第22話 イカサマ 後編

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第22話 イカサマ 後編


前回までのROYSTORY…

来店ポイントで回せるガチャガチャ。本来設定6の当たりクジが一枚のはずが見事な猿芝居によって当たりを二枚にすることに成功したロイニー。そして店長との熾烈な頭脳戦は思わぬ結末を迎えることになる…



あれ以来、当時付き合っていたカウンター嬢にポイントカードを預けひたすらポイントを貯めることに精を出していた


一気に3人で複数回ガチャガチャを回すことでハズレを削れる。そして設定6が当たった場合はその場で当たりを戻してもらうつもりでいたのだ

9回ガチャガチャを回せばそこそこの確率で設定6が当たるだろう。我ながら作戦は完璧だった



この頃、色んな地域に遠征したりと割りと忙しい毎日を送っていた。ここ最近はこの店になかなか顔を出していなかった


やっと落ち着いたしガチャガチャを回すかと思った矢先、とんでもない情報が飛び込んでくる


「あの店、今月末で閉まるらしいよ」



夜20時を過ぎた頃にその噂を聞き、慌てて店へ急ぐ


古びた店内はいつもと変わらず客もまばらだった


そして普段は愛想良く近付いてくる店長と目が合うと、気まずそうに視線をはずされる



ロイニー「なんか嫌な噂聞いたんだけど…」


店長「え?」


ロイニー「もしかしてこの店、今月末で潰れる?」


店長「…」


ロイニー「やっぱり潰れるのか…潰れるまでに貯めた分のガチャガチャ回させてくれるでしょ?」


店長「え?」


僕「え?」


店長「ガチャガチャ回すのは良いけど…設定6当てても打たせてあげれないよ」


僕「9回分回せるんだけど…」


店長「9回回しても良いけど設定6は打たせれない…」



すべてを察した…


散々お世話になった店、何度もごめんごめんと目を真っ赤にして謝る店長をこれ以上責めることは出来なかった


後回しにしていた自分がいけない



そしてハズレ用の景品として用意されていたメーカーの販促グッズを大量にもらい家路についた


きっとこれで良かったんだ


あの日もらった吉宗のサントラCDは埃が被ったまま今でも部屋の片隅に置かれている

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イカサマ編 -完-

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