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EDM制作で音の定位とパン振りについて

どもRØZL3Y(ロズリー)です。
今回は、EDM制作での音の位置やパン振りについて書こうと思います。

DTMの解説系の動画やブログ記事なんかで、よく音の定位やパン振りは解説されているけど、自分が見た感じだと、どれもバンドっぽいサウンドにおいての解説であったり定位とパン振りについて説明してても実際にどうやってるかを解説してないことも多いなと思ったし、何よりプロデューサーによっても定位の置き方はだいぶ変わってくると思うので、ここでは音楽ジャンルはEDM・ダンスミュージック系の電子音楽で自分が意識していること、やっている処理に絞って書いていきます。

正直、正解はわからんのであくまで『 オレ流 』ってことで参考程度に見てくれればと思います。

まず音の定位についてですが、『定位』は各パートごとの音が鳴ってる場所のことを指し、ステレオで鳴らしたときに前後左右どこから聞こえているかを決めて処理をします。

定位を決める際に気を付けているポイントは低音は左右に散らすと音がこもってボヤけるので真ん中あたりを意識する、特にキックやスネアは真ん中、ベースも真ん中に置くけど鳴らす周波数と前後は意識する、同じ周波数帯の音がなるとかき消しあって訳の分からんことになるので定位をいじるのと同時進行で音量や削る音域やブーストする周波数帯も整えていくことが多いです。あとメインとなる楽器やボーカルは前気味の真ん中に置いてます。
高音は音を広げると立体感が出るので真ん中に置くパート以外で前後左右の位置を変えてます。

低音域の処理

低音の処理ですが基本は真ん中に置くので、パンは振らずに前後だけ意識します。Kickがド真ん中にあってそれを軸にBassとSnareは聞きながら音量だけで最初はバランスを整えて調整するのを意識してます。
音抜けが悪い時に試してみるのが 「 Fruity WaveShaper 」 です。

これはFLstudioに付属されているエフェクターで、こんな感じの波形にしてあげると音が前に出てきます。前後を意識いするうえで自分の場合だと前に出すのはボーカルやスネアがほぼです「Fruity WaveShaper」で前に出したい物をちょっとずつ前に出していくのを意識してます。
あとはEDMだとKickやBassを多用するので低音域がとことん被ってしまうからKilohearts「Disperser」で鳴らす周波数帯の位置をずらしたりします。

Fruity WaveShaper =前後の調整
Disperser = 左右(じゃないかもだけど)微調整

という感じでやってます。
あとはリードシンセもボーカル的な扱いで左右にはあまり張らずに真ん中よりに置いてます。

後、Lowは基本真ん中とは言ったけど例外的にDubstepとかだとベースを重ねたりするので同じ低音域でもWobble Bassを左右に振ったりもします。
Glitchとかも、STABに関しては広げちゃうことも多いかも。

中音域・高音域の処理

音の広がりを再現するのに中音域と高音域は左右に振ることが多いです。最初に手を付けるのはハイハットを左右に振って若干後ろに置きます。
TRAPやDrillみたいにハイハットが特徴的な楽曲だと逆に前に出してるケースもあるのでリファレンス楽曲があるならそれを参考にするのが吉

オートパンをかけることが多いので自分はSoundtoys「PanMan」でオートパンをかけてFLstudio付属の「 Fruity Stereo Shaper 」を刺して若干後ろに置きます。

Fruity Stereo ShaperはDAWで左右に振るのとは違い、真ん中で鳴る音を残しながら前後左右に振ることができるプラグインで真ん中を切って前後左右だけなんてことも出来る便利プラグインです。
個別のパート以外でも全体的なMS処理でも使えます。

Hatはやや後ろに置きましたが、Technoなんかで途中から入ってくるOpenHatやRideなんかは左右に振りつつ「Fruity WaveShaper」で前に出したりします。

次がコードシンセやPad、それからホワイトノイズだったりFX関係も左右に振ります。ここで重宝するのが左右の広げ具合を簡単に処理できるPolyverse「Wider」を使ってます。

パッと見で広がり具合もわかるのですごく便利です。
これで横に広げたい各パートの置く位置を調整してます。

コードシンセやPadで結構よく使うのは作った音をただ広げるだけじゃなくて、作った音の定位をいじらずそのまま残しておきつつ真ん中に残しおいて別のチャンネルにセンドで送って両方鳴らす感じでセンドで送ったほうを左右に広げたり揺らしたりするときもあります。この辺は使ってる音の種類や音数とか全体のバランスを見てやれば良いと思います。

また、LowPass・HighPassフィルターやEQで不要な周波数帯を削ったり、リバーブやフランジャーとか音のキャラクターが変わるフィルターをかけて若干加工してから左右に振ったり、オートパンを追加して左右に流れるよう処理をしてからサイド処理をすることもあります。DownlifterやImpactみたいなFX関係を左右に流れるように処理したり、ビルドアップのパーツにオートパンで左右に散らしたりとかも立体的な感じが出て好きです。PanManだと自動制御は楽なんだけど確実に狙った場所にかけたいときはオートメーションを書いた方が良いかもしれない。自分は使ったこと無いけどパン振り出来るフリーソフトならPancake 2は良さそうだね。

あとはステレオ感が足りないなってときはFLstudio付属の「Stereo Enhancer」をかけたりしてたけどOzone「Stereo Enhancer」が100%良いです。鳴り具合を可視化しながら処理できるのですごく便利!Ozone神

こんだけ書いたは良いけど、実際やるとMIXもマスタリングもMS処理もムズ過ぎていつもヒーヒー言ってます。

これで一応、MS処理で意識してることは書いたかな・・・

でもさ、実際は前後左右だけじゃなくて高さも関係してると思うんですよね。自宅スピーカーやヘッドフォンで聞くだけならこれで良いんだろうけどクラブとか外で鳴らしたりするときって、またちょっと話が変わってくると思うんです。音楽をやっていて、さらに箱鳴りを体感したことがある方なら解ると思うんだけど箱のサイズとか人の入り具合でLowの鳴り方って全然違くて、全く同じ設定で小さい箱と大きい箱で鳴らしたときって聞こえ方が全然違うんですよね。同じ箱でも人の入り具合でLowの回り方も全然違うから箱の中の密度とか天井の高さも音の定位には関係あると思うんだけど、大きいイベントでDJするようなサウンドプロデューサーはイベント用の音源とリリース用の音源ってもちろん作り分けてるのかな?そこまでは別に意識しないで良い物なの?

これに関しては日本人で解説してる人は皆無だな。
正解がわからん。

そういった意味でも音を扱うプロのエンジニアは制作現場でもイベントの現場でもこれを瞬時に耳で聞いて最適な音にしちゃうから神なんですよね。

オレの耳と交換してくれーーーーーーーー!

あ、そうだ余談だけど音の定位に関連でこれ聞いてみて
世界初の3DSynthだそうだ。

立体感凄いですね。
それではまたー

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