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【CoCだいたい6版】スタービヤーキーコズミックレース

「だいたい」ってなんだよ、という問いにおかれましては、「まわりの友だちみんな6版だしまだ7版買ってないらしい、まあいいや、KPの言う事ならだいたい聞くだろ」と思って無理矢理7版のカーチェイスルールを捻じ込んだ言い訳、と捉えて頂ければ幸いです。

各セクションに目次で飛べるようにしました。謎解きなどは特になし、4割くらいボドゲ感覚で遊べます。観戦者がいるとちょっと盛り上がるかも? といったところです。

PLとして通過したい方は「導入」「シナリオ情報」以外は読まない方が良いです。

すみません不足あったら作者のtwitterまでご一報ください……。ここ


導入

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だいたいこんな話。

【KP情報】導入の解説

ドリームランド競ビャ場には「ジョッキーとして人間、またはそれに近い生物を乗せること」というルールがある。邪神ニャルラトテップとはいえくだらないことで神格と大喧嘩はしたくない。という訳で気まぐれにジョッキーとして喚び出されたのが探索者たちだ。生きた人間がどんなレースを繰り広げるのかという興味、そしてムカつくクソジジイノーデンスに吠え面をかかせるためには不確定要素も必要だという打算から、探索者たちはニャルラトテップから色々細々とした加護を受けることになる。

このシナリオではニャルラトテップを闇のファラオのお着換え、「褐色の紳士」として描写していますが、本人は特に正体を隠そうというつもりはないし、単純に名乗る気がないだけです。「ニャルです」とPLに教えてしまっても構いませんし、それによるSANチェックも発生しません。

【PL向け情報】シナリオ情報 推奨技能・難易度等

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NPCデータ

・探索者用ビヤーキー(ニャルラトテップの補助がついているため、各行動判定の厳しさは緩めています)
STR 17
CON 12
SIZ 15
INT 16
POW 12(MP 12)MPは探索者のMPにに加算する。ビヤーキーと力を合わせて魔術バトルだ。POW判定はPCのもので行う。
HP 16
DEX 13
MOV 8


使用可能魔術

※本来のルールからだいぶ弄りましたが、記載元はるるぶ6版。すみませんたまに7版もある

・ハスターの歌
使用後、次ラウンド開始時発動。一度成功したらラウンド開始ごとに効果を継続するかPCが判断。継続時はまた1D4のMPを支払う。
1D4MPを支払い、POWロールで判定する。1ラウンドにつき対象に耐久力1D6のダメージ。継続する場合、次のターン開始時に対象へ1D6のダメージを与える。その後も継続する限り、ラウンド開始時対象に1D6のダメージを与え続ける。
対象のHPがゼロになると、その体は膨れ上がり、胸の悪くなるような音を発して破裂する。湯気を上げて血が周囲に飛び散る。

・ファラオの呪い(視覚を奪う)隣接時のみ使用可能
8MPを支払うと自動的に成功する。次ラウンド開始時発動。対象の視力を永久に奪う。対象は解呪(呪いをかけたPCに対してPOW対抗)またはシナリオ終了まで、行動数が1に固定される。PCにかけた場合、行動回数1消費することでPOW対抗ロール。成功すれば呪いが解け、次ラウンドから正式な行動回数の計算を行い、その通りに行動する。解呪したラウンドは「最大行動回数1と決定されている」為、本来の行動回数は反映されない。

NPCがこの魔術をかけられた場合、毎ターン1行動目に「解呪」判定を行う。

・スレイブフロムレン
大きな体をしたビヤーキー。背中にはぼろ布に包まれた何かと砲台のようなものを乗せているが、たまにヤギに似た足が覗くだけだ。
STR18
CON11
SIZ20
INT3
POW6(ジョッキーの分を合わせて使用可能MPは9)
DEX13
HP16
MOV7
回避39
魔術「アザトースの呪詛」
4MPを支払いPOW対抗(6版に準ずる)。判定に成功したら対象のPOWを1D6吸い取り、吸い取った分自分のMPを回復する(上限突破可)。

