運命の輪part.1 学級通信『Sagittarius』vol.33 2021.6.8発行
高総体も終わり,いよいよ勉強からの逃げ道が絶たれました。ここからが本番って人もたくさんいるでしょう。一緒に頑張りましょうね。さて,そんな今日は私の思い出話に付き合ってください。これは初担任の時のお話です。
私が初担任をしたのは11年前,去年お世話になった奥村先生が高校生だった時の学年です。43人1クラスで,人間総合科,今でいう生活デザイン学科です。なので女子41人男子2人のクラスでした。
そのクラスには本当にいろんな生徒がいました。事情があって一番後ろの席じゃないとしんどい子,遅刻欠席の多い子,他にもいろんな事情がある子がいました。具体的な内容はここでは書けませんが,本当に43人43通りの配慮が必要なクラスでした。
そのクラスでの経験で今でも私の心の奥深くに残っている出来事があります。それは,とある生徒の保護者からのクレームです。その生徒にはいろんな事情がありました。私なりに配慮をしていたつもりでしたが,どうやら保護者にはよく映らなかったようなんですね。その結果,一時期,かなりの時間を割いて保護者対応をしていました。
その時の私は「なんでやねん!」「生徒や保護者がこっちに合わせろや」って思っていました。そう,相手を変えようとしたんでしょうね。
そりゃうまくいきませんよね。ありのままの相手を受け入れようとせず,こちらの価値観を押し付けて,相手を変えようとしたとき,相手は拒否しますよね。
そんないっぱいいっぱいの私を救ってくれた言葉があります。その言葉は,ソフト部の顧問,K先生の言葉でした。
「tadaくん,やいやい言ってくる保護者は学校に文句があるんちゃうで!保護者自身が困ってはるんやで!だから,tadaくんが保護者の味方にならんとあかんねで!」
当時の私はこの言葉の本当の意味は理解できなかったかもしれませんが,「とりあえずK先生の言うとりにやってみて,あかんかったらK先生のせいにしちゃえばいいか」ってな気持ちで取り組んだんです。
すると,みるみるその子にかかわる問題が解決してきました。当然,私なりに努力もたくさんしましたし,まわりからの助けもたくさんありました。特に,当時の学年主任は,保護者と私の間に入り,私を守ってくれました。
そんな経験もしながらの初担任は,今思い返すと本当に大変でした。今日紹介した経験以外にも,大量に頭を悩まし,心を疲弊させるイベントがあったんですから!大量にですよ!www
そんな初担任の経験で学んだことはたくさんありました。“価値観は人それぞれなんだ”ってこと,“人の攻撃性は不安から生まれるんだ”ってこと,“ありのままを受け入れることは難しい”ってこと...。それと,“頑張っていれば,誰かが助けてくれる!”ってこと。
当時,私を助けてくれたK先生ですが,次回の学級通信では,私がK先生を助けた話をします。
というのも当時,男子バスケ部の顧問だった私は,なぜか女子ソフトボール部の遠征を引率することになります。そこでの学びも今の私を支えてくれています。さらに明後日以降の通信にもK先生は登場しますよ!