【考察】Mrs. GREEN APPLE「ライラック」


今回は、Mrs.GREEN APPLE(※以下、ミセス)の「ライラック」という曲について自分なりに考察。





この曲は、アニメ「忘却バッテリー」の主題歌にも起用されていて
大人の青春の歌、ミセスの大人気楽曲「青と夏」のアンサーソングと言われているらしい。



まずはタイトルから


曲のタイトルは「ライラック」
これは花の名前なのだが、花言葉は「初恋」「青春の思い出」「友情」

だがこれ、ライラックの花の色によって変わってくるらしい。

今回の曲のジャケ写がこちら。

 紫のライラックに若干白も混じってる???

ちなみに、ミュージックビデオの中でも2回花を持ったシーンが出てくる。

お花屋さんの手に紫と白の花
紫と白のライラックを抱きしめる姿


紫のライラック…恋の芽生え、初恋

白のライラック…青春の喜び、若き日の思い出


この2つの意味が込められた楽曲なんでしょうか。



早速歌詞を見ていく!

過ぎてゆくんだ今日も
この寿命の通りに
限りある数字が減るように
美しい数字が増えるように

思い出の宝庫
古いものは棚の奥に
埃を被ってるのに
誇りが光って見えるように

大人向けということもあって、歌い出しから「歳を重ねることとは?」と思わせるワードが多い。

限りある数字が減る=寿命までのカウントダウン

美しい数字が増える=様々な経験を通して増えていく人間としての重みとか深みのことかな?

青春時代の思い出は、棚の奥(心の奥)にしまってある。
もう取り出して見ることはないから、埃がかぶってしまってるけど、自分にとっては大切でいつまでもキラキラと光ってるんだ。

分かるー!!!分かる、分かる。
10代の頃に経験したことって良いことも悪いことも含め、全て自分の中ではキラキラとした輝かしい思い出になってるんだよね。
思い出は美化されるってやつ。



されど
By my side
不安 喝采 連帯
濁ったりの安全地帯
グワングワンになる
朝方の倦怠感
三番ホーム 準急電車

ここで現実に引き戻されるよ!!!
自立して生きていくためには、仕事をしなくちゃいけない。
そして仕事する上での人間関係は、本当に面倒臭い。苦手な人とも上手に関わっていかないといけない。
プライベートも上手くいかない。将来への不安。

若い頃は学校行って部活するだけだったのに、大人になると本当に色んなことを考えなくちゃいけなくて、憂鬱な気持ちになる。


朝方の倦怠感、三番ホーム、準急電車


さては…出勤中だな!??

いや、分かるよ、分かる。
特に出勤してる時ってめちゃくちゃ鬱になるよね。
働いてる人なら100%分かるよ、その気持ち。


ちなみに「忘却バッテリー」の舞台である高校の最寄駅は三番ホームに準急電車が止まるらしい。
すごいぞ、そこでちゃんとアニメと絡んでくのすごいぞ。



青に似たすっぱい春とライラック
君を待つよ ここでね
痛みだす人生単位の傷も
愛おしく思いたい
探す宛てもないのに
忘れてしまう僕らは
何を経て 何を得て
大人になってゆくんだろう

サビです。
「青に似たすっぱい春とライラック」って青に似てるけど青とは違う春ってことだよね。
ここで言う青っておそらく青春時代のこと?

ライラックは紫色がスタンダードな色だから、青に違う色が混ざって深みが増した紫=今(大人の自分)を表してる?

君を待つって誰のこと? 

まさか初恋の人じゃないよね?
(だとしたら怖いかも。さっさと次の恋に進んでくれよ…と思ってしまう。笑)

この先の未来で、「自分が出会う相手」のことだといいなぁ。


色んな経験して傷ついたことも愛おしく思いたい。
けど、そんなことも忘れてしまう僕らはどうやって大人になっていくんだろう?