ジョッキー
スレイブフロムレンの出走登録の為だけに、拷問や魔術で知能を抜いて拘束されているレンの男
STR3
CON3
SIZ8
INT8
POW3(この分があるので、合算してスレイブフロムレンの使用可能MPは9となる)
DEX3
APP2
POWにしか意味のない人。布で隠されているので何もしなければSANチェックが入ったりはしない。無理やり布を取ったりしたら目・口を縫い閉じて、腕をビヤーキーに大きなホチキス針で留められた全裸のレンの男を直視することになる。0/1D5のSANチェック。

スレイブフロムレンは毎ターンシークレットダイスでランダムに選んだPCに自身を牽引させます(牽引者の1つ後ろのコマにつく。駒を移動させる際、行動回数を消費しない)。砲台から鎖が出てくっついてくる感じですが、POWを吸い取ってこようとする以外に特にデメリットはありません。その代わり宿主が逃げ型ならこいつも好位追走してくる、という具合になります。後半こいつを宇宙の果てにぶん投げることができますので、あまりへこまないよう寄生されたPLにはそれとなく伝えておくと良いです。

・コスモバクシンオー
小柄だがいい毛並み?鱗?。小さいので、普通に競ってはビャ群に沈むのは明白。とにかく逃げる戦略をとる。ジョッキーは改造により極度に小型化されたレンの男だが、コスモバクシンオーの眼窩に潜んでいる為探索者たちと出会うことはない。POWもない。

STR 20
CON 10
SIZ 7
INT 14
POW 11(MP 11)
DEX 15
HP 9
MOV9
回避60


魔術扱いスキル「ミ=ゴ製ロケットエンジン」
MP5を支払うと成功確定し、判定はなしで3コマ進みます。序盤と終盤に1回ずつ使うのが良いかもしれません。とてもシンプルな敵。

結局何をするシナリオ?(コース全周・部屋作成例)

画像3

※色々配慮してアイコン等隠しています

結局のところ、1600光年コースをぐるっと一周する速さを競うお話です。

・コース全図(左上)

1600光年を200光年ずつ、8ラウンドに区切っています。(9はゴール)

ラウンドごとにイベントが起きるようになっています。

・コース一部拡大図(右上)

200光年をさらに40光年ずつにわけたもの。大体の距離間の把握に使います。RPの味付けくらいの立ち位置。

・コマ置きパネル

このパネルにコマを置いて各キャラクターの位置を決めます。スタート地点は左端とし、必要に応じてパネルを増やしたり減らしたりします。イベント前後にPC・NPCの行動フェイズがあるので、そこで使います。枚数は特に決まっていません。

説明に使った3種の素材はBOOTHにて配布します(無料)。配布先リンク

PC・NPCの行動フェイズ/1ラウンドの流れ

ラウンドごとのイベントの前後に、レース描写としてPC・NPCの行動フェイズが入ります。各キャラクターは行動フェイズ時に決めた行動回数(後述)を1消費して、4種類の行動をとることができます。

・加速:運転または幸運でロール

下記の結果に基づいて、コマ置きパネルを左から右へ進んでいきます。初期位置はシナリオ導入で決めることとなります。

成功:+1
クリティカル:+2
失敗:目盛り-1
ファンブル:-2


・魔術

先述した「探索者のビヤーキー」が覚えている魔術を使うことができます。継続PCで他の呪文を取得している場合、それも使用可能です。

・溜める

振り直し権、以下クリチケと呼称 を1つ増やす、または1d6MPを回復させます。

暇なときにおすすめです

・そのほか

リアル言いくるめ枠

・1ラウンドの流れ

1. イベント

2. イベントによる位置もしくは行動回数の変化の処理・MOV・行動回数の    決定

3. 探索者・NPCの行動フェイズ処理

4. 位置関係の修正(最後尾が左端から離れていた場合、利便性のため動かして全体を修正する。距離が変わらないよう注意してください)

MOVの扱い・行動回数の決め方

・MOVの扱い

MOV(移動率)は相対的に扱うものです。
PCのMOVは8です。そこからシナリオ中で増減の処理を加えて正式な数値を決めます。一番低いMOVを持つキャラクターの行動数を1として、そのキャラクターよりMOVが1高いキャラクターの行動数は2、2高ければ3…というふうに決める。


