45歳の僕から20歳の僕への手紙

２０歳の僕へ。
オーディション合格おめでとうございます。
１年半かけてあなた方はお金をもらって劇場でネタをすることが出来る権利を勝ち取りました。
あ、オーディションに受かったばかりのあなたに教えるとテンションが下がるかも知れない事実をお伝えします。
噂では聞いていますね？
１回劇場でネタをするといくらもらえるかを。
噂が合っていました。
５００円です。
きっちり５００円です。
あなたが小学校５年生の時に親からもらっていた月のおこづかいと同額です。
ただ大人になってからもらうお金は子供の時にもらうおこづかいとは同じ５００円でも違います。
税金がかかります。
１割税金がかかります。
だから手元に入ってくるのは４５０円です。
銀行のATMは１０００円からではないと、引き落とせないので月に３回以上舞台に立たないとお金が下せないことを覚悟しておいて下さいね。
お金のことも含めてこれからあなたの人生は激変します。
今あなたに「プロフィールと銀行口座書いて」とぶっきらぼうにペラ１の紙を渡してきた女性はご存知ですね？
そう。あなた方のネタの合否を決めていた女性です。
この女性があなた方の初代のマネージャーになります。
プロフィールに大学名を書いてから「高学歴コンビ」として沢山の媒体に取材されます。
あ、もう１つテンションが下がることをお伝えします。
うすうすは気がつきながら取材を受けることになりますが、あなたは高学歴ではありません。
中学歴です。
４0代になった今では特に高学歴コンビと言われることはないことも自覚しておいてください。
あなたは中学歴低身長おじさんです。
ごめんなさい。
話をもとに戻します。
これから数々の取材を受けます。
ただ聞かれることは１つです。
「なぜ良い大学に入ったのに芸人の道を選んだのか？」