第16話 事実は小説より気になる

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第16話 事実は小説より気になる

遡ること4号機末期

当時のス●マガ、必勝ガ●ド、必勝●本など攻略雑誌の広告ページには「大当たり誘発打法」「永久連チャン打法」など目を疑うような文面が踊っていた

まぁ100%詐欺なんだけどね。広告ページとは言え攻略雑誌が間接的に詐欺の片棒を担いでいたのもまた事実

ある日、T先輩からメールが送られてきた

【番長 強制セット手順】
1.メダルを●枚手入れ
2.クレジット表示を●枚にする
3..マックスベットを●回叩く
4.●回転回す
5.マックスベットを●回叩く
6.セット完了

手順終了後、特殊RT状態に突入し青７が放出。自力連チャン終了後、再度セット可能

こんな感じの内容だった。細かく覚えていないが●のとこには数字も書かれていた

(なんだこれ…)

T先輩からすぐに電話が鳴る

T先輩「ごめん、送る相手間違えた。すぐ消しといて。」

ロイニー「あ、はい。これなんですか？」

T先輩「やりたいなら紹介するけど…」

ロイニー「いや、大丈夫です。」

(え、これ絶対ヤバイやつじゃん…)

ロイニーは足早にパチ屋に向かった

そして気づくとたまたま番長に座っていた

周りの目を気にしながらメールに書かれていた手順をやってみる

…当たらない。手順を間違えたか？

もう一度やってみる

…やっぱり当たらない

もう一度、手順通りに

気がつけば天井からバケが放出され、夕方を背景に悲しいBGMが流れていた

騙された…話が違うじゃないか

その夜、T先輩にさりげなく探りを入れてみる

ロイニー「あのメールって何なんですか？(直球)」

T先輩「あぁ…セット打法だよ。元々仕込んである台に一定手順をすると青７が放出されるんだよ。」

ロイニー「あ、仕込んである台じゃないとダメなのか…」

T先輩「当たり前だわ。そんな魔法あるわけないだろ笑 まさか試したの？」

ロイニー「まさかぁー！」

…俺の三万を返せ

T先輩「あんまりロイニーみたいな若いのにこういう悪さ教えたくないんだけど、稼ぎたいならやってみる？」

ロイニー「んー…」

T先輩「●●ホールの角台の番長がセット基盤入ってるんだよ。」

●●ホールの角台の番長？

あそこの番長の角台は朝確台になることが多く、設定6がいつもボコボコに負けていた。スペックの辛さもあるとは言え、今まで一度もまともに出ているの見たことがない。設定確認も出来たし設定6だったのは間違いないのに

後々知ったことだが、どうやら裏基盤が仕込まれている台はどんな設定を入れようと表はおかしな挙動をするらしい

この店は店側とゴト師が共謀してセット基盤を仕込んでいた

店側が知らないうちに新台入替の業者が仕込んだり、ゴト師が営業中に仕込んだりと色んなパターンもあったらしい

確かにセット打法・攻略打法は存在していた。一部の裏世界の人間しか知ることの出来ない情報。これを利用して冒頭のようなガセの攻略法を売りつける悪徳業者が多くいたのだ

昔はこんなこともあったで終わればただの懐かしい話なんだけど…

今でもあるんだよ

比較的最近だと、某地方チェーン店の絆とハーデスに裏基盤が仕込まれていた

平常営業で設定6なんて使えるわけないのに特定の何人かがいつも出している。しかも同じ台番。最初はサクラかと思っていたが、裏を辿ればセット基盤だった

絆のチェリーがひたすら落ちて初当たりが設定6以上で引けるのに全部単発の台、ハーデスで初当たりが設定6以上で引けるのに全部犬で確定役も引けず絶対に負ける台の話を聞いたことある人も多いだろう

バグの一言で片付けられているが、裏基盤が仕込まれていた可能性が極めて高い。仕込み台はセットしてなくても解析では説明が出来ない挙動をするのだ

今の時代、店側が裏基盤を仕込むなんてリスクの高いことはしない。バレたら一発で営業停止だ。おそらく入替業者またはゴト師が営業中に裏基盤を仕込んでたんだろう

検索すればスマホが何でも教えてくれる時代。ネットに溢れてる期待値・解析値を神様のように信じてる人が多いだろう

だが解析値・期待値では決して説明することの出来ない【何か】が存在する業界なのは忘れてはいけない