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地獄のコンビニ奴隷・オーナーたちの口コミ
令和2年公取委調査より抜粋し自分の感想を付けたしました。(回答したオーナー約8500名に対するアンケート)
契約期間と違約金の問題
チェーンからの脱退に要する金銭に関する意見
・ 具体的にいくら払えば辞められるか分からない/説明されたことがない/具体的な事例で明文化して欲しい/ケース別の解約金が分からない
・ 本当に取るのか取らないのか不明確。本部の意向に沿わない場合,取ることもあるらしい
・ 契約書に基づいて計算するととても払えない金額となり辞めたくても辞められない
・ 長期契約で途中解約時に多額の違約金が必要なのは不安要素である
・ 払えないので契約満了まで無理するしかない
・ ある程度の契約期間が過ぎれば違約金の免除を検討して欲しい
・ 30年以上も加盟しているので,中途解約等の解約金は免除して欲しい
・ ある程度の違約金は必要だが,辞める理由などを考慮して支払の判断をすべき
・ ATM 撤去代など高額なものは本部負担にしてほしい
・ 毎月の店舗利益の3~5 か月分程度が妥当
・ 3 号店オープンの 3 か月後に妻が病気になり,本部に閉店の申入れをした結果,違約金は発生しなかった
・ 2 店舗のうち1店舗を閉店した際に違約金は取られなかった
・ ケースバイケースであるが合意解約として進めることがほとんどで解約金は発生しないのが実態
・ 本部の責任(出店ミス,ドミナントにより閉店を余儀なくされた等)による脱退には相応の賠償額が支払われるべき
・ 契約解除に値する重大な違反が発生し,それ相応の猶予期間を置いても改善されない場合のみペナルティを科すべき
契約期間10年以上が多く、6割から7割のオーナーが長すぎると感じています。
やめたくても解約金を準備できず、途中解約できないオーナーが存在しています。
オーナーの個人資産
コンビニエンスストアでは個人オーナーが非常に多いことを踏まえ,経営状況を知 るために,令和2年1月1日現在におけるオーナー(個人事業主又は法人の代表者)の 個人(世帯)資産額(預貯金・不動産等)21を尋ねたところ,500万円未満の割合が 60.8%22となった。 なお,債務超過状態の者には加盟して間もない者が含まれている点に留意する必要 がある。
個人(世帯)資産額について加盟年数別に分けて集計したところ,加盟年数が長いほ ど総資産額が多くなるという傾向にはあるが,15年超の加盟年数でみたとしても,約 半数は資産額が500万円未満という回答であった。
ということで労働時間を考えると、約半数の資産がこの程度では割に合わないと思われます。普通に会社で雇われていたほうが資産がもっと増えたでしょう。
悪質な本部のリクルート担当者
契約を急かされた例
・現場を午前中に見せてもらい,今決めないと午後から見に来る人に決まってしまうかもしれないと急かされた
・説明会に行った後,ある日突然本部から電話があり,「良い店舗があるからやらないか」と言われ,場所も分からないのに「明日までに返事を下さい」と言われた
・説明会に参加後すぐに契約の流れだった
・店舗候補物件の紹介があってから1週間以内に返事をということであったが,そのような期間では十分な検討もできず短かすぎると思った
・前職を辞める時期を早めさせられた/妻の仕事を早く辞めさせるよう急かされた
・予定店舗の開店日が決まっているので,早くしないと間に合わないと言われた/年度内の出店数が決まっており,期間が非常にタイトだった/本部の決算期近くで,明らかに急いでいた/繁忙期までに開店したいという意向で急かされた
・本部の出店ノルマがあるため,締日の月末までに決めなくてはならなかった
・用地の一部が借地で他の事業者に貸す可能性があり,地主さんに配慮し(契約を)急ぐよう促された
・開店後分かったのだが,店舗は作ったもののオーナーのなり手がなく,開店が延期されていた物件だった。本部の担当者は急いでいる様子だった
・取りあえずサインと印鑑を押してください,細かいことは後で,と言われた
・オーナー交代のため,前オーナーの契約終了のタイミングに間に合わせたい様子であった
