【中国発】水上交通の要衝ー江蘇省・鎮江市ー
江蘇省は省都である南京付近の蘇州、無錫などの都市が著名ではありますが、その範囲は広く、北部連雲港や徐州などといった山東省との境の都市までにわたっています。
その中でもとりわけ長江付近の都市においては、長江を境として南北で雰囲気や人の気質も変わると言われています。
今回は長江の南側の都市・鎮江にある、かの水墨画の才として知られる雪舟も訪れたという金山をご案内します。
◎女性運転手・バックホー乗り/外国人旅行者の少なさ
鎮江は上海・蘇州から南京に行く途中にある都市です。
すべての高速鉄道は上海・蘇州・無錫(一部不停車あり)は停車しますが、途中にあるこの鎮江は、最も早い「G」で始まる電車は通過するものもちらほらあります。
金山公園までバスに乗れば10分ちょっと。
都会部を中心に多くののバスが2元になってしまったけど、鎮江市バスは未だに1元を続けてくれていたのは有難い限りです。
驚いたのは滞在している中、鎮江は半分くらいの確率で女性運転手のバスに乗ったことでした。カッコいい🌟
見た目の穏やかさとは別に力一杯荒い運転を心がけていて左右に身体が揺れまくるのも素敵でした
。
鎮江では肝っ玉母さんのような人がブルドーザーを運転しているのも時々見かけました。
中国では比較的こうした力仕事をしている女性は多いのですが、鎮江では特に多くの女性がこうした職にも就いていると感じました。
乗ったバスは金山公園まで直接行かないバスだったため、金山橋で降りて歩いていきます。
駅からここに至るまでまったく外国人の姿を見ていません。
穏やかで良い雰囲気なのですが、立ち寄りにくい場所がそうさせるのかもしれません。
◎金山と金山寺
鎮江駅の北西部、金山は高さ44メートルの低い山のことを指します。
はるか昔はひとつの島だったということですが、清代に陸続きになったとされ、その過程が気になるところです。
金山公園ではチケットが必要であり、50元を支払う。
公園だけで高い!と思ってしまうのが中国旅。
食事はまだ安くても、こうした公共物に入るときの入場料が以上に高いと毎度感じます。
見所は多いとはいえ強気の値段設定です。
中に入るとなんとも風光明媚で落ち着く場所が広がっていました。
夏の季節には蓮の花がたくさん咲き乱れ、歩く人々の気持ちを穏やかにさせます。そういえば町の中でであちこちで蓮の実を売っていたな…。
金山の麓には仏教寺院である「金山寺」が建てられています。
そもそもこの場所に「金山」という名前が付けられたのも、かつて唐時代この場所で修業をしていた僧が、この地で金を掘り当てたからということが由来になっているといいます。
金山公園はかなり広く、入り口の門から美しい景色が広がっていますが、中はかなり広く、ゆっくり歩くと2時間は必要だろうかと思われます。
金山寺へ向かってまっすぐ歩いてお堂へと向かいます。
寺院前では線香を焚いており、かぐわしい匂いがたちこめます。
4世紀、東晋時代に創建された金山寺。その歴史は深く、中世には水墨画の巨匠・雪舟も二度ほど訪れたと伝えられています。雪舟は、この寺で感じた静寂と自然の美しさも、数々の作品のイメージとして描き残したのでしょうか。
本堂を意味する大雄宝殿には大きな阿弥陀如来像も安置されています。
立派な本堂周辺には人も少なくて落ち着きます。
中国旅あるあるですが、チケットが高い反面と人が少なくゆっくり堪能できるというメリットを思い返します。
お寺の裏側に回ると長江になっています。
ここ自体は湖扱いということですが、橋を越えればもう長江になるそうです。
風景は実に気持ちいいものです。
入り口近くには中国第一の源泉という場所までの船も出ていました。天下第一泉は島のような場所に位置しており、唐代に茶の専門家であった陸羽らに天下でもっとも素晴らしい水だと言われたという逸話が残っているそうです。
中国国内の水の名所はいくつかあるが、 蘇州の虎丘が3、揚州の大明寺は5とあるなかでの天下第一というこの場所の水はどんなものなのだろうと、一度口にしたくなりました。
鎮江はそれほど規模が大きい都市ではありませんが、多くの見所、歴史の名所が残っています。また改めて鎮江の良さをご紹介できればと思います✴️それでは✴️