47動物 コピペwiki 次世代バトル漫画賞 8877文字

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  1. モルモット

  2. グレイラット

  3. 動物(どうぶつ、: animalia[注釈 3]: animal)は、

    1. 生物学における生物(特に真核生物)の分類群の一つ。かつて生物は、感覚と運動能力によって植物と動物に大別されていたが[注釈 4]、動物はヘッケルにより多細胞性の後生動物と単細胞性の原生動物[注釈 5] に分けられた[2]ホイッタカーによる五界説ではこの後生動物のみを動物界 Animalia として扱い、これを「動物」として扱うことが一般的である[2]

    2. 日常語において、動物とは1. の意味の動物のうち、ヒト以外のもの[3]。特に哺乳類に属する生物を指す事が多い[3]

本項では1. の意味を解説し、特に断りのない限り、後生動物を指すものとする。

動物を扱う学問を動物学といい、動物の生物学的側面に加え、動物と人とのかかわりが対象とされる[4]。動物の研究史についてはこの「動物学」も参照。

分類

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動物は、哺乳類爬虫類鳥類両生類魚類といった脊椎動物はもちろん、貝類昆虫サナダムシカイメンなど、幅広い種類の生物を含んだ系統群である。

上位分類

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20世紀末の分子遺伝学の知見を踏まえると、生物は真正細菌古細菌真核生物の3つに分かれるが(3ドメイン説[5][6][7]、そのうち動物は植物菌類(キノコやカビ)、原生生物とともに真核生物に属する。なお、原生生物の一部である原生動物ゾウリムシミドリムシアメーバなど)は本項で言う動物(後生動物)とは系統上の位置が異なり、それ自身も多系統である事が判明している。なお、日本の初等教育では3ドメイン説以前の二界説(2011年まで)ないし五界説(2012年以降)に基づいて生物の分類を説明している[8]。 

動物は、真核生物の中でもオピストコンタ(後方鞭毛生物、Opisthokonta)という単系統性が強く支持される系統群(スーパーグループ)に属し、ここには動物以外に菌類や一部の真核生物が属する。オピストコンタに属する生物は、後ろ側にある1本の鞭毛で進むという共有形質を持ち、動物の精子ツボカビ胞子が持つ鞭毛がこれにあたる。オピストコンタはアメボゾア Amoebozoa とともにアモルフェア Amorphea というクレードにまとめられる[9][10]

さらにオピストコンタにはホロゾア Holozoa というクレードと、ホロマイコータ Holomycota というクレードがあり、動物は前者、菌類は後者に属する[9]。なお動物の起源とされる(後述)襟鞭毛虫もホロゾアに属する[9][11]。前述の通り後生動物を動物界として扱うこと[12][13][14] が多いが、このホロゾアを動物界と見なす試みもある[15]

また、Adl et al. (2019)では、後生動物 Metazoa Haeckel, 1874 emend. Adl et al., 2005 を正規のランク[注釈 6]とし、動物 Animalia Linnaeus, 1758 および真正後生動物 Eumetazoa Bütschli, 1910 と同義(後生動物のシノニム)として海綿動物、平板動物、刺胞動物、有櫛動物を含めながらもそれらを除いた左右相称動物に相当する階級とした[9]

学名と命名法

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動物の学名は国際動物命名規約にて運用される[16]。現行の規約は2000年1月1日に発効した第4版である[17]。この命名規約では「動物」という語は本項で示す後生動物を指すが、原生生物であっても研究者によって動物(原生動物)として扱われる場合は命名法上は「動物」として扱われ、この命名規約が適用される[18][19]。(真核生物の命名規約には、国際動物命名規約国際藻類・菌類・植物命名規約があり、このどちらかに則らなければ学名と見なされない。)

動物命名法の起点はカール・フォン・リンネ (1758) の Systema Naturae 『自然の体系 第10版』およびカール・アレクサンダー・クラーク (Carl Alexander Clerck) (1757) の Aranei Svecici であり、ともに1758年1月1日に出版されたとみなされる[20]