キャラクターA MOV7 キャラクターB MOV8 キャラクターC MOV9の場合

MOVが最も低いのはAなので、Aの行動数を1とする。

BのMOVはAより1高いので、Bの行動数は2。

CのMOVはAより2高いので、Cの行動数は3。

というふうに決めていく。本来MOVは人型でないものには適用されないので、ここで決めたMOVはこのシナリオ内だけのものである。MOVはセッション中にダイスで決めてもらうので、決め方は後述する。この決定の仕方も、当シナリオ内で使う為に弄ったものです。
行動は1回ずつ全キャラクターに1周させ、行動回数が残っているキャラクターでもう1周するようにしてください。行動順はPCのDEX順となります。

行動回数の決め方

イベント中、またはキャラクター行動フェイズの直前にニャルラトテップの加護を受けて、「駿馬の拘束(ビヤーキーの従属)」を使う。加護があるのでSANやMPの消費はなしということで。PCのDEXを能動側、ビヤーキーのDEX(13)を受動側としてDEX対抗ロールを行う。下記に従って、結果に応じて基準のMOV(8)から調整してください。

成功:+1(つまりMOVは9)
クリティカル:+2(つまり10)
失敗:目盛り-1
ファンブル:-2

全員のMOVが決まったら前述の通り「一番小さな数字のキャラクターの行動回数を1として、それより1MOVの高いキャラクターの行動回数は2,2高いキャラクターの行動回数は3」という風に行動回数を決定します。「ファラオの呪い」を掛けられているキャラクターは、どんなにMOVが高くても行動回数は1となります。

魔術・飛び道具の射程

光年単位で離れているので、通常通り判定ができるのは「相手が隣のコマ置きパネルにいる時」のみとなります。それ以上離れると成功率を半分にしてください(「ファラオの呪い」は隣接時のみ使えます。それ以上離れると射程圏外)。ニャルラトテップはうまいことやる神なので半分以下にはならないということで。

NPC撃破時

邪神は喜びます。敵ビヤーキーを何らかの方法で死亡させたプレイヤーにはクリチケを2枚渡してください。

おまけ(観戦者がいる場合)

観戦者に1位と2位を予想してもらいましょう。
どちらも的中させた、もしくはもっとも正解に近い予想を立てた観戦者の名前を次レースの名前にします。エンディングのどこかで「波乱のレースを読み切った賢者を讃え、次回より1600光年スプリントは〇〇記念の名を冠します!」といった描写を入れるなどしてください。
観戦者がPCを連れてきた場合は、当てたご褒美として芸術(ギャンブル)と好きな技能を1つ、各1d10成長させることができます。

シナリオ開始:導入

「」内は描写例。

「いつも通りにベッドに入り、眠りについたはずの探索者たち。
ふと揺られるような感覚を覚えて目を覚ますと、そこには煌めく星々、果てなき闇。幻想的な宇宙の風景に呆気にとられながら、ふと自分を乗せているものに目がいった。
カラス、モグラ、ハゲタカでもない。アリでもなければ腐乱死体でもない。何か自分では思い出せない、思い出してはならない生き物がそこにいた。」

「ビヤーキー」を目撃 SANチェック。1/1D6

ニャルラトテップ登場

「異形の怪物の背に乗っている、という事実に怖れ慄いている探索者たちの前に、1人の男が現れる。古代の王族を思わせる気品ある顔立ちをした、褐色肌の男だ。欧風の乗馬服を颯爽と着こなした彼は、あなたたちの眼前に人差し指を突き付けて宣言する。」

「よく来たな、人間ども。貴様らには今から、競争ビャを使ったレースに参加してもらう。そして誰でもいいからノーデンスのジジイが出資したビヤーキーに勝て。さすれば褒美をやるし五体満足で家に帰してやる。負けたら知らん。脱落しても知らん! 我が手助けしてやるのだ。帰りたければ死ぬ気で駿馬を駆るのだな」

