鼠色いろいろ~『四十八茶百鼠』
アメブロに2020年7月12日にあげた記事です。
1 ソーラーダンシングねずみ
今年はねずみ年ということで、100円ショップのダイソーにはこのようなかわいいおもちゃがありました。私は茶色のものを持っていて東南の方向に飾っています。
ソーラーダンシングねずみ
・田中利数商店さんのサイト
http://www.tanaka-t-s.co.jp/item/cat176/cat183/4972822331487%20.html
鼠色というと、↑の奥にいるねずみのような色を想像しますが、必要があって鼠色を調べていたところ、ものすごい種類の鼠色があることがわかりました。お茶関連で利休鼠は見聞きしたことがあるのですが、ものすごい数の鼠色があったことがわかります。
2 『四十八茶百鼠』
四十八や百は多色という意味で、実際はこの数を超える程の数の色があるそうです。江戸時代後期になり町人・商人たちに対して奢侈禁止令という贅沢は敵という法律が出され、その際に着物の素材は麻・綿、色は茶色・鼠色・藍色(納戸色)のみは×ということになったので、それでもおしゃれをするために、職人さんが試行錯誤して多くの色を生み出して今に至るというわけでした。鼠色の言葉は17世紀に発生した言葉のようです。
3 具体的な鼠色を整理してみる
全体的に、鼠色は黒+白で灰色よりもやや青みがかったものを言うそうです。
・一番イメージしやすい鼠色
濃い順に「消炭鼠」(けしずみねず/チャコールグレー)
「丼鼠」(どぶねず/スレートグレー)
「濃鼠」(こねず/ダークグレー)「素鼠」(すねず/グレー)
「銀鼠」(ぎんねず/シルバーグレー)
「白鼠」(しらねず/ペールグレー)
銀鼠のやや白っぽいものが「小町鼠」(こまちねず)
・赤色系統
「小豆鼠」(あずきねず)、「臙脂鼠」(えんじねず)、「猩々鼠」(しょうじょうねず)、「紅鼠」(べにねず)、「梅鼠」(うめねず)、「薄梅鼠」(うすうめねず)、「牡丹鼠」(ぼたんねず)、「葡萄鼠」(ぶどうねず)、「紅消鼠」(べにけしねず)、「暁鼠」(あかつきねず)、「日の出鼠」(ひのでねず)、「鴇鼠」(ときねず)、「桜鼠」(さくらねず)など。
・黄色系統
「山吹鼠」(やまぶきねず)、
「黄鼠」(きねず)、「玉子鼠」(たまごねず)、「島松鼠」(しままつねず)、「壁鼠」(かべねず)、「生壁鼠」(なまかべねず)など
・緑色系統
「利休鼠」(りきゅうねず)、「柳鼠」(やなぎねず)、「松葉鼠」(まつばねず)、「呉竹鼠」(くれたけねず)、「浮草鼠」(うきくさねず)など
・青色系統
「藍鼠」(あいねず)、「藍気鼠」(あいけねず)、「相生鼠」(あいおいねず)、「納戸鼠」(なんどねず)、「深川鼠」(ふかがわねず)、「淀鼠」(よどねず)、「浪花鼠」(なにわねず)、「鴨川鼠」(かもがわねず)、「軍勝鼠」(ぐんかつねず)、「水色鼠」(みずいろねず)、「空色鼠」(そらいろねず)、「湊鼠」(みなとねず)など
・紫色系統
「紫鼠」(むらさきねず)、「源氏鼠」(げんじねず)、、「藤鼠」(ふじねず)、「桔梗鼠」(ききょうねず)、「鳩羽鼠」(はとばねず)など
・茶色系統
「茶鼠」(ちゃねず)、「茶気鼠」(ちゃきねず)、「遠州鼠」(えんしゅうねず)など
おひらき
そして、このようなカルタを見つけてさっそく遊んでみましたが、結構手ごわいものでした。
四十八茶百鼠かるた
https://www.metaphase.co.jp/nenga2020/
四十八茶百鼠かるた|メタフェイズ2020年賀サイト
メタフェイズの年賀サイトです。2020年は粋な四十八茶百鼠のカラーを用いて「四十八茶百鼠かるた」を作成しました。四十八茶百鼠のデザインならメタフェイズへ。
リンク
www.metaphase.co.jp
色の世界は奥深いですね。
(参考文献)
福田邦夫『すぐわかる 日本の伝統色』東京美術
吉岡幸雄『日本の色辞典』紫紅社
『日本の色名-色の表示と解説-』京都市染織試験場
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