・しつこく粘られた/頻繁に電話,家庭訪問があった/本部の人が複数人で訪問してきた
・複数店経営を検討したときに,開店日が決まっているからということで2,3日での返答を求められた(○日までに決めないと次の候補に声をかけるから,というのが普通)
本部のリクルート担当者(店舗開発や加盟者の募集を担当する者のこと)から契約を急がされたことがあるオーナーが27.3%います。ノルマのため、考える時間を与えずこうやって無知なオーナーに他の人がやりたがらない条件の悪い場所を押し付けている、悪質な本部の担当者がいるということです。
商品供給に対する不満
具体例(商品供給に関する説明に対する不満)
■原価関係
・スケールメリットにより仕入金額が安いという話だったが,実際は量販店の売価より仕入れ値が高い 商品がある
・あるブランドの飲料を世界一販売しているため原価が安いと言われたがそんなことはなかった
・本部推奨のとても高い原価のカップ麺やお菓子や飲料を仕入れさせられる ■配送時間
・最終便近くで設定されピーク時に商品が間に合わず機会ロスが生じている。改善を求めても直らない
・加盟当初の供給条件は 1 日 3 回だったが,年数を重ねるごとに事前協議なく供給回数が減った
・配送時間が頻繁に変わったり遅れたりするので人繰りが追い付かない
■その他
・商品供給に関する具体的で詳しい説明はなかった,もっと詳細な説明が欲しかった
・ルール変更が多い。最低発注数が当初 1 個だった商品が 3 個からしか注文できなくなる
加盟後の経営指導に対する不満
具体例(経営指導の内容・方法・回数及び費用に関する説明に対する不満) ■経営指導の内容
・本部の連絡事項を伝えるだけ,担当ごとにスキルが違い,知識・経験・説明不足
・店舗の立地特性に沿った提案,利益向上のためのアドバイスがない
・本部の売りたい商品を押し付ける,本部の目標とする発注数を入れさせる ・本部指導員の成績に関わる商品仕入数量の話ばかりで資金繰りなど経営的な交渉や相談はできない
・本部は在庫金額にこだわり,過剰に在庫を持たせようとする
・本部の支援体制があると聞いていたが,実際はない
・本部の指導が全く経営指導になっておらず赤字続きだった
・収益が悪ければ深夜勤務に入り休まず働き人件費を削減して生活するよう指導された
・本部の指示どおりに発注しないなら辞めろと言われたことがある
・小売の素人を勧誘しオーナーにしているにも関わらず,本部側の知識も素人
■回数・方法
・本部担当者が週2回訪店すると聞いていたが実際は 1 回しか来ない
・本部の担当の巡回頻度は週 1 回かそれ以下で,しかも 1 時間程度,あとは現場任せ
・担当指導員が段々と店に来なくなり時々電話が来るくらいになった
・担当指導員が半年から 1 年で交代となり,安定した指導を受けられない状況
本部は,加盟店舗の経営指導・支援を行うため,「オペレーション・フィールド・カウンセラー」,「ストアアドバイザー」,「スーパーバイザー」等と称される指導員を加盟店に週1回から2回程度訪問させており,1万店以上の店舗を有するチェーンでは,指導員1人当たり7,8店舗ほどを担当しているとされています。しかし質の悪い指導員が多いようです。
初期費用に対する不満
具体例(加盟金(開店準備金等)に関する説明に対する不満)
・150万円あればできるという説明だったが,実際は800万円ぐらい借金した
・机などの備品や消耗品に関する事前説明がなく開店前に100万円で購入され負債となることを後で 知った
・防犯カメラ100万円,釣銭40万円,その他備品,保険,保守契約等合計200万円以上は別途掛 かった
・募集要項で提示している金額よりも実際に用意する金額がかなり多い。募集説明会などでの説明はな く,後戻りできない状況で追加分を請求される ・加盟金以外に準備する費用の説明がなかった
・加盟金の説明は受けたが,消耗品・会計士代・酒のライセンス費用・営業登録費などの費用が持ち出 しとなる説明がなかった
・オープンセールの値引き,景品がオーナー負担となる説明は契約前になかった,オープンの際の販促 費用として約30万円の支出があった
