ロザンが『2人で』好きなことで生きていくための作戦

オーディションに合格してから。
ここからは勝負が変わった。
自分たちだけでの勝負ももちろん継続するべきだが相手がいる勝負に変わった。
劇場やテレビに出られる枠は決まっている。
いつまでも自分たちだけの勝負をしていてもしょうがない。
相手に勝たなければ劇場やテレビに出られるわけがない。
お笑いの学校に行っていなかった僕がとった行動。
自分たちの得意分野に落とし込む。
お笑いのことを全くわかっていない2人。
闇雲に立ち向かっても勝てないことは肌で感じていた。
オーディションを受ける為に1年半はかかった僕らとは違い、すぐに受かるコンビも沢山いた。
その人達と戦わなければならないからだ。　
しかもその上にはまだ戦う事も許されない強者がたくさん存在する。
山登りでいえばまだ現地に集合しただけだ。
なんとなくこんな服装でいいだろうと現地に集合しただけの2人。
周りを見渡せば自分たちは装備していないが山登りに必要であるものを持っていそうな人に囲まれていた。
必死で自分たちにとって有益なことを探した。
山登りに必要なものを偶然持っていないか探した。
そんな都合の良い話はなかった。
表面上は何一つない。
身体的に特徴がない2人。
周りのライバルに勝てそうなこと。
一つあった。