一回だけのチャンスを
見送ってしまう事が無いように
いつでも踵を浮かしていたい
だけども難しいように

主人公の候補
くらいに自分を思っていたのに
名前も無い役のような
スピンオフも作れないよな

1回だけのチャンスを〜
踵を浮かして〜
野球を思わせるような言い回しが多い。
アニメと絡めてるのかな。

大人になると、臆病になってしまう。
チャンスが回ってきても、よっぽど確証がない限り行動に移せなかったり。
いつでも走り出せる準備はしていたいけど、いざ走り出すのは難しい。

自分は、主人公の候補だと思っていたけど、スピンオフも作れないくらい名前もないモブだったと気付いた。



たかが
By my side
くだらない愛を歌う際
嘘つきにはなりたくない
ワサワサする胸
朝方の疎ましさ
ズラして乗る 急行電車

くだらない愛と自分自身を卑下しながらも、嘘つきにはなりたくないと誠実な感情も持ってる。

モヤモヤと色々と考え込んでしまう朝に、敢えてズラして乗った急行電車。
急行電車はきっと色んなもの(自分にとっての悩みとかモヤモヤの種)をすっ飛ばす、素通りしていく描写なのかな?

(ちなみに、これ、1番の歌詞では準急だった。
急行は主要駅にのみ停まる列車で、準急はそれよりも停車駅が多い。)



影が痛い
価値なんか無い
僕だけが独りのような
夜が嫌い
君が嫌い
優しくなれない僕です
光が痛い
希望なんか嫌い
僕だけ置いてけぼりのような
夜が嫌い
一人が怖い
我儘が拗れた美徳

はい、ここで病み病みモード突入!
つらつらとひたすら病み言葉が並んでます。
なんか色々言ってるけど、我儘が拗れた美徳って現実的な言葉で締められている。
なんだ、分かってるじゃん。
そうだ、これ大人の青春ソングだったんだ。

大人だから、病み言葉並べて勝手に病んで終わり。ではなくて…
ちゃんと我儘が拗れた美徳であると現実を、自分自身を理解している。



不完全な思いも
如何せん大事にしたくて
不安だらけの日々でも
愛してみる

感じた事のない
クソみたいな敗北感も
どれもこれもが僕を
つき動かしてる

ここから前向きになってる。
自分の中で消化しきれない感情も大事にして、不安だらけの日々すらも愛してみよう。

クソみたいな敗北感ですらも、自分を動かす原動力だ。



鼓動が揺らすこの大地とハイタッチ
全て懸けた あの夏も
色褪せはしない 忘れられないな
今日を生きる為に。

探す宛ても無いのに
失くしてしまう僕らは
何のために 誰のために
傷を増やしてゆくんだろう

鼓動が揺らすこの大地とハイタッチ
真面目にこの姿を想像すると、逆立ちでもしてるんか?と思うけど(多分違う)
なんかでもここのフレーズ1番好き。
よっしゃ!やったるでーーーー!!って前向きな気持ちに勝手になってくる。

全てをかけたあの時の夏も今日を生きるために忘れられない。(青と夏のこと?)

傷ついた過去とかあの時の思い出って、時が経つと忘れてしまうよね。
それは探すこともないくらい、最初からなかったんじゃないのかってくらいに忘れてしまう。
でもじゃあ、なんのために傷(過去、思い出)を増やしていくんだろう?




雨が降るその後に
緑が育つように
意味の無い事は無いと信じて進もうか

答えがない事ばかり
だからこそ愛そうとも

雨が降る〜からは言葉通りの解釈。
大人になると忘れてしまうけど、きっとその時経験したことは意味のあることだったんだ。

答えなんてないけど、だからこそ愛そう。
自分自身のことやこれから起こりうることも。




あの頃の青を
覚えていようぜ
苦味が重なっても
光ってる

割に合わない疵も
認めてあげようぜ
僕は僕自身を
愛してる

愛せてる。

あの頃の青=青春時代の思い出
苦い経験も時が経つと光って見えるから
覚えていよう。

割に合わない疵=自分自身のあやまちや欠点
認めて、そんな部分を含めた自分を愛してる。

愛せてるんだ。
最後は自分自身に言い聞かせて、納得させてるのだろうか。

ちなみに最初の歌詞では傷という漢字を使っていたのだが、最後の最後で疵になっている。

他者からつけられた傷から自分自身のあやまちや欠点による疵へと解釈が変化したのだろうか。
それもまた大人になったよ、ということ?



最後に

ミセスの歌って、いい歳した大人である自分が聞くと、どうしても今の状況とはイコールにならなくて。
遠い昔の青春時代こんなことあったな〜と懐かしむ曲が多かったんだよね。

でもライラックは、そんな大人jam'sの自分でも今の自分にぴったり共感できる曲なので、本当に嬉しい。

これ逆に10代青春真っ盛りのjam'sの感想も聞いてみると面白いかもしれない。


何気なく聴いていた歌詞も考察してみるとより深みが増しました。

いいなと思ったら応援しよう!