・2号店出店の際に開店準備金(研修費)が不要と説明を受けたが,契約が進むと必要だと言われた
・契約期間満了ではないが契約中に65歳となり,名義変更で再契約,再び開店準備金を支払った
このように事前の説明より高額な初期費用がかかるため注意が必要です。契約後、後戻りできなくなってから追加されるので悪質だと思います。
ロイヤリティに対する不満
具体例(ロイヤルティに関する説明に対する不満)
・契約書上,物価変動時にロイヤルティの見直しをするとあるのに,インセンティブの見直ししかない
・24時間営業でない場合はロイヤルティが3%高くなるという説明はなかった
・チャージ比率に段階があり,売上げが伸びるとロイヤルティが増え,オーナーの取り分が減るとは知 らなかった
・品減りや廃棄は一切考慮せずにロイヤルティが決まるという説明は一切なかった
・複雑でよく分からず,数年経って内容が理解できるようになった
・ロイヤルティに関しては度々契約変更され,売上げが高くなるほど店主利益が出にくい契約になって いく
廃棄弁当などの負担
具体例(廃棄ロス・棚卸ロスの取扱いに関する説明に対する不満)
・正確な発注をすれば廃棄ロスはほぼ無いし,店舗運営をマニュアルどおりに行っていれば棚卸ロスは 無いと言われたが,実際に店舗運営を始めると,本部からは廃棄の出ない発注はそもそも商品が足り ていない,日に1万5000円ぐらいの廃棄は廃棄予算として考えてくださいと指導を受けた。棚卸 ロスも平均3~4万円は出るのが普通ですと言われた
・廃棄ロスや品減りが店側の全額負担だということはよく説明せず,とにかくたくさん仕入れて売れば 売るほど儲かると,発注量増加の重要性について重点的に説明された
・廃棄などあまり出ないと説明を受けたが,実際は2倍3倍と廃棄などが出た
・毎日や月間の廃棄予測額をかなり少なく見積もった上での説明を受けた ・契約前には廃棄ロス等について詳しい説明はなく,契約後に売上の 2%,原価で 30 万円以上の廃棄ロ スを出すよう指示された
・本部社員がごり押しで入れた商品が売れずに廃棄になった場合でも店で廃棄負担
・契約前,オープン 1 年目の廃棄ロスは半額補助と聞いていたが,契約締結後 1 割しかみられないと言 われた
・棚卸ロスの説明は受けなかった
・棚卸しは不正確なことが多く,正確な数字を確認することができず,受け入れるしかなかった
・「経営していけば分かりますから」で済まされた
廃棄商品を減らすために期限が切れる直前の商品を値下げして売ることを「見切り販売」といいますが、このやり方はオーナーの損失は少なくなりますが本部の利益が減ります。そういうわけで見切り販売をやらないように本部は様々な圧力をかけるようです。しかし2014年に「見切り販売の妨害は違法」とする判例が出ていますので露骨な指導はできないようです。
経営不振、本部からの支援なしの不満
具体例(損失補償の有無・経営不振時の支援等に関する説明に対する不満) ・何の支援もなかった,融資の申込みをしたが断られた
・契約前は売上げが落ちたら店舗移転すると言っていたのに移転の話はない ・最低保証の適用基準が高過ぎる,補償は廃業寸前といった売上げの低い店が対象であるため,ほとん どの店は基準に該当せず苦しい生活状況に追い込まれる
・最低保証があるので生活に困らないと聞いたが,自己資本割れすることがあり,その都度銀行から借 入れをしている
・本部の補填を入れてもらうために,月の労働時間を決められたり,月の廃棄額をいくら出さなければ ならないとか,発注数を勝手に決められたりした
・手厚い支援があると言っていたが,実際には補填はほとんどない
・売上げ不振時の対応が全くなかった。頑張ってくださいと言われただけだった
・販売支援制度の適用基準が遵守されていない
・オープン後に「最低保証にかかるような店は閉めてもらいます」と言われた
ドミナント戦略に対しての不満
具体例(周辺地域における追加出店に関する説明に対する不満)
・500m 以内に出店しないと口頭で説明されたが,300m の場所に出店された
・加盟前は「周辺には出店しない」と説明されていた
