カザフ・キルギス旅〜旅と計画は相性が悪い〜
旅人に役立つ情報を含む雑多なエッセイです。
始まり
窓側の座席を希望しなかった事への後悔は、暗いアルマトイ空港の滑走路に着陸した瞬間に、機体に働いた慣性のおかげで身体から離れていった。でももしかすると、それは旅への期待のおかげだったかもしれない。
手続きを済ませ、ターミナルビルでSIMカードを買う。どこも同じような値段だがBbeelineは10GBで約2000円程度だった。無料でアクティベートをしてもらい、カザフスタンで使える電話番号が書かれた厚紙を貰う。この厚紙は、小学校の下駄箱に貼る、自分の名前が書かれたテープ程の大きさなので、紛失する前に番号をメモして置くと良い。
ビルを出て10歩も歩けば、白タクのおっちゃんが「タクスィータクスィー」と声をかけてくるだろう。空港前の白タクの勧誘は大してしつこくない気がする。
隣のビルで両替をした。本当ならRevolutカードを使ってATMで現地の現金を下ろした方がお得なのだが、ATMが見つからなかったのでやむを得ない。
とりあえず大通り沿いを歩いてみた。まず驚いたのは、野良で見たことない犬種がウロウロしてる事。
犬を撮っていたら、ロシア人に話しかけられた。SNS用の動画を撮っていたらしく、内カメを向けてきた。それに快く付き合ったのは間違いなく旅初日のテンションだったからだと思う。
タクシー
するとロシア人の彼が、「タクシーを呼んであげようか」と表示された翻訳機を見せてきたので、私は何度も頷いた。
ロシア人に別れと感謝を告げ、タクシーに乗る。運転手はそこそこ流暢な日本語で「ヤメテクダサーイ」と言ってから出発した。生まれて初めて見るレベルの荒い運転のくせに、そのテクニックにはどこか信頼がおけた。
到着場所は間違っていた。ロシア人が配車以来の時ミスしたよう。しかし着いたら彼に連絡する約束だったので、無事ついたと報告。
ホステル探し
予約はしてないが、事前に調べておいたホステルに向け30分ほど歩く。
途中でコンビニに寄り水とサンドイッチを買った。レジでなにか聞かれるが、有料のレジ袋を付けるかという質問なのでお好きに返事をすれば良い。
暗い道を長いこと歩いているとようやくホステルに着いた。1泊3000テンゲだと聞いていたが5000テンゲと言われ、交渉の余地が無かったので別の所に行くことにした。
ホステル到着
別のホステルに着いた時には午前0時をすぎていた。どの家も似たような、鉄製の頑丈な門を構えているので見分けがつかないし入りずらい。うるさいベルを鳴らして開けてもらう。
物静かなカザフ人のおばあさんが対応してくれた。素泊まり1泊で約800円。
住人
1階の廊下でインド人2人、ウズベキスタン人1人と出会った。軽く自己紹介をし、廊下に面しているキッチンで談笑した。インド人のAmreshとSe(?)が作った、煮込みすぎスパイシー乾麺をご馳走になった。ウズベキスタン人のマカは、私にパンを持っているか聞いてきた。私がサンドイッチを出すと、マカは何も言わずにサンドイッチを解体し始め、パンの部分だけを食べた。中身は嫌いだと嫌な顔をしていた。
宗教
突然、日本人の信仰について聞かれた。仏教と神道だとその場しのぎで答えた。ウズベキスタン人のマカはムスリムで、AmreshとSeはヒンドゥー教徒だ。私がヒンドゥー教徒である可能性を捨てきれていなかったのだろうか、Amreshは私が仏教徒だと聞くと、「いいんだよ、今僕らはただの人として対峙してるだから」と言ってなにかを擁護した。
ムスリムのマカは神道の、多神教のような構造を感覚的に受け入れずらいようで、何度も聞き返してきた。
自身の信仰について聞かれたのは人生で初めてだった。
うわさ
Amreshから日本人女性がここに宿泊しているらしい、という話を聞いた。寝耳に水、カザフスタンに日本人。耳に放水してからその日は寝た。
初日はこんな感じだった。プラン通りに行かないことで新しい出会いがあるのは常。それを楽しむのが旅だと、初日ながら思った。
区切りもいいので、日本人と遭遇した話は次回に回すことにする。
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