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月報 9月に読んだ本
9月前半はだいぶ夏バテしていて、じっとして本を読むのが気持ちよい日が多かったです。お盆過ぎるとなんかその夏を頑張る気力が尽きてしまう……。そして彼岸を過ぎ、夜の気温が下がってくると気力が回復してきて、新しいゲームを買ってみたりするのが毎年のパターンです。黒神話:悟空、面白いです。敵が強すぎて(というか自分が弱すぎて)全然進まないけど、画面の格好良さと世界観だけで無限に楽しいです。ところでずっとTVで音を聞いていて気付かなかったのですが、イヤホンを着けて聴いたら音楽もすごく格好良かった。未就園児の頃から「孫悟空」の絵本を愛読し、長じては岩波文庫の西遊記をコツコツと読んでいた日々が蘇ります。
さて、9月は本代を沢山使いました。子供が受験対策に小説を読ませて欲しいと口を滑らせたので、普段自分では選ばないジャンルのものを買い、自分でも読んだりしました。あとは「積読チャンネル」で紹介されていた本が面白そうすぎて手に取ってみたり、予約していた本がやっと読めたり。
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とはいえ、特筆すべきはやはり大好きな作家(お人柄も)藤井太洋の新刊『マン・カインド』早川書房でしょう。あの藤井太洋が新しい人類を語るんですよ~。必読! と思って単行本で買いました。短編の『公正的戦闘規範』と同じ世界観で、戦争の定義が現代から進化した近未来が舞台です。ミリタリーものとしても読めるしミステリ要素もあるしでエンタメなんだけど、藤井太洋っぽく純化されててとても満足……さすが藤井太洋……。この世界の見え方、長谷敏司の『プロトコル・オブ・ヒューマニティ』とも通じてるなと思うし、大好きなSF作家さんの描く未来が割と明るいことに喜びを感じる今日この頃です。
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『かわいいピンクの竜になる』(川野芽生)はSFマガジンの美容&ファッション特集で紹介されていて面白そうだったので手に取ってみました。表紙絵めちゃくちゃ可愛くないですか? なんとこのテンションの挿画がバンバン差し込まれていて、もちろん文章もぶっ刺さる。装うことと考えることが近接してるので、ロリータへの解像度が上がっただけじゃなく、自問自答が捗りました。中盤で開陳されるトールキン協会のイベント参加レポがこれまた最高なので、界隈の方は是非ご一読ください。髭ワークショップ見てみたい。自分とは違う発想がすごく良かったし、まだ全然かみ砕けないので、これはいつか手元に買って置いておきたいです。
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『学力喪失』今井むつみ/岩波新書/2024
「ゆる言語学ラジオ」に時々出演されている今井先生の新刊。実は今井先生のご本はいくつか読んだことがあって今までは面白どころが良くわからずふーんって感じだったのですが、ラジオで面白ポイントをいくつも教わって、やっと楽しめるようになりました。と同時に、どうすれば「わからない」と「わかる」の間を埋められるかの実践を学べて良かったです。空手の指導員として未就学児に接する機会も多いのですが、本当になにも知らない小さい人に体の動かし方を教えるの、難しいです。右と左も定かでないし、足を引く/出すもまだまだ理解不能。むしろ前後の区別も怪しい。でもそれは小さい人の生きる世界では当たり前の状況なので、こちらのチューニングを合わせていくしかないんですよね。でも、ただ合わせるだけじゃ相手の成長を促せないから、適切なレベルの刺激で新しいことを伝えていくのも必要。幼稚園/保育園~小学校の先生方お疲れさまです!と、いつも思います。
この本には小中学生ぐらいの学びについてもコミットされてて、そちらもとても実践的なのですが、ゲーム的要素を持たせた学びを通して具体的な世界と抽象化された世界を接続していこうという発想は、非電源ゲームも好きな自分には既知のものだったので。でも自分が世界のパターンを認識するとき、若い頃はひたすらにデータを集め(主に本から)、膨大な集めたものの中からぼんやりと何かを抽出する、という帰納一辺倒だったような気がします。ゲーム性というか、数個の整理されたパターンから次の手を読んでそれに該当するものを考えるという数学的というか演繹的な思考法は今でも意識的にやらないといけなくて、思考のコストも多いと感じます。それこそ電源ありのゲームに応用するのも、子どもに教わってやっと出来るようになってきたかな……。なので、小さいうちに適切なインストラクションを受けゲームを通して楽しく学習できてたら、もっと物理ができたかもな~と妄想します。そういえばTRPGが私より得意だった弟はガチ理系だった……。
(非電源ゲーム=ボードゲーム、カードゲーム、TRPGなど、電気がなくてもできるもの。)
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『物価とは何か』は、インフレ政策のところで止まってずっと積読にしていたのですが、ふっと読みたくなって通読。理解できたとは言えないけれど、最近の知見に触れられたし、ところどころになるほどな~と思うこともあって、面白い読み物でした。
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『ふつうの軽音部』はELLEGARDENが好きな子が出てくるので買いました(キリッ)。子供に刺さったらしく電書で自分も欲しいと申しております。
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10月はマーダーボットダイアリーシリーズの新刊ですよ! やったね!
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