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カザフスタンにてビラ配りの極意を理解した話


筆者は先日までカザフスタンに旅をしに行っていました。

帰国日、訳あって私はビラ配りの極意を理解しました。

ビラ配りの青年に道を聞いた事が発端です。

事の顛末、そしてビラ配りの極意を順を追って話したいと思います。


カザフ人の青年


両替所を探しながら道路沿いの歩道を歩いていると、メガネをかけた青年にビラを渡されました。

20mも前からロックオンされているのが分かったので、こちらも両替所の場所を聞く準備をしていました。

カザフスタンで英語を話す人は稀ですが、一か八か英語で聞いてみました。

運良く青年は英語ができたので、両替所探しを手伝ってもらいました。青年が両替所を検索してくれている雑談でもしようと、私が日本へ帰国するところだと伝えました。

すると、青年は後ずさりして、口を手で押えながらこう言いました。「まじ?なんで?意味ないじゃん?!」

日本語が出てくるとは夢にも思っていなかったので、私も青年と同じ顔、同じ体勢になって同じようなことを言いました。

話を聞くと、青年の名前はノレーンといい、日本語が出来るのは2年前からアニメで日本語を学習するようになったからだとか。

ノレーンの日本語レベルは凄まじく、私が旅終盤にもなるとホームシックになってくるものだと言うと「それは郷愁だね」と言い換えてくる程。

自己紹介をし、お互い今どうしてここにいるのかなど、簡単な身の上話をした後「まじかー」と二人でいいながら、近くにあった椅子に腰掛けました。

ノレーンは話しながらビラ配りの仕事をしていました。数枚配ると椅子までやって来てなにか質問をしてくる、というのを1時間程続けました。

日本人に会うのは初めてらしいですが、アニメの影響で日本人を随分高く評価してくれていました。高いというかあれはもはや崇めていると言ってもいいかもしれません。

ビラ配り

ノレーンはあと4時間ほどビラ配りをするそうでしたが、私はフライトまで7時間ほどあったので最後まで付き合うことにしました。

ずっとビラ配りを見ていると、だんだん、どの通行人がビラを受け取ってくれるか感覚でわかるようになってきます。

確実にビラを受け取らせる方法をいくつか思いついたりもしました。

そうなると実践したくなるので、3分間でどちらが多くのビラを配ることが出来るか、という対決をノレーンに申し込みました。

先にノレーンが挑戦し、記録は3枚でした。

次に挑戦した私は12枚でした。

通行人は1分間に10人ちょっと、という道です。

極意

ここでビラ配りの極意についてお教えしたいと思います。

私の勝因は主に2つあると思います。

1つ目は、ビラを渡す人を選ぶこと

2つ目は、不意打ちのテクニックを用いること


1つ目の人選に関して

ビラ配りではビラを受け取る可能性が高い人に渡し、受け取る可能性が低い人に渡さないことが重要です。

なぜなら、ある通行人がビラを受け取ったかどうかで、その後の通行人のビラ受け取り率が影響されるからです。

例えば、ビラを断った人が前にいた場合、その後ろの人は断ることに対する抵抗感が減り、断りやすくなります。

その逆も然りです。

つまり、ある通行人へのビラ配りの成否が、その後正の連鎖を生むか負の連鎖を生むかを問うことになります。

受け取る可能性が低い高い人と低い人の具体例をあげます。


受け取る可能性が高い人

①電話をしていて、さらに片手が空いている人
②数人組の少年少女

受け取る可能性が低い人

①高齢者
②ビラを受け取らなかった人の後ろを歩く人


これらの人を優先して狙う、もしくは出来るだけ避けることで良い連鎖を生み出すことが出来ます。


2つ目のテクニックに関して

テクニックとしては不意打ちが有効です。これは、相手に受け取らないという準備をする時間を与えないためのものです。

具体的に、ターゲットを絞り、そのターゲットが10m以上離れている段階から、相手に悟られないように後ろを向くかそっぽを向きます。

その間出来ればビラは配らない方がいいです。

そして相手が2m程の距離に近づいてきたところで不意に振り返りそのままビラを渡します。

そうすることで、相手はビラを受け取らない判断と選択をする前に、目の前に差し出された物を受け取るという行動が出るので、その結果ビラを受け取ってくれるという訳です。


おわり

以上が私にビラ配りの極意を理解させるに至った不思議な経緯と、ビラ配りの極意でした。

しかしいったい誰がこんな記事をわざわざ読むんでしょうか。

歩合制のビラ配りでもあるのでしょうか。あるならやりたいものです。

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