの名前に触れた。
O N E U S
たった五文字の並び。見たことも無ければ読み方すらわからない。勿論、グループのデビュー日どころかメンバーの顔も人数も知らなかった。だけど、そのたった五文字が少し、輝いて見えた。グループ名を意識してから改めて楽曲を聴いてみると、単にメロディが好みだったのが、ボーカルの声質や歌い方にも気を向けるようになった。低く響く声、甘く拡がるビブラート、天をつくように伸びるハイトーン。
…………好きかもしれない。
すぐに、ONEUSの楽曲を全て聴いた。
…………やっぱり好きかもしれない!!!
これはもう、このグループのことを知ってしまえば後戻りはできない。私は彼らを好きになるんだろうな、と何となく思った。そして、その予感は珍しく少し外れた。この時には思いもよらなかったのだ。好きになるどころか、すっかり夢中になってファンになるなんて。
ONEUSのメンバーを知る日
「何故こんなに好きな曲ばっかりなんだろう」
いわゆる "歌ファン" 状態である。
すっかりONEUSの楽曲の虜になった頃、曲を聴く度にそう感じていた。ここに、その頃特にお気に入りだった楽曲をいくつか挙げてみる。
"HERO"
"Bing Bing"
"Valkyrie"
"Level Up"
*ひょんな御縁でこの長文ノートをここまで読んでくださっている優しいあなたに、是非聴いてみて欲しいです。もしこの中に一曲でも好きな楽曲があれば、彼らのアルバムを一周してみてください。*
「いったい私の好きな曲ばかり歌うONEUSはどんな人達なんだ!グループ名はなんて読むんだ!メンバー構成は、年齢は、デビュー日は!!!」
気になればもう、そこからはあっという間だった。始めて見たMVは確か、これだった。
"808"
きらびやかなチームラボの空間から私の人生に流星の如く現れた、一際輝きを放つその6人が、私にとっての初めての《推し》になった。
※現在は5人組
そして、ONEUSはいくつか呼び方があり混乱するのはまた別の話。。。
(ウォノス、ワナス、ワンアス等)
気になり始めると調べ尽くし、知り尽くさねば気が済まない相変わらず面倒な性格をしているため、ここから私は一気にONEUSについての情報を仕入れた。
ONEUSの名前の由来は、「ファンひとりひとり (ONE) の力が集まって作られた僕たち (US)」が「一緒に集まって一つ (ONE) の 世界を作っていく」 ΓΟΝE EARTH (1つの地球) 」 という意味や決意が込められている。
ファンの名前であるTOMOONには、「地球であるONEUS(Earth)のまわりを地球の唯一の衛星である月、すなわちTOMOONがまわって守ってあげる」、「TWO MOON(2つの月)」という意味が込められている。
なんて、、、なんっって素敵な!!!
グループの公式カラーというものもあるのだが、それぞれ色味も名前も良すぎる。
そして無事にTOMOONがまた一人、この地球上に誕生したのである。おめでとう、私。
ここから私はメンバーのことを一人また一人と好きになっていき、順番に最推しを変えつつ一周し、現在は箱推しという全員の大ファンをさせてもらっている。この経緯も個人的には面白かったので語る機会があれば良いな。
K-POPアイドルにハマると陥る問題の一つ
「見るべきコンテンツが多すぎる」
私の人生で一番大事な時期に、彼らのデビューまでの記録を必死で追いかける羽目になってしまったが、決して後悔はしていない。
ONEUSの世界観に魅入られる
曲が良い、顔が良い、以上。
とはならないのが我らがONEUSである。
K-POP界では当たり前なのだが、グループや楽曲に対して明確なコンセプトが設定されている。(K-POP界でも、といったほうが正しいのか?ただ他と違うと思うのは、アイドル側もファン側も、事務所側も、コンセプトに対する熱意がもの凄いということである)
そしてONEUSは、コンセプト、その点においても私の "好き" を突いてくる。
デビューから3枚目までのアルバム名はそれぞれ "LIGHT US" "RAISE US" "FLY WITH US" とどれも "US" が付いており、 "USシリーズ"三部作 と呼ばれる。
