Selection of Classical Masterpieces Ⅴ クラシック名曲選 5

00:00 ドヴォルザーク:チェコ組曲 ニ長調, 作品 39
24:37 ヤナーチェク:シンフォニエッタ
48:31 ドビュッシー:前奏曲集 第1巻
01:29:25 アレクサンドル・ボロディン:弦楽四重奏曲第1番 イ長調
02:03:39 リスト:巡礼の年 第2年「イタリア」 S.161
03:00:27 エンリケ・グラナドス:12のスペイン舞曲 スペイン舞曲集 作品37

再生時間 3h 56'' 08'

ドヴォルザークの「チェコ組曲 ニ長調, 作品 39」は、チェコの民俗音楽の要素を取り入れた、ドヴォルザークの独自の音楽スタイルを表現する作品です。この組曲は1879年に作曲され、同年の5月にプラハで初演されました。

### 組曲の構成
「チェコ組曲」は、5つの楽章から成り立っており、それぞれの楽章が異なる民俗舞曲やチェコの自然風景を描いています。

1. **プレリュード(パストラル)** - 穏やかな田園風景を思わせる楽章で、チェコの田舎の風景が描かれています。主要テーマはシンプルで牧歌的な旋律です。

2. **ポルカ** - 明るく活気のあるポルカのリズムが特徴の楽章で、チェコの舞踏音楽を象徴しています。この楽章は非常にダンサブルで、伝統的なチェコのポルカを彷彿とさせます。

3. **ソスナ(フリアント)** - フリアントと呼ばれるチェコの舞曲形式が用いられています。この楽章はリズミカルで急速なテンポが特徴です。

4. **ロマンス** - 感傷的で美しい旋律が展開される、落ち着いた楽章です。この楽章はチェコの歌謡風のメロディーが印象的です。

5. **フィナーレ(フリアント)** - 組曲を締めくくるフィナーレは、再びフリアント形式で、活気に満ちたエネルギッシュな楽章です。

レオシュ・ヤナーチェクの「シンフォニエッタ」は、チェコの作曲家ヤナーチェクによって1926年に作曲された管弦楽作品で、彼の最も有名な作品の一つです。この作品は、独特な音響と大胆なオーケストレーションを特徴とし、ヤナーチェクの後期スタイルを代表するものとして知られています。

### 楽曲の構成
「シンフォニエッタ」は5つの楽章から構成されており、全体で約20分から25分の演奏時間があります。各楽章は、ヤナーチェクがチェコスロバキアの様々な風景や都市を描いたもので、特にブルノやプラハの都市景観が反映されています。

1. **ファンファーレ** - 13本のトランペットによる力強いファンファーレで始まります。この印象的な導入部は、曲全体にわたって何度か再現されます。

2. **城** - プラハ城をイメージした穏やかな楽章で、厳かで荘重な雰囲気が漂います。

3. **修道院の女たち** - 静かで内省的な楽章。チェコの教会や修道院の静けさと神聖さが表現されています。

4. **街の広場** - 活気ある都市の広場を描いた楽章で、陽気で生き生きとした旋律が特徴です。

5. **ファンファーレ** - 第1楽章の主題が再び登場し、壮大なフィナーレを形成します。全曲を通じて一貫した統一感が保たれています。

クロード・ドビュッシーの「前奏曲集 第1巻」(Préludes, Book 1)は、1909年から1910年にかけて作曲された12曲からなるピアノ独奏のための作品集です。この前奏曲集は、ドビュッシーの印象主義的な作風を象徴する作品であり、彼のピアノ音楽の中でも特に重要な位置を占めています。

1. **デルフィの舞姫たち(Danseuses de Delphes)**
静かな神秘的な雰囲気を持つ曲で、古代ギリシャのデルフィ神殿での踊り子たちを描写しています。

2. **帆(Voiles)**
静かで流れるような旋律が特徴的で、海の風景や帆船のイメージが浮かびます。この曲は、印象主義的な曖昧さと音の色彩を象徴しています。

3. **野を渡る風(Le vent dans la plaine)**
速いテンポと激しいリズムが風の勢いを表現している、短くて力強い曲です。

4. **音と香りは夕暮れの大気に漂う(Les sons et les parfums tournent dans l'air du soir)**
シャルル・ボードレールの詩『悪の華』からインスピレーションを得た曲で、詩的で感傷的な雰囲気が漂います。

5. **アナカプリの丘(Les collines d'Anacapri)**
イタリアのカプリ島の丘を描いた曲で、陽気で明るいメロディーが特徴です。

6. **雪の上の足跡(Des pas sur la neige)**
孤独感と静けさが支配する曲で、雪に覆われた景色を歩く足跡を描写しています。

7. **西風の見たもの(Ce qu'a vu le vent d'Ouest)**
力強く、劇的な音楽で、西風が荒れ狂う情景を表現しています。

8. **亜麻色の髪の乙女(La fille aux cheveux de lin)**
柔らかく、穏やかな旋律が特徴の曲で、自然の中での静かなひと時を表現しています。

9. **とだえたセレナード(La sérénade interrompue)**
スペイン風の色彩を持つ曲で、突然の中断や変化に富んだメロディーが特徴です。

10. **沈める寺(La cathédrale engloutie)**
伝説に基づいた曲で、海に沈んだ寺院が再び現れる様子を描いています。深く荘厳な響きが特徴です。