「男によると、探索者たちのビヤーキーは特殊な調教を施したnつ子のビヤーキーで、全く同じ能力値を持つという。よく見ればかぎ爪の先が丸く削られている。」

探索者はビヤーキーに好きに名前をつけてよい。つけなくてもペナルティなどはない。

報酬は「好きな技能を5つ選び、1d10技能ポイントを上昇させる」。現時点では「貴様らの価値が高まる」等あいまいに伝えてください。探索者たちに報酬の上乗せを求められた場合、「言いくるめ」「説得」「信頼」系の技能でロールしてもらうこと。成功した場合、「選択した5つのうち1つを2d10にする」こと。

「そうそう忘れるところだった。これを飲まないと騎手はほとんど死ぬんだった。はいどうぞ」

「男が指を鳴らすと、ぼろ布を纏った小男が銀の盆にガラスの杯を載せて持ってきた。杯の中には、とろみのある黄金色の薬酒が5割ほど注がれている。」

何か聞かれたら、蜂蜜の香りと、樽の香りがよく立つ上質な蜂蜜酒です、と答えてください。
この「黄金の蜂蜜酒」はニャルラトテップお手製なのでものすごい上物です。このレースは1600光年移動しますが、蜂蜜酒の加護を得るのに支払う正気度は2とします。探索者が「飲んだ」と宣言したら、正気度を減らしてください。
なお呑まない場合、ニャルラトテップからのアルハラが始まります。しつこいようなら殴って呑ませるでも口移しでもなんでもしてください。
蜂蜜酒を服用しない人間騎手はムーン・ビーストに引き渡すことになっています。遠目にはきわどい紐パンを履いている醜悪な生き物が当該探索者を指さして笑っています。数々の拷問の末死ぬぞ、と脅してください。

ここで探索者用ビヤーキーと探索者のPOWを合算した数値をMPとしておくよう伝えてください。

ビヤーキーを従属させられるか?

ニャルラトテップの加護を受けて、「駿馬の拘束(ビヤーキーの従属)」を使う。加護があるのでSANやMPの消費はなしということで。全員にクリチケを1つ配布。

「折角だ。こいつらとの相性を確かめてみるべきだな」
「紳士は愉快そうに言うと、探索者たちに黒いホイッスルをひとつずつ手渡した。」

「黒いホイッスル」は演出です。

実際の「駿馬の拘束」はPOWを使いますが、ここでは自分のビヤーキーとDEX対抗ロールを行います。(ビヤーキーは13)

このシーンは1ラウンド目のMOVの調整を兼ねています。
成功:MOV+1
クリティカル:MOV+2
失敗:変化なし
ファンブル:MOV-1
毎ラウンド開始時に上記のロールを行いMOVと行動回数を決定する。
あまりにひどかったらKP側でこっそり敵側ビヤーキーのMOVを下げておくと良いかもしれません。下げるならコスモバクシンオーが推奨です。

敵の紹介

「ビヤーキーと仲良くなったりならなかったりしている探索者たちをひとしきり眺めると、紳士は再び口を開いた。」
「今回のレースはフルゲート18頭の出走予定だが、気にするべきは2頭だけだ。後は死にかけのザコだからな。あれを見ろ」
「紳士はパドックの向こうでゲートインを始めている2頭のビヤーキーを指さした。どちらもしっかりとした足取りをした、立派なビヤーキーだ。」
「あの2頭ノーデンスのジジイが出資したビヤーキーだ。バカクソ放火魔のクトゥグアも噛んでいる。ハスターとの付き合いで出資したに過ぎないとはいえ、我のビヤーキーが負けるなど有り得てはならん。貴様らは絶対に彼奴らに勝つのだ。その為の手助けならしてやる。いいな」

スレイブフロムレンとコスモバクシンオーの登場です。NPC紹介のフレーバーをそのまま読み上げるなどして、大きいのと小さいのがいると伝えましょう。

第1ラウンド「出走」

「出走の準備を終え、ゲートに入ったビヤーキーと探索者たち。外枠18番、最後のビヤーキーが入った次の瞬間ゲートが開き、レースが始まる。」
「絶対に負けるわけにはいかん! まずはハナの奪い合いだ!」
「紳士は宙を飛びながらついてくる。しかも分身して、探索者たちひとりひとりにくっついてくるようだ。」

