星降る丘の約束⑬~第三章~
3. 星の丘へ到着
1時間ほど歩いた後、視界が開け、二人は丘の上にたどり着いた。そこには、祖父が残した地図に描かれていたとおり、広大な草原と木製のベンチがあった。
「ここが…おじいちゃんの場所なんだ。」菜月が感嘆の声を漏らす。
美咲もまた、深い感慨を覚えていた。かつてここで家族揃って星を眺めた記憶が鮮やかによみがえる。
「確かにこの場所…私も来たことがある。」
二人はベンチに腰を下ろし、周囲の景色を眺めながらしばらく言葉を失った。風が心地よく吹き抜け、遠くには小さな町が見渡せる。