・本部の募集担当者から「ドミナント出店により売上げは下がらないし,下がっても支援は欠かさない (結局,支援は何も受けられなかった)」などと説明された
・「影響のない範囲」との契約であったがそれぞれ200m と50m の商圏内で著しく影響があった
・100m 圏内に同一チェーンの店舗が 2 店舗も開店するとは加盟前には夢にも思っていなかった
・500m 商圏だと聞かされていたが,200m 内に同じチェーンが出店した
・目の前に同一チェーン別ブランドの直営店が出店。事前説明はあったが当方に選択権はない
・ドミナント出店を近隣店が反対しても契約が決まってから説明に来るので厳しい
・近隣出店の際,2店舗目どうかと聞かれ,断ると別の人で開店。同じ指導員が担当で自店の状況丸分 かり
・4年前自店より700m のところで同一チェーンができた。私は反対し,指導員は5%しか売上げは 下がらないと言ったが,実際当店の売上げは30%下がった
・本部は数か月前から出店計画を知っているのに,店舗には開店2週間前に知らされ,急にお金や人を 手配することになった
・ドミナント出店情報の開示がオープン1か月前と遅い,話合いにもならない
・意見をしたが出店を強行され,それに伴い売上げが落ちたが,それに対するマネジメントもなかった
ドミナント戦略は、チェーンストアが一定のエリアに集中して出店する作戦。自社のブランドで地域を支配する戦略です。
当然同じチェーン同士で客を食い合いつぶしあいになります。
非常に冷酷なやりかたです。
本部だけは売り上げと利益が増大します。
予想売上げ又は予想収益の額に関する虚偽説明
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また,「加盟前に受けた説明よりも実際の状況の方が悪かった」と回答した者に,加 盟前に本部から受けた説明と実際の状況との間に差異が生じた原因を尋ねたところ, 「来店客数が過大に見積もられていたため」が63.3%で最も高く,「人件費が過少 に見積もられていたため」,「廃棄ロス,棚卸ロス等が過少に見積もられていたため34」 がこれに続いた。
契約前に本部から虚偽の説明があったということでやはり悪質です。
その他の回答例
・「日販50万円は余裕です」との説明に何の根拠も示されていなかった ・社会保険関連費用など加盟後にオーナーが負担する経費について全く説明が無かった
・道路開通予定が虚偽の内容だった
・利益計算の例が A タイプ(土地建物自己物件)で説明されており,本部へのチャージ支払額が少なく 相当額の利益が出る計算式になっていた
・取りあえず良いようにしか事前説明しない
・酒免許,タバコ免許があると言っていたのに無かった
・駐車場が加盟前に受けた説明の半分だった
・チャージの低い店舗の成功例ばかり聞かされた
・近くのチェーンが近々閉店すると言われたが,閉店しなかった
リクルート担当者は口頭でいい加減で調子のいいことをいいますが書類には残さず責任追及を逃れるようにしています。最初から信用してはいけません。詐欺レベルの話です。
まとめ
大手コンビニエンスストアチェーンの全ての加盟店(5万 7524店)を対象とした初めての大規模実態調査を行うこととしたものである。
この調査が出るまではこれほど大規模なコンビニの実態調査はなかったように思われます。
オーナーの座談会とか口コミや体験談は沢山ありました。
もちろんあまり良い話はありませんでした。
第三者の公的な調査によりアンケートとデータで改めてそういった話を裏付けるものになっています。
現代のフランチャイズシステムはすでに時代遅れです。
人口減少、少子高齢化による慢性的な人手不足、減少が続くコンビニ店舗数。
年々経営条件が悪くなっており脱サラの個人オーナーではきちんと利益を出して十分に豊かな財産を築くなど不可能です。
自分の土地と店舗を持っている法人オーナーならまだ勝負できるかもしれません。
しかし今のままでは、そのうちコンビニオーナーを希望する人間はいなくなってしまうでしょう。
そして問題を解決する切り札のようなものは今のところ、見えないのです。
参考資料
「コンビニエンスストア本部と加盟店 との取引等に関する実態調査報告書」
(令和2年9月)公正取引委員会