プレイヤーが紳士について何か言ってきたら、「気にするな!」とだけ答えてください。

「ビヤーキーたちは全員気合が入っている。あなたたちのビヤーキーがハナを取れるか、好位置につけるかはテクニック、もしくは運が必要だ。しかし安心して欲しい。あなたたちには嗤う邪神の加護がある。」

好きな技能でロールする。失敗したら幸運でロールしてもよい。ロール結果により最初のコマ配置を決める。開始位置は左端。
成功:+1
クリティカル:+2
失敗:変化なし
ファンブル:さらに左にパネルを1枚用意する。そこに置く。

イベント後、各プレイヤー+NPCの行動を処理。全キャラクターの距離を控えてください。探索者とコスモバクシンオーの処理が終わったら、スレイブフロムレンの手番で次のイベントが入ります。

「スレイブフロムレンの様子がおかしい。騎手の体がぶるぶると震え、同時に太い鎖が勢いよく飛び出してきた!」

シークレットダイスで探索者を1人選択し、ターゲットとします。選ばれた探索者は回避で振ってください。成功した場合、スレイブフロムレンの行動はそれで終わりです。失敗した場合、その探索者はスレイブフロムレンに鎖でビヤーキー同士を連結されてしまい、常に1目盛り後ろに着くようになります。連結相手がパネルを移動したら、行動回数を消費せずにスレイブフロムレンも動きます。

連結された場合、この次のラウンドから、1ラウンドおきに連結相手に対し行動:魔術「アザトースの呪詛」を行使し、POWを削りに来ます。

回避されて連結できなかった場合、できるまで行動時にシークレットダイス+回避ロールの要求を繰り返します。1ラウンド目はイベント扱いで行動回数とは関係ありませんが、2ラウンド目以降、この行動は「魔術」扱いとなります。行動回数を消費します。
このイベントが終わったら、行動回数を決めて各探索者+NPCの行動を処理。処理が終わったら、一番後ろに入るキャラクターを左端のパネルに置いて、距離に従って配置し直してください。(余裕があればしなくても構いません)。

第2ラウンド「モブの処理」

このレースはフルゲート18頭ですが、探索者、それからデータのある2頭以外は邪魔なだけです。さっさと退散させてしまいましょう。

「クク、喜べ……ここには先日、我が地雷を仕掛けておいた。安心しろ。自分が出資したビヤーキーが踏んでも爆発なんかせぬわ」

「えっ? と探索者たちが聞き返すのも待たず、四方八方から耳をつんざく大爆音が響き渡る。騎手は四肢を千切れさせて吹っ飛び、ビヤーキーは逃げ出す。逃げ切れなかったビヤーキーの体のかけらや体液、星のかけらのような鉱石が一斉に飛んできた。未だ五体満足で生き残っている探索者たちは、この嵐の中を駆け抜けなければならない。さすがにこれは小手先のテクニックではどうにもならない。」

幸運(初期値)でロールすること。
成功:見事に駆け抜けた。
クリティカル:昔からビヤーキー騎乗に慣れ親しんだ騎士のようだ。1目盛り進む。
失敗:何かにぶつかった。1D3ダメージ。
ファンブル:飛来物にタコ殴りにされた。1D3ダメージ+1目盛り戻る。

イベント後、行動回数を決めて各探索者+NPCの行動を処理。処理が終わったら、一番後ろに入るキャラクターを左端のパネルに置いて、距離に従って配置し直してください。(余裕があればしなくても構いません)。

第3ラウンド「俺の宇宙には坂がある」

「探索者たちの体が急に後ろから引っ張られた。後ろに何かがいるのではない。ビヤーキーが上昇しているのだ。うまく御さないと落ビャしかねない。」

「運転」または「こぶし」で判定。
クリティカル:驚異的な乗ビャテクニック。MOV決定後行動回数をさらに2増やす。
成功:落ビャをまぬがれる。特に変化なし。
失敗:バランスを崩し落ちかける。MOV決定後行動回数を1減らす。
ファンブル:落ちた。1d3のダメージ。このあと自分のビヤーキーが向かうが、乗り直せるまで「乗馬」「運転」「幸運」のどれかで判定する。成功するまで1d3のダメージが入り続ける。