特徴

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動物は一般的に以下のような共通する形質を持つ。

また、動物の体制(たいせい、ボディプラン、bodyplan、Bauplan)を比較する上で、細胞の単複(多細胞化)、組織器官の有無(器官分化)、そして体軸の対称性、胚葉体腔が重視されてきた[27][28]

体軸

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→「体軸」も参照

胚が形成される過程で、体軸(たいじく)という体の向きが決定がなされ、その向きには前後軸(頭尾軸)、背腹軸、左右軸の3つの基本的な軸がある[29][30]。動物のパターン形成において、体軸の決定など細胞に位置情報を与える機能をもつ物質をモルフォゲンと呼ぶ[31]

前後軸(ぜんごじく、antero-posterior axis、頭尾軸、一次軸、吻尾軸)は動物の体制の基本となる軸で、明瞭な背腹軸のない刺胞動物にも見られ、頭部()から尾部(肛門)を貫いている[32]。前後軸の形成にはほとんどの動物(例えば、脊椎動物やコオロギ節足動物)やプラナリア扁形動物)から刺胞動物まで)で Wntリガンド(細胞外分泌性因子)が関わっており、尾部側で Wnt、頭部側で Wnt 拮抗因子が発現している[32]。ただし、ショウジョウバエ(節足動物)では、初期胚において細胞膜の存在しない合胞体として発生する(表割)ため、Wnt のような分泌性因子の濃度勾配ではなくビコイド (bicoid) というホメオドメインを持つ転写因子が蛋白質レベルで頭尾軸に沿って濃度勾配を形成し、形態形成が行われる[32][31]。また、前後軸に沿った分節の形成にもホメオドメインと呼ばれるDNA結合ドメインを共通に持っている Hox クラスター遺伝子が働いており、胚発生が進むにつれ、遺伝子座の 3'-側から順に前後軸に沿って分節的に発現することで前後軸に沿ったそれぞれの位置に固有な形態が形成される[32][33]。Hox 遺伝子群は海綿動物をのぞくほぼすべての後生動物が持っている[33]

背腹軸(はいふくじく、dorso-ventral axis)も同様に左右相称動物で認められる動物の体制の基本となる体軸である[32]。扁形動物、節足動物、棘皮動物、脊椎動物など多くの動物で、細胞外に放出される BMP(骨形成因子[34])というリガンドと Chordin などの BMP拮抗因子によってつくられるBMP活性の濃度勾配によって背腹軸が形成される[32]。外胚葉はBMP活性が高いと表皮に、低いと神経に分化するが、19世紀前半から脊椎動物と他の動物では背腹軸に沿った器官配置が反転していることが指摘されており、実際に脊椎動物でBMP が腹側で発現し、背側で Chordin などが発現するのに対し、節足動物(ショウジョウバエ)では背側で BMP に相同な分子 (Dpp, Decapentaplegic) が、腹側で BMP拮抗因子(同、Sog)が発現していることが分かっている[32][34]。逆にショウジョウバエにおける腹側を決めるのは dorsal 遺伝子で、細胞性胞胚期において腹側に転写因子ドーサル蛋白質 (Dorsal) が多く分布し、背側への分化を抑制する[34]。胚発生時から背腹軸が決まっている節足動物とは異なり、両生類(脊椎動物)では、受精の際に精子の侵入と反対側に灰色三日月環が形成され、そこから原腸陥入が起こって Wnt シグナル伝達系のディシェベルド (Dsh, Dishevelled) が活性化して他の因子を活性化し、反応の下流でオーガナイザーを誘導することで背側となる[34]

さらに、脊椎動物の神経管の背腹軸は、胚の背腹軸形成の完成後に進行するが、神経管の腹側領域(フロアプレート)や脊索で Shh (sonic hedgehog) 蛋白質、Wnt 拮抗因子、BMP拮抗因子が発現し、これらの濃度勾配によって神経管内で下流標的因子の発現活性が活性化または抑制されることで種々の神経細胞が分化する[31][32]。これらの発現パターンは左右相称動物の中枢神経系で広く保存されている[32]

