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第14話 ロイニー、パンクするってよ

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第14話 ロイニー、パンクするってよ

2007年、サミーが満を持して発売した【北斗の拳2 乱世覇王伝 天覇の章】をご存じだろうか?

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当時、営業マンは「ついに5号機で万枚出るスペックが完成しました!」と自信満々にホールに営業をかけた


4号機北斗といえば北斗専門店が出来るほどの大人気機種。吉宗と共に4号機後期を牽引したモンスターマシンだった


かの人気コンテンツの正統後継機で万枚が出ると言われればどのホールも大量購入するしかない。販売台数は驚愕の116,000台


しかし蓋を開けてみれば、パンクチェリーをひたすらハズし続けなければいけないのに減るRT低スペックとビックリするほどのクソ台。当然、流行るわけもなく導入週から閑古鳥が鳴いていた


設定1 96.7%~設定6 106.8%。ボーナスを引くと必ずRTに突入。RTは1セット20ゲーム、継続率50% 60% 70% 80% 90% 95%。1ゲーム辺り-0.4枚。減るRTを耐えながらボーナスを待つゲーム性。なお高継続でも500ゲーム間ボーナスを引けないとラオウは勝手に昇天して終わる



ちょうどこの頃、思うように収支が出せていなかった俺はパンクの危機に直面していた。バンドでかかる費用と生活費全てをスロットで稼いでいたため、なかなか金を貯めれていなかったのだ


そんなときとあるホールも北斗の拳2(天覇)を2ボックス導入した。たしか32台×2ボックスで64台だったかな。稼働が良かったのは最初の数日のみでそこからはほぼ誰も座らない死に島が完成した



ある日、入場してみると北斗の島で台枠がピカピカ光っている台が何台かあることに気がつく。RT閉店の台がそのまま据え置かれていたのだ。ちなみに設定1でも終日RT状態だと機械割120%近くになる


当然長く続いてる台は高継続率の可能性が高い。RT中の台の中で継続セットが多い台を選ぶ。結局この日は終日RTが落ちることなく4000枚近い出玉を獲得した


というか…これ設定6じゃないか?小役もボーナスも設定6のそれだった。数少ない稼働していた台もボーナス確率がぶっち切っていた


帰り際、店長らしき白服がニコニコしながらしゃべりかけてくる


店長「どうでしたか?明日も来てくださいね」
ロイニー「これもしかして全6ですか?」
店長「いやぁ…設定キーなくしちゃって…笑」


間違いない、全6で完全放置してる


次の日、開店と同時に入場すると昨日打っていた台は相変わらずピカピカしていた。そしてこの日も順調にコインを増やし閉店


専業は北斗のスペックの低さを敬遠し、全6なのすら気づいていないのか誰も見向きもしなかった。みんなエヴァまごや青ドンを朝から座ってたっけ


大量導入してしまって変わりに入れる台もなかったため北斗を全6、全456で仕方なく営業してる店が多かった



そして北斗との死闘は三ヶ月続いた


RT中の設定6を打てるのは機械割の低さをフォロー出来るし何より安定して勝てた


来る日も来る日も朝から晩まで北斗。RT中ひたすらケンシロウが歩いてるだけで画面が暗く気分が落ち込む。二ヶ月目には軽いノイローゼになっていた


夢の中にもケンシロウが出てきて暗闇の中をただひたすら歩くのだ


しかしこの三ヶ月で200万近くの収支を上げパンクを回避できた。人と違うことをすることで勝てるということに快感を覚え、自信に繋がった


あの頃のことは今でも思い出す


あのときパンクしていればもう少しまともな人生を送れていたのではないかと

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