イベント後、行動回数を決めて各探索者+NPCの行動を処理。処理が終わったら、一番後ろに入るキャラクターを左端のパネルに置いて、距離に従って配置し直してください。(余裕があればしなくても構いません)。

第4ラウンド「邪神のささやき」

「なんだ、まだ1匹も潰せていないじゃないか。ひよっているのか?」
スレイブフロムレン、コスモバクシンオーの快走を見ながら、紳士はため息をついた。

※1匹撃破していたら「1匹残っているじゃないか」などアレンジをお願いします。2匹とも撃破していたらほめましょう。


「ま、目配り気配りをしろ、という方が理不尽か。これをやる。不思議と当たりやすいぞ」
紳士が1人1丁AK74をくれる。

※NPCが2匹とも撃破されていた場合、「波乱が起きたほうが面白いし」とでも言わせておいてください。

「邪神改造銃から撃ちだされた弾丸は宇宙でも光年でも問題なく進む。」

ターゲットが隣接している場合「射撃」「拳銃」「ライフル」または「幸運」判定で使用可能。1以上離れていたら成功判定を半分にしてください。成功+相手回避ロール失敗時に2D8のダメージを与える。連射機能はついていない。97~は故障ナンバー。「機械修理」「幸運」で成功しないと修理できない。回避ロールでの回避可能。敵ビヤーキーの回避はスレイブ39,コスモ60。

イベント後、行動回数を決めて各探索者+NPCの行動を処理。処理が終わったら、一番後ろに入るキャラクターを左端のパネルに置いて、距離に従って配置し直してください。(余裕があればしなくても構いません)。

第5ラウンド「飛び出し奏者」

「そろそろ宇宙スプリントにも慣れてきた頃ではないでしょうか? 気が付けば無音の宇宙を滑るように進んでいます。」
「……もたもたするな。ここはすぐに通り抜けるぞ」
「紳士がそう言い終わるや否や、途切れ気味の、あまり上手ではないフルートの音が聞こえてくる。それから、どこからか大きな翼が羽ばたく音も。」

探索者が行動フェイズ中「加速」以外のコマンドを使った場合、全員の手番終了時に下級の異形の神「プルクタ」が登場します。「加速」以外のコマンドを使ったPCはプルクタを目撃し、1/1D20のSANチェック。

プルクタ描写
「白熱した黄リン・白リンの輝く巨大な塊。無数の腕が生えたりなくなったりを繰り返している。有害であろう化学物質の蒸気と煙がこの存在の周囲に漂い渦を巻き、紳士の加護を得ていなかったら死んでいたであろう「雲」があたりに立ち込めた。」

プルクタはあらゆる物理的攻撃からダメージを受けません。ステータスがないので、呪文も弾かれます。あらゆる攻撃は通らず、お互いを認識しないうちに立ち去るしかない、と伝えてください。

「プルクタは危険な存在ですが、紳士は微笑みを崩しません。顎に手を添え、ひとりごちます。」
「意外な邪魔ものだが……邪魔者を排除する良いチャンスかもしれないな?」

スレイブフロムレンのことを言っていますが、探索者同士で潰し合えと言っている、と捉えられても構いません。もしもNPCが全滅していた場合、1人でもゴールすれば後は何でもいいからです。

イベント後、行動回数を決めて各探索者+NPCの行動を処理。処理が終わったら、一番後ろに入るキャラクターを左端のパネルに置いて、距離に従って配置し直してください。(余裕があればしなくても構いません)。

第6ラウンド「くらえ!シャンタクキック」

「特に危険なエリアを突破した一行。フルートの音は微かに耳に残っているくらいだ。そんなことよりも……宇宙なのに巨大な生き物が翼を羽ばたかせる轟音!
それは地球上のどんな鳥ともコウモリとも違っていた。体は象よりも大きく、馬に似た頭部がついている。羽毛のかわりにウロコがついており、その一枚一枚がつやつやと星の光を反射している。そんなのが何匹も、ぎゃあぎゃあと耳障りな鳴き声を上げながら探索者たちの上方を旋回している。」