左右軸(さゆうじく)は動物の3体軸のうち最後に決まる軸で、左右非対称性が生じるメカニズムは進化的に多様である[30]。脊椎動物ではまず胚の中央部(ノード)で繊毛の回転により左右対称性が破られ、左側の中胚葉で Nodal および Leftyといったシグナル分子が活性化し、腹腔内で臓器が非対称な形と位置で形成される[30]。それに対し、ショウジョウバエ(節足動物)では、細胞の形態のゆがみに起因して消化管が非対称な形態をとる[30]。腹足類(軟体動物)では殻の巻く方向が発生初期の卵割様式に依存して Nodal や Pitx2 などの因子の制御により左巻きか右巻きかが変化する[30]

胚葉性

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→「§ 発生」も参照

受精卵が卵割を繰り返し形成される細胞の層を胚葉(はいよう、germ layer)と呼ぶ[35]個体発生の過程では、上皮細胞の層に囲まれ体内と体外の区別がつく胞胚の状態から、原腸陥入によって内胚葉(ないはいよう、endoderm)と外胚葉(がいはいよう、ectoderm)が形成され、二胚葉性嚢胚(原腸胚)となる[28][35]。そこからさらに内外両胚葉の何れかから中に細胞が零れ落ち、中胚葉(ちゅうはいよう、mesoderm)が形成される[28][35]。外胚葉由来の中胚葉を外中胚葉(がいちゅうはいよう、ectomesoderm[注釈 7])、内胚葉由来の中胚葉を内中胚葉(ないちゅうはいよう、entomesoderm[注釈 8])と呼ぶこともある[35][36]。外中胚葉からなる細胞は全て間充織細胞 (mesenchyme) としてできるが、棘皮動物箒虫動物など、内中胚葉でも間充織細胞として形成されるものもある[36]

系統進化の仮説において、多細胞化して細胞同士の密着により体内と外界を隔離するようになった動物が、口と消化管を生じ、内胚葉外胚葉の区別がなされるようになった二胚葉動物(ディプロブラスティカ[37]、Diploblastica)となり、それが更に中胚葉ができて三胚葉動物(トリプロブラスティカ[37]、Triploblastica)となったと考えられている[28]海綿動物以外の動物は(二次的に喪失したものを除き)胚葉の分化がみられ、真正後生動物と呼ばれる[38]刺胞動物および有櫛動物は内中胚葉を持たないため、かつては二胚葉動物と見なされてきたが、内胚葉と外胚葉の間に外中胚葉による間充織細胞を持つため、結合組織に細胞がみられないヒドロ虫類を除き、三胚葉性であるとみなされることが多い(それぞれの動物門については#現生の動物の系統も参照)[35][36]平板動物も中胚葉を欠くとされるが、前者には上皮の下に細胞がみられる[35][要校閲]。二胚動物および直泳動物にも中胚葉がなく、後生動物ですらない中生動物とされていたが、現在では退化的に単純な体制になったと解釈されている[35]

体腔

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外胚葉と内胚葉の間隙に中胚葉が筒状の細胞層を形成したものを体腔(たいこう、coelom)と呼ぶ[39]

三胚葉性動物は体腔の構造により、体腔のない無体腔動物(むたいこうどうぶつ、acoelomates)、体腔が上皮性の細胞で裏打ちされていない偽体腔動物(ぎたいこうどうぶつ、pseudocoelomates)、上皮性の細胞で裏打ちされた体腔をもつ真体腔動物(しんたいこうどうぶつ、coelomates, eucoelomates)に大別されてきた[39][40]。偽体腔は胞胚腔原体腔、primary body cavity)が体腔として残ったもので大きな体腔を作ることができないのに対し、真体腔はしっかりとした大きな体腔を作ることができる[28][36]。偽体腔動物は従来、袋形動物という一つの動物門に含められていた[39]。また、真体腔はでき方により腸体腔(ちょうたいこう、enterocoel)および裂体腔(れったいこう、schizocoel)に分けられる[28][39]。前者は腸体腔嚢と呼ばれる腸管にできる膨らみが括れて切れて形成されるのに対し、後者は中胚葉性の細胞塊の内部に空所が形成される[28][39]。主に前口動物(担輪動物 + 脱皮動物)では裂体腔、後口動物(新口動物)では腸体腔となる(#現生の動物の系統も参照)[28]。かつて後口動物として扱われていた毛顎動物や腕足動物も腸体腔を持つ[36]

