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格好良い岩を納得いくスタイルで - 寒獄編 -
クライミングのスタイルについて深掘りするのは
まだ先に取っておくとして、今年は過程をしっかり味わうこと、そしてかっこいい岩を登ることを自分のテーマにしている。
そのテーマに合う岩を狙いに、年始に某所へ行った時の話。
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以前、別の岩場でお会いして連絡を取り合うようになったSさんTさんに岩場の情報を教えて頂き、11月頃に偵察しに行ったが、噂通りこの岩は染み出しでトライできる期間がかなり短く、その時は数日雨が降ってなかったのにビックリするほどびしょ濡れだった。
年始なら乾いているとのことだったのでOさんと年明け早々行ってみることに。
駐車場に到着しマット担いでガレ場を駆け下りる。
その先には乾いて真っ白くなっている巨石が静かに佇んでいた。
めちゃめちゃテンション上がった。
一応マットは持って来たが、ここまで格好良いとなると一旦ノーマットでトライしてみたくなる。
ただ高さがそれなりにあるので慎重に一手ずつ、着地ポイントを確かめながら進めていく。
おそらく核心パートであろう箇所まで到着。
想像してたよりも悪くて中々突っ込めず、核心パートまで行っては飛び降り、行っては飛び降りの繰り返しだった。
それを繰り返している内に高さにも慣れて来て、ようやく良い足順が決まり、そのまま岩の上に立つ事が出来た。
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ここまでのハイボルダーでノーマットは中々やる機会無いし、ただのハイボルダーではなく最高にカッコいいハイボルダーだった為、登りきった後の爽快感が半端なかった。
途中マット敷こうかと思った瞬間もあったが、曲げずにトライし続けて良かった。
その後、上流のプロジェクトを見に行った間にOさんも完登。
ちなみにOさんは核心パートですっぽ抜け落ちをかましている。それでも完登してくるメンタル、やっぱやばい。
こんなに格好良い岩を見つけて初登出来るの羨ましい…僕もいつかこのクラスの岩の開拓をしたいと強く思った。
新年1本目に最高に格好良い岩を納得いくスタイルで登ることが出来て良かった。
「クライミングの大きな魅力の一つである心理面の駆け引き。完全なクライマーとは、自らの能力と待ち受ける危険を同時に査定しつつ、大きな精神的ストレスの下で高い技術難度を克服できる者でなければならない」
ボルダリングにも言える事。
常に意識していこうと思う。