自分の乗っているビヤーキーでは到底太刀打ちできそうにない化け物の登場に、探索者たちはびびり散らかす。0/1D6のSANチェックを行うこと。

「もちろん紳士が恐れおののく訳はない。スレイブフロムレンに寄生されている探索者に、シャンタク鳥にも負けない大声で発破をかける。」
誰も寄生されていない場合は、スレイブフロムレンに最も近い位置にいる探索者に声を掛ける。同じ位置に2人以上いる場合はシークレットダイス。
「今だろう! この厄介なお荷物を手放すのならば!」
「あなたの乗っているビヤーキーが興奮状態になった!こんなにも力が満ち溢れているなら、きっとスレイブフロムレンを宇宙の彼方まで吹っ飛ばしてやることができるだろう。」

※スレイブフロムレンが撃破されていたら、コスモバクシンオーで代用しても構わない。2匹とも撃破されていた場合は発破をかけるイベントは起こらない。「人間ども、激しく戦え~!」と言いながらクリチケを全員に1枚ずつ配布する。

運転、または幸運でロールすること。

成功した場合
「あなたの技術とビヤーキーの力が絶妙なハーモニーを奏で、鎖は外れてスレイブフロムレンはコースアウトするだろう。シャンタク鳥は群れからはぐれたこの哀れな個体を見逃さない。がっしとくわえ、一気に宇宙の果てのアザトースの元へ連れて行ってしまうだろう。紳士は大笑いをしている。」

寄生されていない場合は鎖を投げるのではなく、ビヤーキーの凄まじい風圧などと言って処理する。

失敗した場合
「いい勝負をしたものの、スレイブフロムレンを吹っ飛ばすまでとはいかなかった。引き続き銃か、もしくは魔術で殺す、または単純に早くゴールすることを目指そう。」

「シャンタク鳥の脅威は去っていない。その強靭なる四肢に蹴り飛ばされないよう、運かテクニックが必要だ。」
全員運転もしくは幸運で振る。

成功:うまく切り抜けられた。1目盛り進む。
失敗:散々な目に合う。1D3のダメージを受け、1目盛り戻る。

イベント後、行動回数を決めて各探索者+NPCの行動を処理。処理が終わったら、一番後ろに入るキャラクターを左端のパネルに置いて、距離に従って配置し直してください。(余裕があればしなくても構いません)。

第7ラウンド「追込みチャンス」

まだコスモバクシンオーが盤上にいる場合、一番後ろにいるPCに紳士がささやきかけます。
「お前の力はこんなものではないッ!!!!!!!!今こそ人間の力を見せる時!!!!!!!!!我に対価を払うのだ!!!!!!!!!!!」
「無意味な爆音ささやきは、邪神からの契約の提案……」

ここではざっくり加護の力を強めることとします。
1/1D4SANチェックを行うか否か、当該探索者に確認してください。「SANチェックを行う」場合、成功・失敗に関わらずこのラウンド中、チェックを行った探索者の行動数を3増やしてください。効果はチェック前に伝えて構いません。

イベント後、行動回数を決めて各探索者+NPCの行動を処理。処理が終わったら、一番後ろに入るキャラクターを左端のパネルに置いて、距離に従って配置し直してください。(余裕があればしなくても構いません)。

第8ラウンド「ラストスパート」

特にイベントはありません。その代わり、NPC除くすべてのプレイヤーにクリチケを3枚ずつ配布します。

また、7ラウンド目でニャルラトテップに契約を持ち掛けられなかった探索者にも契約が持ち掛けられます。しかし効果が少し減少します。

1/1D4SANチェックを持ち掛け、応じた場合は成功・失敗に関わらず行動回数を2増やしてください。ここでも契約の効果を先に伝えて構いません。驚異的な末脚を発揮してください。

全員の行動が終わった時点でより右のパネルにいる順で順位を決定して、エンディングに入ります。

エンディング:グッドエンド


条件:PCの誰かが1位になる

紙吹雪が舞う。圧倒的な強さを見せつけたあなたたちは、泣きながら駆け寄ってくる紳士に思わず涙がこぼれるかもしれない。
「よくやったッ……よくやったッッッ!!!!!我、こんなレースは初めて見たかもしれん!!!!!!!!!素晴らしい!!!!!!!!!!」
その笑顔を見ていると、なんだか心の荷が降りた気分だ。
「本当にッ……本当に感動したッ……貴様らは素晴らしい!!!!!!!!!」
その叫びとともに、視界がだんだんと白に染まり、意識が遠くなってゆく。次に目を覚ますと、いつもの自室に戻っていた。なんださっきの夢は?いやにリアルだったが……。そう思ってベッドから体を起こしたあなたは、枕元に少し気分が悪くなるデザインの怪物が彫られた金メダルを見つけるだろう。売ったら100万くらいになるかんじの。

