
【福島】山奥の秘湯さながらの道を越えて…ーいわき市・白鳥温泉ー
ただ身体を温めるだけでなく、地元の人に愛され受け継がれる、心の奥底まで温まる温泉を紹介します。
今回は福島県いわき市に位置し、市街地近くにもかかわらず、山奥の温泉のような落ち着いた雰囲気を見せる
白鳥温泉
をご紹介します。
◎市街地から裏側に回っていく

このあたりはいわき湯本温泉と呼ばれ、温泉地が形成されています。特急なら湯本駅で直接降りてもいいのですが、今回はいわきえきからレンタカーを借りて行きました。

白鳥温泉が入れる春木屋旅館に向かいます。
なかなか入り組んだ細道を進んでいくので、山奥の温泉に来たような錯覚を覚えます。

「ここかな…」と恐る恐る細い坂道を降りたところに旅館入口があります。店先には数台分の駐車場。

フロントから声をかけるとお掃除中だったようで奥から出てきてくださった。入湯料550円をお支払し、大浴場が奥であることを教えてもらう。
かけ流しでこのお値段で入ることができるのは本当に幸せ。いい湯いい酒福島を感じます。

白鳥温泉は別名「大作の湯」とも呼ばれ、大同二年頃に徳一大師によって発見されたとも、また文久二年頃に小次郎という人が発見したとも伝えられております。 湯本温泉の奥座敷として市街地から離れた静寂の地にあり、県内で最も早く梅の花が咲く白梅の里でもあります。
まさに「静寂の地」というフレーズが似合う場所です。
昭和ロマン漂う客室前を通り、浴場へと向かいます。

男女隣り合わせ。誰もいらっしゃらないようでした。

大浴場とはいえ、ひっそりとした感じの旅館にふさわしい広さであり、おそらく10人も入れば限度かなと感じるものでした。
幸いこの時は誰もいらっしゃらなかったので、ゆっくりと入ることができます。

◎芯から温まるかけ流し湯
美しい透明泉が迎えてくれます。
かけ流しかどうかは風呂場を見れば一目瞭然。こんこんと湧き出る湧出口と中から贅沢に湯があふれ出ているのは本物です。
湯につかったあとの肌のハリや温もりが加水ものとは断然に異なります。


中央に置かれている石から湧き出る温泉は、神の湯ともいうべき雰囲気がありました。
湯も硫黄泉であるものの嫌味をまったく感じないもので、香りだかい温泉の香りがしてとにかく温まります。
寒い福島の冬も、ここの温泉に入るだけで乗り越えられる元気が出るというものです。

この恵みをこの地の人々が守り続けているのでしょう。
「あー、いい場所だなぁ」
そうつぶやきながら、小一時間贅沢な思いをさせていただきました。
いわきの白鳥温泉。
町中の秘密の名湯、いかがですか。