古くは無体腔動物から偽体腔動物、そして偽体腔動物が真体腔動物に進化してきたと解釈されていたが、ロレンツェン (1985) は間隙生活などで不必要になった真体腔が偽体腔に退化した可能性を示唆しており、さらに分子系統解析の結果でもこれが支持され、無体腔や偽体腔は真体腔が退化的に変化したものである考えがなされている[28][38][39]

また、軟体動物節足動物尾索動物などでは、血液血リンパ)に満たされた血体腔(けったいこう、hemocoel)と呼ばれる腔所(原体腔)を持つ[41][42]。血体腔を持つ動物は開放血管系を持つ[41][42]

動物の細胞

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動物の細胞は、全ての真核生物の細胞に共通した以下の構造を持つ。

  • 細胞膜:細胞を包んでいる膜[43]。内部は生体物質を含む水溶液があり代謝の場となっている。リボソーム細胞質原形質)といった共通の構成要素を持っている。

  • DNA塩基配列または遺伝暗号 (genetic code) と言うヌクレオチドの塩基部分が並ぶ構造を持ち[44]、遺伝情報の継承と発現を担う。真核細胞のDNAは、一本または複数本の分子から構成される直線状で原核生物よりも多く[45]染色体と呼ばれる[46]

  • 細胞質:細胞の細胞膜で囲まれた部分である原形質のうち、細胞核以外の領域のこと。真核細胞の細胞質には細胞骨格(サイトスケルトン)と呼ばれる微小な管やフィラメント状がつくる網目もしくは束状をした3次元構造[47] がある。これが特に発達した動物の細胞では、細胞骨格が各細胞の形を決定づける。

細胞小器官

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→詳細は「細胞小器官」を参照

典型的な動物細胞には、以下のような細胞小器官がある(番号は図のものと対応):

  1. 核小体(仁):細胞核の中に存在する、分子密度の高い領域で、rRNA の転写やリボソームの構築が行われる。

  2. 細胞核:細胞の遺伝情報の保存と伝達を行う。

  3. リボソームmRNAの遺伝情報を読み取ってタンパク質へと変換する機構である翻訳が行われる。

  4. 小胞細胞内にある膜に包まれた袋状の構造で、細胞中に物質を貯蔵したり、細胞内外に物質を輸送するために用いられる。代表的なものに、液胞リソソームがある。

  5. 粗面小胞体リボソームが付着している小胞体の総称。

  6. ゴルジ体:へん平な袋状の膜構造が重なっており、細胞外へ分泌されるタンパク質の糖鎖修飾や、リボソームを構成するタンパク質のプロセシングに機能する。

  7. 微小管細胞中に見いだされる直径約 25 nm の状の構造であり、主にチューブリンと呼ばれるタンパク質からなる。細胞骨格の一種。細胞分裂の際に形成される分裂装置(星状体紡錘体染色体をまとめてこう呼ぶ)の主体。

  8. 滑面小胞体リボソームが付着していない小胞体の総称。通常細管上の網目構造をとる。粗面小胞体ゴルジ複合体シス網との移行領域、粗面小胞体との連続部位に存在する。トリグリセリドコレステロールステロイドホルモンなど脂質成分の合成やCa2+の貯蔵などを行う。

  9. ミトコンドリア:二重の生体膜からなり、独自のDNAミトコンドリアDNA=mtDNA)を持ち、分裂、増殖する。mtDNA はATP合成以外の生命現象にも関与する。酸素呼吸好気呼吸)の場として知られている。また、細胞のアポトーシスにおいても重要な役割を担っている。mtDNAとその遺伝子産物は一部が細胞表面にも局在し突然変異は自然免疫系が特異的に排除[48] する。ミトコンドリアは好気性細菌でリケッチアに近いαプロテオバクテリア真核細胞共生することによって獲得されたと考えられている[49]

  10. 液胞:電子顕微鏡で観察したときのみ、動物細胞内にもみられる。主な役割として、ブドウ糖のような代謝産物の貯蔵、無機塩類のようなイオンを用いた浸透圧の調節・リゾチームを初めとした分解酵素が入っており不用物の細胞内消化、不用物の貯蔵がある。