エンディングタイトル「素晴らしき夜明け」

報酬:HP・MPの全回復・2d10のSAN回復

ニャルラトテップからの報酬:好きな技能を5つ選び、1d10ずつ成長させる。導入時点で探索者がごねていた場合、うち2つを2d10とする。

エンディング:ベターエンド

条件:PCの誰も1位にならず、NPCがどちらもコースアウトしないで残っていた
紙吹雪が舞う。優勝こそ逃したが、あなたたちは何だかやり切った気分だ。ビヤーキーが落ち着くのに合わせてビャ場を歩いていると、紳士が腕をブンブン振りながらこちらへ走ってくる。どうやら怒っているようだ。
「貴様ら―ッ!!!!!!!!!!!!!!何を満足しているかーッ!!!!!!!!!!!これから毎月第2・4水曜の夜は特訓だ特訓!!!!!!!!!!!!!まずは休め!!!!!!!!今日はお疲れ!!!!!!!!!!」
怒涛の勢いで言い立てると、紳士は指をパチンと鳴らした。なんだか心の荷が降りた気分だ。

視界がだんだんと白に染まり、意識が遠くなってゆく。次に目を覚ますと、いつもの自室に戻っていた。なんださっきの夢は?いやにリアルだったが……。そう思ってベッドから体を起こしたあなたは、枕元に置いたスマートフォンに1件、入れた覚えのない予定が入れられているのに気が付く。「第/.4 亜曜日 遶カ繝薙Ε縲?迚ケ險薙??蠢倥l縺ェ縺?h縺?↓」バグだろうか? 大して悩むこともなく、あなたはいつも通りの一日を始めることとした。

報酬:HP・MPの全回復、1d10のSAN回復

ニャルラトテップからの報酬:好きな技能を3つ選び、1d10ずつ成長させる。導入時点で探索者がごねていた場合、うち1つを2d10とする。

エンディングタイトル「連絡先知られた」

エンディング:バッドエンド

条件:PCが全員脱落する

紙吹雪が舞い、1位のビヤーキーを歓声が迎える。いないかもしれない。確実なのは、そこに探索者たちの姿はないということだ。褐色の紳士はため息をひとつつき、競ビャ場を去った。最後に、指をパチンと鳴らして――。

夢なんで、生き返っても良いと思います。HP・MPは全回復して構いません。

報酬:1d6SAN回復

エンディングタイトル「死ぬかと思った」

おまけ報酬

順位ごとに更なるご褒美があっても良いと思います。

1位:乗馬、拳銃、ライフル、芸術(ギャンブル) 各1d10

2位:乗馬、拳銃、ライフル 各1d10

3位:乗馬、拳銃 各1d10

4位以下 乗馬 1d10

探索者から希望があった場合、成長技能を他に振り替えてもよい。ハウスルールでお願いします。

利用について

「ワシが作った」と言って再配布する 以外のことは特に禁じておりません。改変等好きにやってください。1600光年が3200光年になってても大丈夫です。

配信なども大丈夫です。運要素がかなり強いシナリオだからというのもありますが、知れたら台無しになるほどの謎なんてないからです。なさすぎて同じキャラでもう一度通過できなくもないほどです。

楽しんでくれたら嬉しいです。

最後に

CoCは何年か遊ばせてもらっておりますが、作るのは初めてです。なので色々と気づいていない不備があるかもしれません。すみません。

CoCを何年か遊ばせてもらえるということは何年か遊んでくれてる人がいるという訳で、これも2回テストプレイをさせてもらいました。どちらの回でもたくさんの助言・アイデアをもらって生まれたのがこの茶番シナリオです。協力してくれたおともだちの皆様、本当にありがとうございます。今度何か回します。

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