チャイコフスキー:交響曲第2番 ハ短調 作品17 「小ロシア」(Tchaikovsky:Symphony No.2 in C minor, Op.17 "Little Russian")

「チャイコフスキー:交響曲第2番 ハ短調 作品17 「小ロシア」」は、ロシアの作曲家ピョートル・チャイコフスキーが作曲した交響曲です。この交響曲は、1872年に作曲され、1873年に初演されました。

「小ロシア」という題名は、ウクライナの民謡に基づいていることから付けられました。チャイコフスキーはウクライナの民謡に強い関心を持っており、この交響曲でもウクライナの民謡の要素が取り入れられています。

交響曲第2番は、全4楽章からなる伝統的な構成を持っています。第1楽章は荘厳で壮大な序奏を持ち、第2楽章ではウクライナの民謡が活用されており、第3楽章では明るく陽気な雰囲気が感じられます。最後の第4楽章は、熱狂的なフィナーレとなっています。

「小ロシア」は、チャイコフスキーの交響曲の中でもあまり知られていない作品ですが、ウクライナの民謡から受けた影響や、壮大な音楽表現が特徴的であり、彼の早期の作品の中でも重要な位置を占めています。

From Wikipedia, the free encyclopedia
The Symphony No. 2 in C minor, Op. 17 by Pyotr Ilyich Tchaikovsky was composed in 1872. One of Tchaikovsky's joyful compositions, it was successful right from its premiere and also won the favor of the group of nationalistic Russian composers known as "The Five", led by Mily Balakirev. Because Tchaikovsky used three Ukrainian folk songs to great effect in this symphony, it was nicknamed the "Little Russian" (Russian: Малороссийская, Malorossiyskaya) by Nikolay Kashkin, a friend of the composer as well as a well-known musical critic in Moscow. Ukraine was at that time frequently called "Little Russia". In April 2022, a reader of The Guardian proposed, in a letter to the editor, that the sub-title "Little Russian" should be replaced with "Ukrainian" to clarify the musical inspiration for this work.
Despite its initial success, Tchaikovsky was not satisfied with the symphony. He revised the work extensively in 1879–80, substantially rewriting the opening movement and shortening the finale. This revision is the version of the symphony usually performed today, although there have also been supporters of the original version. Among those advocates was the composer's friend and former student, Sergei Taneyev, who was himself a noted composer and pedagogue.

00:00 I. Andante sostenuto - Allegro vivo
12:02 II. Andantino marziale, quasi moderato
17:49 III. Scherzo and Trio: Allegro molto vivace
22:53 IV. Finale: Moderato assai - Allegro vivo

セルジュ・チェリビダッケ指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1948年録音
Sergiu Celibidache
the Berlin Philharmonic Orchestra Recorded
on 1948

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

交響曲第2番 ハ短調作品17は、ピョートル・チャイコフスキーが1872年に作曲した交響曲。愛称は『小ロシア』。チャイコフスキーの作品の中では非常に陽気な楽曲の一つで、初演後ただちに成功を収めただけでなく、ミリイ・バラキレフ率いる「ロシア五人組」からも好評を勝ち得た。しかし、それから8年後にチャイコフスキーは大幅な改訂を施し、第1楽章をほぼ完全に書き換えるとともに、残る3楽章にも多くの変更を加えた。

チャイコフスキーは3つのウクライナ民謡を本作に用いて、非常な効果を挙げている。このために、当時のモスクワの著名な音楽評論家ニコライ・カシュキンから、「小ロシア」という愛称を進呈されることとなった。

作曲
1872年の6月から11月にかけて作曲されたが、ほとんどは夏の休暇に、チャイコフスキーが(カメンカこと)ウクライナのカムヤンカに妹アレクサンドラ・ダヴィドヴァを訪ねた折に書き上げられた。8月に急いでモスクワに戻ると、チャイコフスキーはモスクワ音楽院での日課(教職)や音楽評論家としての活動をこなしつつ、熱心に本作に取り組んだ。弟モデストの手紙にすぐ返信できなかったことを詫びてチャイコフスキーは、「(交響曲に)夢中になってしまったので、他のことに取り掛かれる状況ではなかったんだよ。(コンドラチェフ曰く)この『天才の仕事』は完成間近だ。(略)形式の完成度に関しては、自分の最高の作品だと思う。」2週間後にチャイコフスキーは大急ぎで交響曲を仕上げ、さらに1週間後に完成させた。

楽器編成
ピッコロ1、フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、トランペット2、トロンボーン3、チューバ1、ティンパニ、シンバル、バスドラム、タムタム(終楽章のみ)、弦楽五部。

楽曲構成
演奏時間はチャイコフスキーの交響曲では最も短く、約35分である。

第1楽章 Andante sostenuto - Allegro vivo - Molto meno mosso
アンダンテ・ソステヌート ハ短調 4/4拍子 - アレグロ・ヴィーヴォ ハ短調 2/2拍子、序奏付きソナタ形式
ホルン独奏がウクライナ民謡「母なるヴォルガの畔で」("Вниз по матушке, по Волге")のヴァリアンテを奏でて、楽章の雰囲気を規定する。チャイコフスキーはこの旋律を展開部にも再導入し、ホルンは楽章の終結部において今一度その節回しを歌い上げる。どちらかというと勇壮な第2主題は、リムスキー=コルサコフが演奏会用序曲『ロシアの復活祭』で用いた旋律を利用している。呈示部は、主題の近親調の変ホ長調で締め括られ、そのまま展開部になだれ込む。展開部では2つの主題が聞こえる。長い保続音によって第2主題に引き戻される。異例なことにチャイコフスキーは、展開部において第1主題を完全な形で繰り返すことをしておらず、その代わりにコーダに第1主題を持ち込んでいる。

第2楽章 Andantino marziale, quasi moderato
アンダンティーノ・マルツィアーレ、クヮジ・モデラート 変ホ長調 4/4拍子、三部形式
元来はオペラ『ウンディーネ』の結婚行進曲として作曲された。中間部に民謡「回れ私の糸車」("Пряди, моя пряха")を引用している。
なお、後に『ハムレット』の劇付随音楽にも流用されている。

第3楽章 Scherzo. Allegro molto vivace - L'istesso tempo
スケルツォ:アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ ハ短調 3/8拍子 - トリオ 2/8拍子、三部形式
ダ・カーポ形式のスケルツォで、トリオ(中間部)とコーダを伴っている。速足で慌ただしいこの楽章は、本当の民謡を引用してはいないが、全般的な性格において民謡風に響く。

第4楽章 Finale. Moderato assai - Allegro vivo - Presto
フィナーレ:モデラート・アッサイ - アレグロ・ヴィーヴォ ハ長調 2/4拍子、ロンド・ソナタ形式
短いが悠々としたファンファーレの後に民謡「鶴」("Журавель")が引用され、これが第1主題となり、手の込んだ色とりどりの変奏へ進行し、クライマックスを築いてゆく。第2主題は変イ長調でヴァイオリンで提示される。コデッタでは第1主題が再びクライマックスを築く。展開部は弱音でオーボエが第1主題の変形を奏して始まり、フルートとヴァイオリンに第2主題が出ると、両主題が絡み合いながら発展する。第1主題が徐々に支配的になってくると、そのまま再現部へと移行する。第1主題が展開的に再現されると、すぐに第2主題、コデッタも続く。最後はプレストのコーダで大きくクライマックスを築いて締めくくられる。

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