  11. 細胞質基質細胞質から細胞内小器官を除いた部分のこと。真核生物では細胞質基質はどちらかと言えば細胞の基礎的な代謝機能の場となっている。

  12. リソソーム生体膜につつまれた構造体で細胞内消化の場。

  13. 中心体細胞分裂の際、中心的な役割を果たす。

細胞外マトリックス

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動物の細胞はコラーゲンと伸縮性のある糖タンパク質からなる特徴的な細胞外マトリックスで囲まれている[50]。細胞外マトリックスは細胞外の空間を充填する物質であると同時に、骨格的役割(石灰化による貝殻、海綿骨針といった組織の形成[51] )、細胞接着における足場の役割(例:基底膜フィブロネクチン)、細胞増殖因子などの保持・提供する役割(例:ヘパラン硫酸に結合する細胞増殖因子FGF)などを担う。また動物細胞は、密着結合ギャップ結合接着斑などにより細胞結合細胞接着している[52]

海綿動物平板動物のような少数の例外を除き、動物の体は組織に分化しており[53]、組織としては例えば筋肉神経がある。

生殖

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有性生殖

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一部の例外を除き動物は何らかの形で有性生殖を行う[54][55]。有性生殖では、減数分裂により一倍体の大小2種類の配偶子が作られる[55]。2つの配偶子が融合する事で新しい個体が生まれるが、この場合小さくて運動性がある配偶子を精子、大きくて運動性を持たない配偶子を(卵子)といい、配偶子が融合する過程を受精 (fertilization)、受精の結果できあがった細胞を受精卵 (fertilized egg) という[56][57][58]。また精子を作る性機能を、卵を作る性機能をという[58]。雌雄の性機能を別々の個体が担うことを雌雄異体、1つの個体が両方の性機能をもつ場合は雌雄同体であるという[58]

無性生殖

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有性生殖に対し、無性生殖も哺乳類を除いたほとんどの分類群で行われている[55]。無性生殖は生殖コストが低く、短期間で増殖するメリットはあるが、多様性が作りづらく有害遺伝子の排除が困難であり、後戻りできない糸車に喩えマラーのラチェット仮説でそのデメリットが説明される[55]。そのようなデメリットがありながらもほとんどの動物群で無性生殖が行われることは無性生殖のパラドクスと呼ばれている[55]。配偶子を必要としない栄養生殖型の無性生殖では、出芽横分裂、断片化などの自切現象ののち、失った部分を再生することによって新しい個体を生み出す[55]。この型の無性生殖は海綿動物刺胞動物扁形動物環形動物苔虫動物内肛動物棘皮動物半索動物脊索動物などほとんどの分類群で行われる[55]。特にヒドラ(刺胞動物)やプラナリア(扁形動物)は分化多能性幹細胞をもち、自切後の再生に関与している[55]。群体ホヤ(尾索動物)では、上皮組織から多能性を持った細胞が脱分化して再生を行う[55]

配偶子を必要とする単為生殖型の無性生殖を行う動物も存在し、ミツバチアブラムシ節足動物)やワムシ輪形動物)、魚類両生類爬虫類脊椎動物)でみられる[55]。卵の形成過程により、体細胞分裂で卵が形成されるアポミクシスクローンによる生殖)、減数分裂前に染色体が倍加するエンドミクシス、減数分裂後に染色体が倍加するオートミクシスに分けられる[55]。また、精子が介在する「偽の受精 pseudogamy」によっておこる単為生殖では、精子によって賦活され発生が開始されるが雄性前核が受精卵から除去される雌性生殖や、淡水生のシジミ(軟体動物)で見られるように精子による賦活後雄性前核が除去され精子由来のゲノム情報で発生が行われる雄性生殖がある[55]ヒルガタワムシ類(輪形動物)では数千万年間アポミクシスのみで繁殖しており、DNAの変異の蓄積で新規遺伝子が獲得されるという考え(メセルソン効果)が提唱されている[55]。哺乳類では、ゲノムインプリンティングというエピジェネティックな単為生殖防御機構が働いている[55]


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