11. **パックの踊り(La danse de Puck)**
シェイクスピアの『夏の夜の夢』に登場する妖精パックを描写した、軽快で遊び心あふれる曲です。

12. **ミンストレルズ(Minstrels)**
アメリカ南部の黒人音楽に影響を受けた曲で、リズミカルでユーモラスな要素が見られます。

アレクサンドル・ボロディンの「弦楽四重奏曲第1番 イ長調」は、1874年に完成された作品で、ボロディンの室内楽作品の中でも特に重要な位置を占めています。この作品は、ロシアの国民楽派として知られる「五人組」の一員であったボロディンの独自の音楽スタイルと、彼の個性的なメロディーメーカーとしての才能を示しています。

### 楽曲の構成

1. **モデラート - アレグロ**
静かな導入から始まり、次第に活気に満ちたアレグロの部分へと進行します。この楽章は、典型的なソナタ形式を持ち、ロシアの民族的な要素が微妙に織り込まれています。

2. **アンダンテ・コン・モート**
この楽章は、穏やかな旋律が特徴で、感情豊かなメロディーが印象的です。ロマンティックな要素が強く、深い抒情性が表現されています。

3. **スケルツォ:ヴィヴァーチェ**
軽快でリズミカルな楽章で、活発なリズムと明るいメロディーが特徴です。ボロディンのユーモアと独特のリズム感が表現されています。

4. **フィナーレ:アンダンテ - アレグロ・ヴィヴァーチェ**
静かなアンダンテで始まり、次第に速度を増して活気に満ちたフィナーレに至ります。この楽章では、ボロディンの作曲技法が最も効果的に活かされ、全体を締めくくるにふさわしい壮大なフィナーレとなっています。

フランツ・リストの「巡礼の年 第2年『イタリア』」(Années de pèlerinage, Deuxième Année: Italie, S.161)は、リストが作曲したピアノ独奏曲集で、「巡礼の年」全体の中で特に重要な位置を占めています。この作品は、リストがイタリアでの旅の経験や芸術的影響を反映して書かれたもので、彼の感性や芸術性が豊かに表現されています。

### 各作品の概要

1. **婚礼(Sposalizio)**
ラファエロの絵画『聖母の結婚』からインスピレーションを得た作品で、穏やかで抒情的な旋律が特徴です。結婚式の神聖な雰囲気と喜びが表現されています。

2. **ペトラルカのソネット第47番(Sonetto 47 del Petrarca)**
イタリアの詩人ペトラルカのソネットに基づく作品で、情熱的でロマンティックな音楽が特徴です。リストはこの詩の感情を音楽で巧みに表現しています。

3. **ペトラルカのソネット第104番(Sonetto 104 del Petrarca)**
同じくペトラルカのソネットに基づいていますが、より内省的で感傷的な雰囲気が漂います。美しい旋律が印象的です。

4. **ペトラルカのソネット第123番(Sonetto 123 del Petrarca)**
3つのソネットの中で最もドラマティックで感情豊かな作品です。リストの高度なピアニズムが要求されます。

5. **ダンテを読んで(Après une lecture du Dante: Fantasia quasi Sonata)**
ダンテの『神曲』に基づく作品で、地獄と浄罪の描写が音楽的に表現されています。リストの代表的なピアノ作品の一つであり、その劇的な構成と技術的な難易度で知られています。

6. **カンツォーネ(Canzonetta del Salvator Rosa)**
イタリアの作曲家サルヴァトーレ・ローザのカンツォーネに基づく軽快な作品で、リズミカルで明るいメロディーが特徴です。

7. **補遺:カンツォーネ(S.162, 3)(Venezia e Napoli - Supplement aux Années de pèlerinage, deuxième année)**
この補遺には3つの作品が含まれており、ヴェネツィアとナポリの風景や音楽にインスピレーションを得ています。特に「タランテラ」は、技術的に非常に難しく、リストの超絶技巧を要求する作品です。

エンリケ・グラナドスの「12のスペイン舞曲」(Danzas Españolas, Op. 37)は、1890年から1895年にかけて作曲された、ピアノ独奏のための作品集です。この作品集は、グラナドスがスペインの民族舞曲や音楽の伝統に深く根ざした作品であり、彼の作曲家としての名声を確立する上で重要な役割を果たしました。

### 作品の構成

1. **第1曲:ミニョーナ(Minueto)**
2. **第2曲:オリエンタル(Oriental)**
3. **第3曲:ファンダンゴ(Fandango)**
4. **第4曲:ビリャネスカ(Villanesca)**
5. **第5曲:アンダルーサ(Andaluza)**
最も有名な作品の一つで、アンダルシア地方の情熱的で感傷的な旋律が特徴。後に「プレリュード」として編曲されることもあります。
6. **第6曲:ホタ(Jota)**
7. **第7曲:バレンシアーナ(Valenciana)**
8. **第8曲:サルダーナ(Sardana)**
9. **第9曲:ロマンティカ(Romántica)**
10. **第10曲:メロディカ(Melódica)**
11. **第11曲:サンブラ(Zambra)**
12. **第12曲:アラベスカ(Arabesca)**

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