『リアルかバーチャルか』の議論は不要
実写メタバースという『もうひとつのメタバース』領域を開拓し続けているので、つい、世間一般での間隔と離れてしまうことがあるので、いわゆるXR界隈以外の方の声は非常に参考になる。
メタバース活用は各業界でそれぞれ進んではいるが、教育業界の取り組みは私自身も以前からご相談を受けたり、講演させてもらったりしてきた経緯からとても気になる業界の一つ。
現場で生徒を見ている方々からすると、当然の懸念点だと思う。「バーチャルか、いやいやリアルか」問題。
この問題の前提事項がある。それは、ここで言われている「メタバース」が「バーチャル過ぎる」点だ。
例えば、立田さんの記事に掲載されていたこの画像。これが世間一般で誰もが想像する「メタバース活用」シーンだ。これは、教育界に限った話ではない。全産業において、メタバース活用を検討する際にほとんどの方がこんな想定で検討を始める。結果、「いやいややっぱりリアルだろ」の声を払拭することは難しい場面がまだ多いのではないだろうか。
当社(株式会社MATRIX)では、もちろん開発に着手した4年前にはこのようなメタバースも実験していた。
当時はこのようなCGメタバースで感動していた(メタバース空間内での自動音声翻訳によるコミュニケーションは今でもスゴいけれど^^)。
ただ、CGの世界観ではリアリティが無く、そこが「現実世界と並行して存在するもうひとつの世界」というところまでは行かないと思った。
そこで実写版に注力した。2年ほど前に音楽スタジオからライブ配信をした時の画像がこんな感じ。
実写版とCGでのメタバースは、一瞬でその世界観が異なる。全くの別物だ。
そこで、教育界の話に戻ろう。リアルな学校教育現場とは、上の画像のようにCGで作られた環境とは全く異なる。周りに生徒がいて、前に先生がいて、みんながザワザワと話し始めたり、ワッと悲鳴が挙がったり、笑い声がしたり、そんな雰囲気こそが教室という「空間」。それが無くては、教室なのかどうか。実写版メタバース【どこでもドア】であれば、360度カメラを教室の前の方の席に立てておくだけで、教室に来れない生徒は自宅などから参加することで、そのカメラの場所で授業を受けることができる。実際にはその場所に生徒自身はいないので、例えばいじめなどで辛い思いをしている生徒も心理的に非常に軽い状態で授業に参加できるのではないだろうか。
実写版メタバースが浸透し、VRゴーグルがもっと普及し、日常生活の中で誰もが普通にVRゴーグルを利用する生活スタイルが始まると、もはや「リアルかバーチャルか」という議論は不要になる。ケースバイケースで選べば良いだけで、選択肢が増えることになるだけだ。そんな日が来ることを心から願いつつ、今できること(体験して知ってもらう)ことを愚直に続けていきたい。
告知
株式会社MATRIXでは実写版メタバースのプラットフォーム【どこでもドア】に続いて、現在、【Gaussian Splatting】という技術を活用した3D生成事業に注力しています。【どこでもドア】と【Gaussian Splatting】の両事業をまとめた資料がこちらです。