…………アルバム名からして既に凄いこだわり。やっぱり好き過ぎる。月と太陽と地球ですって。
二枚目のミニアルバム "RAISE US"
タイトル曲"twilight"
この荘厳華麗なロケ地はイタリア・ミラノにある
Villa Arconati, BollateとVillaLittaだそう。
この空間に居ても全く浮いていない、むしろ作品の一つでは?な美を惜しげもなく披露するメンバー達。それぞれ象徴的なアイテムを用いながら完璧な表情演技を魅せる。
お、お洒落……。この、「犬と狼の間」については、アルバム収録曲 "Bing Bing" (개와 늑대의 시간)の中で更に深く楽曲に落とし込まれ、世界観の表現をより幅広くしている。
曲始まりには、フランス語で「犬と狼の時間」を意味する "L'heure entre chien et loup." というセリフが入っている。この呟きによって楽曲の世界観に私達リスナーは一気に引きずり込まれていく。
3枚目のアルバムでは、こんなスケジュールが出されている。
すき。好き。
何でリアルタイムで応援できなかったんだろう。次のカムバは見逃すまいと固く誓ったのであった。
舞台天才ONEUS
曲が良い、顔が良い、コンセプトが良い、以上。
というわけにいかないのが、やはり我らがONEUSである。彼らはパフォーマンスも凄かった。いや、パフォーマンスこそが彼らの真骨頂。
ところで、K-POPアイドルを推すにあたってぶち当たる問題が、新しい応援の方法ではなかろうか。が、私にとってそれは心配無用だった。
「カムバ」「チッケム」「ケミ」などなど、初めて知る単語とその意味を知るにつけ、新たに踏み入れた世界に対しての不安よりもワクワクが勝った私が居た。
K-POPアイドルが新しい楽曲を出すと、たくさんの音楽番組で何度もパフォーマンスを見ることが出来る。YouTubeにフルパフォーマンスがアップされ、メンバー個人にフォーカスした映像を見ることも出来るし、全体を固定で撮った定点映像も見ることが出来る。
この時にあのメンバーはどんな表情をしていたんだろう、全体の構成はどうなっているんだろう、と気になっていた所もしっかり見ることができるのだ。
ONEUSはデビュー直後から「舞台天才」という称号を与えられ、称賛されていた。それはプレッシャーや足枷になってもおかしくはない。しかし、彼らのステージを見れ決して誇張や過大評価などではなく。
例えば、デビュー曲が音楽番組で披露されるたび、ラスサビ前のいわゆるキリングパートにおいて、毎度アレンジが加えられていた。
もしご興味があれば、こちらが(おそらく)全ステージを網羅されているのでご参照されたい。↓
イソホの体幹、おそるべしである。
ちなみに聴けば明らかだが、彼らデビュー時から現在まで、ほぼ常に "MIC ON" である。
デビュー時点でこのポテンシャル。
そして彼らの舞台天才っぷりをこれでもかと味わえるのが3枚目ミニアルバムのタイトル曲 "LIT"
これらのサムネを見て、気づいたら無意識に指が動いて動画を再生していたって人、ファン以外にもたくさん居るのではなかろうかと察する。表情管理がえげつないファヌンさん。これでもかと美を前面に押し出してくれるのでいっそ清々しい。
彼らの魅力はまだまだこんなもんじゃない。
まだまだ書き足りないものの、今回記録として残しておきたかったのは私が彼らを見つけてから好きになるまでなので、満足である。
徒然と、思うがままに、当時を思い出しながら、好きになった頃のことを書いてみた。ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。お疲れ様です。書いた甲斐がありました。
と、そんなこんなでONEUSというグループにとらわれてしまった私。今日この日も彼らの音楽を聴きながら、歌声に寄り添われ、パフォーマンスに魅せられ、彼達からの愛に酔わされ、明日を楽しみに今日を眠る活力をもらう。
そして私は彼らに、精一杯の愛と応援を届けながら、遥か彼方、より遠くまで羽ばたけるように見守っている。
地球に寄り添う月のように。