
【中国発】夢惑う麗しの村①ー安徽省宏村ー
中国のツアーバスはご存知ですか。
もちろん日本からいくツアーではありません。中国では各地の町に旅行会社がツアーを格安で組んでおり、格安でその町の見所を効率よく回ることができます。
外国人も使え、海外からのツアーに比べると段違いに安く、また怪しい土産物屋などにも立ち寄るためとても楽しめます(笑)
ただ…もちろん現地語オンリーのため、「中国人の中国人向け中国語ツアー」なのです。
安徽省にある中国名峰のひとつ黄山を旅した後、その感動を胸に抱きながら、次の日、世界遺産「宏村・西逓」に行くツアーに潜入してみました。
効率よく回りながらも、よくわからない店屋に行ったり、ツアー客とともにごはんを食べたり、現地感満載のツアーでした。
今回はその現地ツアーでの安徽省の村「宏村」訪問の様子をご覧いただければと思います✨
◎ツアーは前日予約で送迎から
ツアーの予約は前日までに町の旅行会社で申し込みます。いろいろなところが看板を出していますが、中間マージンを取るなどするところがあるので気をつけなければいけません。
ツアーが決まったら申し込みお金を払うと「後でガイドから連絡がくる」と言われます。そのとおり、夜くらいになるとガイドから電話がかかってきて、朝何時にどこに集合かを伝えられます。
この場所がなかなかレベルが高く、変な道路上ではなかなか場所がわからず当日に困ることが多いです。
それを避けるためには、ホテルなどで予約を取ってもらう方が得策。ただし、安宿ならツアーも安く抑えられますが、高めのホテルだと少し高めの料金になりがちのため、注意は必要です。

ガイドの迎えが来たらその車に乗ってバス乗場へと行きます(だいたいマイクロバスやハイエースっぽい車でお出迎え)。だいたい6~7時出発になるので早い!

バスに乗って1~2時間ほど、世界遺産にも指定されている宏村に到着します。人は多いけれど、あたりには落ち着いた雰囲気が広がっています。

ガイドさんは入口まで案内すると「自由行動です」と言い、解散してくれました。その方がありがたいです。
宏村といえばこの風景が有名。細道を大勢の人が一列に…アリの行列のように見えてきます。

「安徽南部の古村落」とは、安徽省黄山市にある古民家群です。北宋時代に造られた祠堂、牌楼、古民居などが、ほぼ完全な形で保存されていて、「微州建築」「微州派」と呼ばれるその建築様式は、独特の風格と精巧な窓枠彫刻で有名です。
その中でも「西逓村」、「宏村」は、有名な微州派建築で、中国古代農村の面影を残しているのです。西逓村は街の中央に幹線道路があり、現在でも医者がいる屋敷などの公共施設が残っています。そして、宏村は水ともにあった生活をうかがうことができます。街の中を水路がめぐり、月沼や南沼などの大きな池沼の水面には、白壁の町を映し出されます。
橋を渡ると細い道の中に部屋のような家のような場所が多数見受けられます。
日本の方々にはあまり馴染みのない世界遺産かもしれませんが、時間がゆっくりと流れるような村の雰囲気はとても落ち着きます。
そもそも11世紀ごろに作られていったこのあたりの村々は汪という一族によって開かれていったと言います。
世界遺産にもなり多くの人々が訪れるようになりました。

水郷の中にある町として知られていますが、それぞれの家々に水路がめぐらされており、その風景も独特で美しいものです。

家の横に流れる水流がそれらの家の歴史を彩っているのです。
(きれいだなぁ、と思いながら歩いていると、水路で大きなドブでねずみが死んでいてものすごく焦った。)
いい天気の中、落ち着いた村の雰囲気が心地良いです。

それぞれの建物には個人の邸宅のような家から、一般の家などいろいろなものが存在しています。

各家の先祖が祀られているようなものから、お寺のような場所も多く保存されています。
いろいろな部屋ごとに見るものがありひとつひとつ散策していきます。

路地は結構狭く、移動は迷路のようになっているところを進んでいきますが、細い路地を抜けて行くと池のある場所に出てきます。
半月の形になっているから「月沼」と呼ばれる場所であり、町の中心地ともいうべき場所になっています。

かつてのこの水を飲用し、生活にも大いに使っていたと言いますが、現在では少し厳しいかな?
水面に映る村の景色が気持ちを高ぶらせます。


周辺にも大きな湖が存在しています。
後ろに見える山々と落ち着いた村が、かつての人々の生活を思い起こさせます。

入口は小さいものの、立派な内装を誇る桃源居は19世紀後半に建造。中は広いです。

宏村の中でも最も精巧で美しいとされる桃源居。



月沼に沿うように一周廻ってくると再び最初の橋の場所に戻ってきます。


かつての中国の風景に思いを馳せながら道を歩いていきます。
汪一族はなぜこの場所で居を構えたのでしょうか。
はるか黄山を臨む地理的な環境からも、この場所が選ばれた理由があるのでしょう。人々の生活の息吹を感じる宏村。行きづらいからこそ残り、得られる情景なのではないでしょうか。
【余談】
◎ツアーの行き着く場所
しばらく自由行動が続いたあと、ガイドと合流し、あらためて宏村の中の簡単に説明してくれます。なかなか実のあるツアーです。
再びバスに乗り次の場所へ・・・と思ったら11時半くらいになったため昼食時間だというガイド。

ツアーの醍醐味というべきか、参加者みんなで旅行者が用意した場所で食事を取るという時間が必ずあります。
ある意味お約束というべき昼食ですが、参加者の皆さんが忙しそうにおしゃべりしつつもむさぼり食べるのが本当に楽しい。
必ずそれぞれが「この料理肉がすくない!」とか、「人数のくせになんでこれだけだ!」と必ず文句を言うのもお約束。お互いのお約束の毎回のその時間がツアーが楽しいひとつの点です。(ちなみにこのあとはお土産屋に寄ってお土産タイムつき)
名峰黄山に訪れたあと、ゆったりした気持ちで中国歴史の町に行くのはいかがですか。
(↓同シリーズのマガジンはこちら✨)