星降る丘の約束⑮~第三章~

5. 夜空の下での約束

その夜、二人は丘の上で夜空を見上げながら、祖父の「星を数えるゲーム」を始めた。
「菜月、あれが北斗七星よ。」
「わかった!じゃああの一番明るい星は?」

母娘は、子どもの頃のように無邪気に星を探し始めた。仕事に追われる日々を送っていた美咲にとって、こんなに穏やかで楽しい時間を持つのは何年ぶりだっただろうか。

菜月は空を見上げながら言った。
「おじいちゃん、喜んでるよね。ママも、もっと笑った方がいいよ。」

美咲は驚いたように菜月を見つめたが、すぐに微笑んで頷いた。
「そうね。これからは、もっと大切にするわ。」

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