時間を守れん人間は何をやってもダメだ(田中角栄) 学級通信『Sagittarius』vol.23 2021.5.17発行
まずは田中角栄氏の紹介をしましょう。知っている人も多いでしょうが、田中角栄氏は昭和を代表する政治家の1人です。彼は、『日本列島改造論 』という方針を打ち出して、全国各地に高速道路を建設し、高速道ネットワークを作った政治家です。また当時国交が断絶していた中国と『日中国交正常化』を果たしたという功績もあります。今でも非常に高い評価を得ている田中角栄氏がこの「時間を守れん人間は、何をやってもダメだ」という言葉を残しているのです。
非常に重たい言葉ですね。さあ、キミたちはこの言葉をどうとらえますか?田中角栄氏は真実を語っているのでしょうか?本当に時間を守れない人間は何をやってもダメなのでしょうか?
キミたちはこの言葉を見たときに、「時間を守れなくてもすごい人間はいるはず!」「時間を守れないだけでそこまで言わなくてもいいじゃないか!」と思ったのではないでしょうか。私もそう思います、時間を守るだけがすべてではないと。でも高校生のうちにキミたちにわかっておいてほしいことがあります。それは、社会の大人たちは「時間が守れん人間は、何をやってもダメだ」と思っているということです。
私はこの言葉を『名言・座右の銘1500』という本から見つけました。社会の大人たちが共感し納得する名言集の中に、この言葉が収録されているということです。つまり、社会の多くの大人たちは「時間を守れん人間は、何をやってもダメだ」という言葉に共感しているのです。そして、キミたちは来年からいよいよそんな社会に飛び出していくのです。
そこでもう1度考えてください。「時間が守れん人間は、何をやってもダメだ」この言葉が真実であろうが真実でなかろうが、キミたちにとっては関係ないのです。社会の多くの大人がそういう考えを持っているという段階で、キミたちがどう考えどう思おうが、この考え方を飲み込まなければならないのです。そして、それが社会に出るということであり、大人になるということです。
これは時間を守るという話だけではありません。社会の『常識』も同じです。キミたちがどんなに納得できなくても、大きな理由がなくても、大多数の大人が同じ考えを持っていて、それを守らなかければならないならそれが常識なのです。
大人になるということは思っているより大変なことなのです。キミたちからすると常識に縛られて窮屈そうに見えるかもしれません。しかし、大人になり、社会に出て当たり前のことを当たり前にできるようになったときにキミたちは本当の『自由』を感じることができるはずです。今日は時間を守るという,常識の話をしました。