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Turn Over a New Leaf 学級通信『Sagittarius』最終号 2022.3.1 発行

 2月28日夜,今この学級通信を書くために,職員室でパソコンに向かっています。卒業するキミたちに,どんな言葉を伝えればいいのかずっと悩んでいます。
 実は最近,学級通信を書くことが,すごく難しく感じるようになってきました。というのも,この3年で,そしてこの1年で,キミたちに伝えたいことを伝えきったように思えてしまうからです。そして,今のキミたちの姿を見ていると,もう私の言葉でキミたちを助けることができないんじゃないかって思っています。
 それくらい,最近のキミたちは,自分の足で歩き,互いに助け合い,“自立”しているように見えています。でも,そんなキミたちに何か伝えたくて,旅経つキミたちに最後の言葉を伝えたくて,今,パソコンに向かっています。
 ここで少し,私の話をしますね。私はこの3年間,1つの思いをもって担任をしてきました。それは“共感”です。誰だってそうですが,人生は楽しいことばかりではありません。ツラい時だってたくさんありますよね。そして,自分の居場所がなくて,自分の価値に自信がなくなる時だってあります。
 でもね,1番ツラいことって“自分のツラさを誰も理解してくれないこと”なんだと私は思います。そして,そんな時人は,孤独を感じるんだと思います。だから私は,キミたちの“ツラい”“しんどい”という言葉に,1つでも多く耳を傾け,キミたちの孤独に震える心に寄り添いたいと思ってきました。 そう,そして,“キミはここにいていいんだ!”,“キミが必要なんだ!”って伝えたいと思ってきました。
 キミたちにとって,学校やこのクラスは居場所になれましたか?たくさん悩み,たくさん苦しんだキミたちにとって,6組が少しでも,“自分が居ていいんだ”って思えたり,“私は1人じゃないんだ”って思える場所だったのなら,うれしいです。そして,キミたちが心に背負った荷物を,1つでも一緒にもてたのなら,私は本当に幸せです。
 卒業の歌,3月9日から,
  瞳を閉じればあなたが まぶたのうらにいることで
  どれほど強くなれたでしょう
  あなたにとって私もそうでありたい

 この1年は特にこんな風に感じていました。“受験に向かうキミたちの力になりたい”。そう思って始まった一般入試クラスですが,気がつけば私がキミたちに助けられ,私がキミたちのおかげで頑張れました。キミたちにとって私もそうであれたでしょうか。
 さて,少しこの1を振り返ってみましょう。一般入試クラス,どうでした?受験ってキミたちが思っていたより,圧倒的に大変だったでしょ?でもね,受験ってキミたちが思っていたより,圧倒的にいいもんでしょ?
 だって想像してみましょうよ。一般入試クラスじゃなかった自分を。受験を経験しなかった自分を。振り返ってみましょうよ。この1年での自分の成長を。
 葛藤しながらも,目の前の勉強に打ち込もうとするキミたちの姿勢や,壁にはじかれながらも,何度も高い壁に挑戦する勇気。キミたちのそんな姿はとっても美しく,本当に感動しました。私はそんなキミたちを,今では本当に尊敬しています。
 そして何より,キミたちのおかげで,私は初めて本当の“担任”になれた気がします。キミたちは私の自慢の生徒ですよ。でもキミたちの方が,私の先生だったかもしれませんね。
 いよいよ紙面も少なくなってきました。最後に“3月9日”より,
  青い空は凛と澄んで
  羊雲は静かに揺れる  花咲くを待つ喜びを 
  分かち合えるのであれば それは幸せ

 キミたちと喜びを分かち合えた3年間は,私にとって本当に幸せな時間でした。そろそろお別れの時間です。もうキミたちなら,1人で歩けますよね。では,本当の最後に,愛するキミたちへ。
  3間本当にありがとう
  そして,卒業おめでとう
 

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