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子ども・若者・年寄 学級通信『Sagittarius』vol.61 2021.9.17発行

 今週はオンライン授業をいいことに,かなり難しい内容の学級通信をお送りしています。この“心”や“マインド”のお話は,大人でもなかなかつかみどころがなくて,理解するだけでも苦労するもんです。
 さらに,理解だけではなくて,その生き方を実践するということは,まるで人生の宿題のように感じてしまいます。ただ,自分と向かい合うことが人生であろうということも,また1つの事実でしょう。
 といことで,高校生のキミたちは,1回読んでみましょう。そして,キミたちが大人になってからもう1度振り返った時に,「あ~,多田先生はこのことを言ってたのか~」となってくださいね。さて今日は“子ども・若者・老人”です。
 私は人間を年齢や性別関係なく,3種類に分類できると思っています。“子ども”,“若者”,“年寄り”です。これは年齢で分けられるものではないと思います。“子ども”は純真で自分の思ったことを表現して,天真爛漫で皆に愛されて守られている存在です。だけど,子どものまだ未成熟なところは自分1人で生きていく力がない。その代わり変な忖度をせずに本音をいるもどこでも言えるのが“子ども”です。その“子ども”が成長していくと“若者”になります。
 “若者”になるってのは,そのまま成長してきて自分の力で生きていく能力を身につけたところが“若者”の入り口です。若者はまだ経験が足りないので,失敗もするし間違うこともあります。だけど,間違えた時とか失敗した時に,自分の責任で間違えたということを前向きに改善していく間は“若者”なんです。だから「自分の問題なんだ」って思えているうちは“若者”なんです。
 それがいつか“年寄り”になります。年寄りになるってのは経験を積んだり,いろんな能力を身に付けたり地位を手にしたりして,自分が間違えた時に「自分の責任なんだ」ってのを上手く部下や他者に転化するようになった瞬間,“年寄り”に変わります。だからこれは年齢ではありません。
 日本の社会って今,“若者”不足なんだと私は思ってます。ずーっと“子ども”で,守られて自分で生きる力がなくて,よかった素直さとかも失っていきながらも,いつまでも“子ども”をやっている。このまま“若者”を経由せずに“年寄り”になる。人のせいにして「世の中かが悪いから,こんなんなんじゃ」とか「オレはこんなんやりたかったけど環境が,周りの大人がこんなんやから,こんなんなんじゃ!」っていう“年寄り”化していく。
 仕事ができてもお金があっても,社会的なステータスがあっても,まだ「私が間違ってた,ごめん」ってちゃんと素直に言えたり,「オレが何とかする」って思えている人は,永遠に“若者”です。
 だから,1日も早く“若者”になって,1日でも長く“若者”でいられることが,自分のためにも社会のためにもなるんだと思っています。今“若者”人口が“子ども”“年寄り”両サイドに削られて減ってきている。全部人のせいにして,全部世の中のせいにして,自分は変わらずに相手を変えようとする。そんな人が増えているんだと感じます。
 さて,まだ“子ども”で“若者”直前のキミたちは,この話をどう感じますか?この1年,学級通信で書いてきたテーマはたった1つ“自分とは何か”です。言い換えると,「自分で考え,自分で感じ,自分の責任で行動する。」って事です。
 自分で考えたり,感じたり,責任をもって行動するって確かに辛いことばかりです。でも,その経験の積み重ねがあいまいだった“自分とは何か”を少しずつ具体化していくのです。
 自分の頭で考えること,自分の心で感じること,これから逃げることなく,キミたちは“若者”として社会に出て行ってくださいね。


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